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Visual Thinking

 「ビジュアルシンカーの脳」テンプル・グランディンの2022年の作品。あまり面白くなかったけど、とても興味深かった。

 バーバルシンカーは物語を好みトップダウンであるのに対してビジュアルシンカーはボトムアップであり、著者は哺乳類に共通の基本的な感情を超える微妙な感情(を表す言葉)はよく理解できないそうなので、面白くないのはしょうがないですね。物語の好きな、感情移入しようとうずうずしている読者が感動するようには書いてありません。

 大体全部の段落が研究者やサイエンスライターの文からの引用みたいな印象。小間切れのスクラップブックを見せられている感じ。起承転結は欲しかった。

 後半、脳と自己意識について扱っている部分で興味深いことがありました。クオリアに触れていないことです。たまたまでしょうか、それとも…

 茂木健一郎の好きなクオリアは、愚劣なバーバルシンカーの見ているはかない幻に過ぎないのだろうと思います。

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