売られた花嫁
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(BiH)の首都サラエボからです。
こんばんは!Dobro veče🌜
今週、サラエボ市は雪が降りました。
「どうせそんなに降らないだろう」と思ったら、割と降って、道行く車もトラムも、お屋根に雪を乗っけていました
今週も断水は何回かありました
サラエボ生活初のオペラ
国立劇場
サラエボ市国立劇場は国内で唯一劇場専属の歌劇団・オペラ団・バレエ団を所有しています。元々は公民館として、19世紀後半に建設され、1921年(大正10年)に国立劇場として開館しました。文化財です。
本日の演奏はサラエボフィルです。
日本の無償協力援助で楽器が送られていることもあり、様々なポスターの協賛に今でもJICAと日本大使館が載っています。
「ボスニア・ヘルツェゴビナ国サラエボ交響楽団楽器整備計画」の楽器引渡し式が実施されました。| バルカン事務所 | 海外のJICA拠点 | JICAについて - JICA
「じゃあ、前から4列目の2番目の席ね」と売り場の男性がボールペンでさらさらっと。オペラが3000円以下で鑑賞が出来るなんて!
今夜の演目は、スメタナのオペラ
『売られた花嫁』
初日です。
結論から言うと、とても素晴らしかったです
実は、直前には鑑賞が億劫になる気持ちもありました。
『売られた花嫁』は超退屈なオペラとして私の中では再生封印されていたからです。
学生の時に履修していたオペラの授業のレポート題材を探しに、学内中央図書館の、レーザーディスク(当時)で観たのですが、退屈なチェコ語のオペラブッファに嫌気。中学の時に序曲を演奏したことがあり、親しみを感じて鑑賞してみたのですが。。。
しかし、
今回のオペラに行かないと、サラエボフィルの演奏をまだ一度も聞いていないモヤモヤが解消できないと思い、いざ
開演近くなると、会場はだんだん埋まってきました。
アジア人は私だけでした(まぁ、いつもそんなところです)
「楽しんでください」と劇場スタッフから声を掛けられました
感染症対策も取られていて、入口で消毒と検温、密にならないシーティング
チェコ生まれのKarel Paříkというサラエボで大活躍した建築家のデザインです。
3幕のオペラに2回の休憩が挟み約3時間。
19時半から23時までの時間。
この国に来て、いえパンデミック以降、一番、幸福度が高い時間でした。
まず、有名な序曲が始まった時に「生演奏が聞けている」喜びに感無量。涙がじんわり
そして、煮ても焼いても受け付けなかった演目は、俄然、素晴しいパフォーマンスと演出により驚きの新境地。ちなみに皆さん、笑い過ぎ!
楽しくて斬新な演出でした。
拍手鳴りやまぬスタンディングオベーションで初日の幕が下りました。
まさに、サラエボという小さな市の劇場における「そこでしかできない、そこの最大公約数」で運営・活動する発想の転換に感銘を受けました。予算や設備、そしてCOVID19といった様々な制約を乗り越えた表現方法でした。
何度でも観たいです。
国立劇場で1946年に初めてオペラが行われた際にも『売られた花嫁』が上演されました。この劇場にとっては特別な意味を持ち、サラエボオペラ75周年を祝うにふさわしい演目です。