【小説】人形の夢 2
人形の夢 2
自宅から約2時間、電車を乗り継いで降りたことのない駅に降りる。
待ち合わせに指定されたのは、駅前の大きくて、静かな喫茶店だった。静かだが、空席が目立つわけではなく、程よく混雑している。
入り口で声を掛けてきた店員に、少し早く着いてしまったのですが…と、待ち合わせの旨を伝えると、入り口近くの窓側の4人掛けの席に通してくれた。
最低限の着替えと日用品の詰まったボストンバッグを入り口が見える窓側に置き、隣に座る。
メニューを一通り眺めた後、ポケットからスマホとイヤホ