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入門者が最初に買うべき天体望遠鏡


■天体望遠鏡を買う前に

いきなりですが、入門者が最初に買う天体望遠鏡のおすすめをご紹介します。
6万円以上予算があるなら、スマート望遠鏡のSeestarS30を買ってください。以上終わり。
理由は下記のリンク先をご参照ください。

でも、それではこのページの意味がないので・・・、
先ずは、肉眼だけで観察することから始めてみてください。
望遠鏡を買うのはそれからでも充分です。

とりあえず、星座早見盤やスマホの星座アプリを頼りにいろいろな星座や星を眺めて楽しみましょう。
2~4千円台の安価な10倍×口径40mmの単眼鏡などを使って見るのもおすすめです。
双眼鏡について詳しくは下記の記事をご参照ください。

1ヶ月も毎日眺めているとだいぶ星がわかるようになります。
あと、スマホや一眼カメラで星座の写真とかを撮ることもおススメします。星座写真撮ったら、その画像にネット情報や書籍などを参考に自分で星座線を引いてみましょう。星の名前とか入れるといいかもです。
これ凄く勉強になります。私はこの方法で星の名前や星座を覚えました。詳しくは下記の記事をどうぞ。

おいおい・・・望遠鏡はどうしたの?

ということで、星空を見るのが慣れたら、天体望遠鏡の購入を考えましょう!

やっと本題に戻りました。
ということで、望遠鏡の基本事項から解説致します。

■天体望遠鏡の基礎知識

◆望遠鏡の仕組み

ガラスを球面にすると光が屈折してある一点に焦点が集まります。子どもの頃に虫眼鏡で紙をあぶっていたずらした経験のある方も多いかと思います。そして覗く側にもレンズ(接眼レンズ)を通して見ると遠くのものを大きく見ることができるのです。(屈折望遠鏡)
また、レンズを使わずに鏡を凹面型の球面状にしても同じように光を焦点に集める効果が得られます。(反射望遠鏡)

◆望遠鏡で見る世界は逆さま

入門用の屈折望遠鏡はほとんどが筒の先端に2枚のレンズを貼り合わせたもの(対物レンズ)が付いていて、筒の末端に接眼レンズ(アイピース)というレンズを通して対象の天体を覗きます。このときの像は上下左右逆さまの倒立像になります。その他の反射式でも屈折反射式でも同様に倒立像になります。

◆望遠鏡のミニ歴史

日本で徳川幕府が開かれた4年後の1608年にオランダの眼鏡屋さんが凸レンズと凹レンズを組み合わせてみたところ、遠くのものが大きく見えることを発見しました。
(近視の目には凹レンズ、遠視の目には凸レンズのメガネを使用するので、眼鏡店ではどちらのレンズも扱っていた。)
その翌年1609年にその噂を聞きつけたイタリアのガリレオ・ガリレイがそれを改良して自分でも望遠鏡を作って、最初に星空を眺めたのが天体望遠鏡の始まりです。ガリレオが作った望遠鏡は凸レンズ(対物レンズ)と凹レンズ(接眼レンズ)を組み合わせた単純なモノでしたが、筒を長くすると焦点距離が長くなるので、倍率を上げれます。そこで鏡筒の長い望遠鏡もガリレオ自身で作りました(ガリレオは生涯で100本以上の望遠鏡を作ったと言われています)。それらの望遠鏡で土星の環を発見したり、木星の周りに4つの衛星(ガリレオ衛星)があることなどを発見しました。しかしガリレオ式望遠鏡は倍率を上げると視野が狭くなる欠点があったので、それほど高倍率にすることが出来なかったのです。但し、正立像で見られる利点があるので、現在では低倍率のオペラグラスや星座双眼鏡などに使われています。

2年後の1611年(日本では大阪冬の陣の3年前)にケプラーの法則で有名なドイツのヨハネス・ケプラーによって考案された対物、接眼とも凸レンズを組み合わせたものがケプラー式屈折望遠鏡です。これが現在使われている屈折望遠鏡の元になりました。
ガリレオ式屈折望遠鏡の正立像と異なりケプラー式屈折望遠鏡は倒立像になるが、倍率を上げても視野が狭くならない利点があったので高倍率にすることも可能でした。但し、ケプラー式屈折望遠鏡は大きなレンズを正確に磨かないといけないので技術的に大口径化は難しかった。また、当時のレンズは不純物も多く含まれていて透過度が低かった。

日本では4代将軍家綱の頃の1668年に万有引力の法則で有名なイギリスのアイザック・ニュートンが考案した筒の底に凹面型の球面鏡を置いて、反対側にもう1枚の斜め45°にした鏡を使って筒の横の穴から接眼レンズを通して覗く望遠鏡を作りました。これがニュートン式反射望遠鏡と言います。
最初にニュートンが作った反射望遠鏡は口径2インチ(50.8mm)、焦点距離6.25インチ(約159mm)という凄く小さなものでした。
反射望遠鏡は焦点距離に対して筒の長さを半分に出来き、さらに大口径にしやすかったり、色のにじみが無いという利点があります。

ニュートン式が考案された数年後(1672年頃)にフランスのローラン・カセグレンによって考案された凹面鏡(方物面鏡)と反対側に凸面鏡(双曲面鏡)を組み合わせて光を集め、凹面鏡の真ん中の穴を開けて筒の後ろから接眼レンズを通して見るカセグレン式望遠鏡が考案されました。この望遠鏡は口径を大きくしやすく、焦点距離を伸ばしやすい(倍率が上げやすい)点や収差が目立ちにくいという特徴があった。但し、F値が大きくなり暗くなるという構造上の特性もある。
現在では鏡筒先端にメニスカスレンズを使ったマクストフ式やシュミット補正板を装着したシュミット式という改良版のカセグレン望遠鏡が多く市販されています。  

◆望遠鏡の倍率

現在の天体望遠鏡は目で見る側に接眼レンズというものを通して対象に焦点を合わせてを見ますが、この接眼レンズは簡単に交換して倍率を変えられる仕組みになっています。
接眼レンズにも焦点距離があります。(通常は6mm~25mmぐらいが多い)
その接眼レンズの焦点距離によって望遠鏡の倍率が決まります。(接眼レンズの焦点距離が長いほど低倍率です。)
具体的には『鏡筒の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離』が倍率になります。例えば焦点距離600mmの鏡筒に焦点距離10mmの接眼レンズなら600÷10=60なので、60倍ということになります。
望遠鏡の最大倍率は『口径mm×2』になります。口径50mmの望遠鏡の場合は50×2=100なので100倍が最大倍率になります。その望遠鏡が焦点距離600mmだとすると600÷100=6なので6mmの接眼レンズまでは使えます。
最大倍率より高くしても望遠鏡の分解能が追い付かないので、ぼやけた像を拡大するようなものなので、かえって像が見にくくなります。
出来れば『口径mm=倍率』ぐらいで使うのが一番、その望遠鏡のポテンシャルを引き出せて、良像が得られる倍率だと思ってください。
ということで、口径が大きいほど倍率は高く出来ます。しかし実際は空気のゆらぎなどで限界はあります。口径の大きい望遠鏡でもまともに見ることができるのはおおよそ最大で250倍ぐらいだと思います。それ以上の倍率を謳った望遠鏡は決して買ってはいけません。土星の環も50倍もあれば見ることは出来ます。(詳細に環を何本か分離して見るには200倍以上は必要ですが・・・)
良心的な入門用望遠の場合、付属のアイピース(接眼レンズ)は10mmと20mm(もしくは25mm)の2本の場合が多いです。もう少し高価な望遠鏡だと20mm、10mm、6.3mmや25mm、15mm、9mmなどの3本セットの組み合わせの場合もあります。
もし望遠鏡の付属のアイピースが2本組で倍率が物足りないなら、6mmもしくは6.3mmのアイピースの追加購入をおすすめします。逆に焦点距離の長い望遠鏡なら32mmか40mmのアイピースを追加すると導入が楽になります。

◆望遠鏡の種類

望遠鏡には大きく分けて以下の3種類あります。

・屈折式望遠鏡

屈折式

・反射式望遠鏡

反射式

・反射屈折式(カセグレン式)望遠鏡

屈折反射式(カセグレン式)

屈折式望遠鏡はよく望遠鏡でイメージされる長い筒に入門用だと鏡筒の先端にレンズが2枚付いています。鏡筒の後端に接眼レンズを付けて覗きます。筒の長さがほぼ焦点距離になります。構造が単純なので、安価に鏡筒が作りやすい望遠鏡です。扱いが楽なので、小学生とかのお子さんや入門者にも向いています。真上の天体を見るときは天頂ミラー(もしくは天頂プリズム)が必要です。
口径を大きくすると大きいレンズが必要なので、あまり口径を大きくすると高価になってしまいます。入門用のアクロマートと呼ばれる2枚レンズ構成の望遠鏡は収差を補正しきれない場合があるので、あまり写真撮影には使われません。眼視用の望遠鏡として使われます。各収差を3枚以上のレンズや高価なガラス素材のレンズを使って補正したものをアポクロマートと言います。写真撮影にはこれらのアポクロマート鏡筒が使われることが多いです。
屈折望遠鏡はメンテナンスも容易で、光軸調整する必要はほぼないです。密閉されているので外気に慣らす必要もないので外に出してすぐに使えます。レンズがあるので、カビや曇りが発生することがあります。夜露で濡れたら、しっかり乾かしてから仕舞います。たまに出して、太陽の光を当ててあげるとカビ防止になります。また、湿度の高い場所での保管はカビの元になります。
大きな散光星雲・散開星団、大きな銀河などの天体に向いている鏡筒です。
市販品の口径は30~200mmのものがあります。(入門用では50mm~80mmが一般的です。)

反射式望遠鏡はレンズはなくて、鏡を2枚使って光を集める仕組みです。筒の後端内面に大きな凹面鏡があって、筒の先端付近に斜鏡と言って斜めの面の鏡でその筒横にある接眼部に接眼レンズを付けて覗きます。天頂ミラーは必要ないです。鏡筒内を1往復近くするので、焦点距離の半分ぐらいの筒の長さになります。口径を大きくしやすい特徴があるので、明るい鏡筒にしやすいです。低価格で大口径が得られる特徴があります。副鏡を支えているスパイダーが影になり、明るい星が十字に光が伸びる映像になります。
光軸が狂いやすく、自分でメンテナンスする必要があったり、外気順応に時間がかかるので、屋外に出してすぐ見られません。1時間ぐらい(200mm以上の大口径は2時間ぐらい)は外に出して外気温に慣らさないと筒内で気流が発生して精細な像で見られません。また光軸調整も必要で、コリメーションアイピースかレーザーコリメーターという道具で調整する必要もあります。鏡が曇ったら、分解して中性洗剤で洗うこともあります。最悪の場合、鏡を再蒸着する必要があります。
大口径にしやすいので、淡い散光星雲、散開星団、銀河などの淡い天体が得意です。
市販品の口径は100mm~350mmぐらいのものがあります。
(入門用では100mm~130mmが一般的です。)

反射屈折式(カセグレン式)望遠鏡は、多くは鏡筒先端に補正板やメニスカスレンズがあり、鏡筒後端部内面に凹面鏡で前方に光を反射させ鏡筒先端部内面に凸面鏡が付いていて、筒の中央に小さな筒があり、再びそこに光を通して、鏡筒後端から接眼レンズを付けて覗きます。つまり鏡筒の中を1往復半光が通ります。真上の天体は天頂ミラーが必要です。
こうすると鏡筒の長さの3倍の焦点距離が得られます。
焦点距離を長くしやすい構造です。その代わり暗くなる傾向があります。
シュミット式やマクストフ式は鏡筒内は密閉されているので筒内の気流はあまり発生しませんが、若干の外気順応が必要になります。反射式ほど光軸が狂わないので、メンテナンスはほぼ必要がないです。
写真用鏡筒では焦点距離を伸ばして、色のにじみを押さえた鏡筒が多いです。
反射式と屈折式のいい所取りの鏡筒で、焦点距離が長く、F値が暗めなものが多いのが特徴です。従って、惑星、惑星状星雲、球状星団など小さな天体が得意です。
市販品の口径は70mm~350mmぐらいのものがあります。
(入門用では70mm~100mmが一般的です。)

天体によって大きさがかなり違うので、ひとつの望遠鏡ではすべての天体に対応できません。また肉眼で見るか、写真を撮るかでも最適な鏡筒も違ってきます。従って用途別や天体別に望遠鏡をいくつも使い分ける必要があります。

◆架台の種類

望遠鏡を載せる台を架台と言いますがこれも大きく分けて以下の2種類あります。

・経緯台

経緯台

・赤道儀

赤道儀

経緯台は仕組みが単純で水平と垂直を軸に回転する部分がある台のことで、入門用望遠鏡の多くはこの経緯台が使われています。天体の動きを常に水平軸と垂直軸を動かして追尾します。写真撮影だと周りの星が回転(視野回転)して写ってしまいます。
主に眼視用によく使われています。またスマート望遠鏡にも多く採用されています。ドブソニアンという大口径反射式望遠鏡の台にも使われています。実は天文台の大きな望遠鏡も経緯台だったりします。(天文台のは視野回転しない装置が付いています。)

赤道儀は地球の自転軸を回転軸に合わせて使うので、設置が面倒ですが、1軸方向で星を追尾することができます。ポータブル赤道儀など自動で地球の自転と同じ速度で自動回転させて星を追尾させます。2軸の赤道儀はもう一方の直角方向に回転させる軸を持っていて自動導入機能で使われています。赤道儀は視野回転しないので写真撮影でよく使われます

架台(経緯台や赤道儀)と望遠鏡の接続は実質上の標準規格になっているビクセン規格のアリミゾ/アリガタが一般的です。アリミゾが付いた架台とアリガタレール(幅44mm±1mmの台形のレール)の付いた望遠鏡はメーカーが違ってもそのまま接続することができます。タカハシは伝統的にM8ネジ35mm間隔の独自規格を守っています。
尚、ファインダーと鏡筒のファインダー台座との接続でもビクセンのファインダー台座規格(台形の底部の幅31mm前後)を多くのメーカーが採用しています。

◆接眼レンズ(アイピース)の太さの種類

接眼レンズ(アイピース)にも差込口の太さ(直径)によって現在、以下の3種類の大きさのものが使われています。
他の会社のものでもサイズが同じなら自由に付け替えて使えます。

・24.5mm(ツァイスサイズ)
・31.7mm(アメリカンサイズ又は1.25インチサイズ)
・50.8mm(2インチサイズ)

24.5mmは昔の望遠鏡でよく使われていましたが、現在では入門用の安価な望遠鏡だけに使われいます。市販品の種類は少ないです。小さいので比較的安価です。

31.7mmは一番多くの望遠鏡で使われているサイズです。
市販品の種類もかなり豊富です。多く販売されているので、千円ぐらいの凄く安価なものから十万円を超える高級品まで様々です。

50.8mmは大口径の望遠鏡に使われています
市販品の種類は低倍率のものを中心に販売されていますが、種類はそこまで多くないです。使われているレンズも大きいので、やや高価です。

尚、接眼レンズの太い規格の望遠鏡なら細い規格の接眼レンズもアダプターを介して使用出来ますが、逆はケラレて使用することが出来ません。

接眼レンズにはアイレリーフという数値があって、これは瞳から何mm離して見られるかを表した数値でメガネをかけている人やまつ毛の長い人はアイレリーフ15mm~20mmぐらいのものを使ってください。
また視野角というものがあり広角ほど広い範囲の星が見えます。(星と星の間の長さは倍率と比例します。)(太いアイピース規格ほど視野角を広げやすい。)
従って天体を導入する低倍率レンズならより広視野角のものがおすすめです。
接眼レンズも低倍率側だと40mmぐらいまでのものが多い。50mmや100mmも一部でありますが視野角が狭い。
星を導入するときは20~30倍になる低倍率の接眼レンズをおすすめします。(32mmや40mmなら4千円台のものでもとりあえずあるといいです。視野角は50°以上が使いやすい。)
高倍率だと安価なものは6mmまでにした方がいいです。5mm以下のものは数万円以上の高価な接眼レンズでないと像がくっきりと見えません。安価な高倍率接眼レンズの中には実用にならないものもあります。(低品質なバローレンズがアイピースに組み込まれて倍率稼いでいる)
望遠鏡にバローレンズ(焦点距離を引き延ばす凹レンズ)が付属していることがありますが、これを使って倍率を大きくするのはおすすめしません。望遠鏡付属のバローレンズも使い物にならないものが多いです。その望遠鏡に合った適切な倍率の接眼レンズを買い足しましょう。

ということで入門者におすすめの天体望遠鏡を対象年齢・予算別に厳選20台をご紹介いたします。
一応予算はSeestarS30と同価格帯以下で選んでみました。

■お子さんにピッタリな2万円以下の安価な入門用望遠鏡

このクラスは主に小学生向けの入門用鏡筒で軽くて、操作が簡単なのが重要なポイントです。
この価格帯が一番多く望遠鏡が発売されていますが、買ってはいけない望遠鏡も一番多いです。

スコープテック ラプトル50 

屈折式 口径50mm焦点距離600mmF12
接眼レンズφ24.5mm 8mm(75倍),20mm(30倍)
重量1.5Kg 経緯台 ネジ止め 
13,900円

ラプトル50

日本製のかなりしっかり作ってある望遠鏡なので、お子さんにおすすめの入門鏡筒です。
軽いので子供でも持ち運びやセッティングが出来ます。
見え味はこのクラスではかなりいいです。
ファインダーは小さいお子さんには操作が難しので、付いていません。また微動装置もお子さんには難しいので、こちらも思い切って付いていません。だから操作はとっても簡単です。星を導入するには鏡筒の上部に先端と後端に丸穴ののぞき穴ファインダーが付いているので、そこの穴2つを見通して星を導入します。
φ31.7mmの接眼レンズを使うにはオプションの2,980円で販売されている部品で接眼部だけ交換する必要があります。

オプション品のラプトル50用31.7mm接眼部

サイトロンジャパン MAKSY GO 60 

マクストフカセグレン式 口径60mm焦点距離750mmF12.5
接眼レンズφ31.7mm 10mm(75倍),20mm(37.5倍)
重量1.3Kg 経緯台 アリミゾ/アリガタ 
19,800円

MAKSY GO 60

マクストフカセグレン鏡でプラスチックを多用した外観です。青バージョンもあります。鏡筒の横が蓋になっていて取ると中身のしくみが見える教育用鏡筒です。アイピースも横から内部が見られる構造になっています。
こんなおもちゃのような鏡筒でもかなりのこだわりを持って作られています。正立プリズムが使われていたり、ファインダーもこのクラスで正立ファインダーを使っていたりします。
それで実際に星見ると、これがよく見えるんです。
土星の環や木星の縞模様も見えます。
6.3mm接眼レンズ(119倍)を別途購入するといいかもしれません。
付属のスマホホルダーもとても使いやすいです。
テーブルとかに置いて使える回転式の台座は操作は簡単です。個人的にお子さんにおすすめの望遠鏡です。
鏡筒はアリガタになっているのでトラバースやポルタⅡ、AZ-EQ AVANT、AZ-GTiなどの他の架台でも接続出来ます。

サイトロンジャパン NEWTONY 

反射式 口径50mm焦点距離200mmF4
接眼レンズφ31.7mm 10mm(20倍),23mm(8.6倍)
重量0.25Kg 自由雲台 ネジ止め
8,692円

NEWTONY

プラスチック製で5cmの小さなニュートン反射望遠鏡です。鏡筒側面の蓋を開けると中の仕組みが見える教育用鏡筒です。アイピースも構造が見える仕組みになっています。接眼レンズは20倍が最大という凄く低い倍率です。23mmの接眼レンズだと双眼鏡並みの倍率しかありません。でもその分、星の導入が容易で子供でもできるようになっています。
対象天体として月や木星とガリレオ衛星、すばる(プレアデス星団)などがいいでしょう。土星の環は倍率が低くてよく見えません。
この望遠鏡にはとても使いやすいスマホホルダーも付属しているので、スマホで月などを撮影することもできます。出来れば別途お手持ちのカメラ三脚に付けて使用することをおすすします。
実は反射望遠鏡を発明したアイザック・ニュートンが最初に作った望遠鏡が口径2インチ(50.8mm)焦点距離159mmなのでこのNEWTONYとほぼ同じ大きさなんです。

コルキット スピカ 

屈折式 口径40mm焦点距離420mmF10.5
接眼レンズφ24.5mm 12mm(35倍)
重量0.15Kg 三脚別売 ネジ止め
3.890円(手作りキット)

コルキット スピカ

一番安価で買える望遠鏡です。
でも自分で作る必要があります。鏡筒は段ボールで出来ています。三脚はお手持ちのカメラ三脚を使います。
望遠鏡の仕組みを学べるキットです。
見え味はこんな4cmしかない筒ですが、月ぐらいなら充分楽しめます。6mm接眼レンズを買い足すと70倍で見られます。

■長く使える本格的入門用望遠鏡

このクラスの鏡筒は入門用としては高価ですが、眼視には標準クラスといったところで、将来ステップアップしても眼視観望に充分使えて無駄にならない鏡筒です。

タカハシ スターベース 80

屈折式 口径80mm焦点距離800mmF10
接眼レンズφ31.7mm  6mm(133倍), 14mm(57倍) 
重量6Kg強 微動付経緯台 ネジ止め
63,800円

スターベース 80

私の一番おすすめの望遠鏡セットです。
タカハシの血を受け継いだかなり頑丈な作りです。
もう一生使えそうな望遠鏡です。
架台もかなりしっかりしています。でもポルタⅡセットより総重量が2Kg近くも軽いです。
現在、天体望遠鏡や架台で標準規格のアリガタ/アリミゾではなくネジ止め(タカハシ規格のM8ネジ35mm幅)です。だからかなりしっかりしているのかも?
実は架台はスコープテックのアトラス80と同じです。
32mm接眼レンズ(25倍)を追加購入すると導入が楽になります。スコープテックの25mmアイピースでもいいでしょう。
ファインダーは標準で付いていませんが、のぞき穴ファインダーで合わせます。尚、8,700円のオプションで6×30ファインダーセットが後から付けられます。

ビクセン ポルタⅡA80Mf

屈折式 口径80mm焦点距離910mmF11.3
接眼レンズφ31.7mm 6.3mm(144倍),10mm(91倍),20mm(46倍) 
重量9Kg 微動付経緯台 アリミゾ/アリガタ
64,000円

ポルタⅡA80Mf

入門用天体望遠鏡のド定番です。おすすめのセットです。
これを買っておけば間違いないです。私も使ってます。
フリーストップ架台は向けたい方向に動かせば、そこで止まってくれるので、何と言っても操作しやすいです。
架台も後々ステップアップしても使えます。
焦点距離を長くして収差が目立たない眼視に特化した鏡筒です。星の導入に32mm接眼レンズ(28倍)を追加するといいでしょう。
私はポルタⅡ架台を3台持っていて、1台は標準のもの、もう1つは国際光器のNEWガイディングハンドルとフリマサイトで入手した微動調整クランプレバーを2つ付けて微改造したもの、3台目はポルタの微動体2つとアリミゾ台座を使用して1軸モーター赤道儀に改造したものを使っています。

ビクセン ポルタⅡR130Sf  

反射式 口径130mm焦点距離650mmF5
接眼レンズφ31.7mm 6.3mm(103倍),20mm(33倍) 
重量9.7Kg 微動付経緯台 アリミゾ/アリガタ
58,036円

ポルタⅡR130Sf

上のA80Mfの反射望遠鏡バージョンです。
口径130mmでF5と明るい鏡筒です。淡い天体の観望にも向いています。
反射鏡は色収差が原理的に出ないので星の見た目はスッキリしてます。しかし周辺で星が流れたりすることもあります。
明るい星では反射鏡独特のスパイダーによる十字線の光芒が出来ます。
接眼部はプラスティックなので、写真鏡筒として向きません。
中間の10mm接眼レンズ(65倍)を買い足すといいかもです。

■2~3万円台の入門用望遠鏡

小学校高学年~中学生向きの望遠鏡セットで、鏡筒は口径60mm以上でファインダー付き、架台は微動装置付きを選びました。将来ステップアップするにもよいセットだと思います。

SkyWatcher スタークエスト70SS 

屈折式 口径70mm焦点距離500mmF7.14
接眼レンズφ31.7mm 10mm(50倍),25mm(20倍)
重量5.2Kg 微動付赤道儀/経緯台 アリミゾ/アリガタ
27,818円 

スタークエスト70SS

スタークエストシリーズには、手動赤道儀が付いていて北極星に合わせて傾けれる必要があります。しかし、ウエイトとウエイトシャフトを外して、赤経軸の角度を90°の水平にすれば、経緯台としても使えます(メーカー非推奨)。
最初は経緯台として使って、後々ステップアップとして赤道儀モードを使うのがいいかもです。赤道儀の仕組みを勉強するにもいい架台だと思います。
鏡筒はF7と眼視用にはやや明るいので、色収差が若干目立ちます。口径は70mmなので、月や惑星、散開星団などが楽しめます。倍率の低い接眼レンズしか付属していないので、惑星見るには6mm接眼レンズ(83倍)を買い足したいですね。
このシリーズの屈折には3万円台後半の80mm屈折と4万円台の102mm屈折もラインナップされていますが。こちらはF値の数値が低いので、かなり色にじみが出ます。

AZ-EQ AVANT用 アップグレードキット

さらに9千円のオプションの専用モーターを取り付ければ、ポータブル赤道儀として、星を追尾してくれます。電源は単三電池2本です。オートガイド端子も付いています。ウォームギアは122枚です。
星は1分で1/4°動くので、アイピースの視野から数十秒で外れてしまうのですが、このモーターを付ければしばらくの時間(数分)、視野内に留まってくれます。またカメラやスマホを載せて星空撮影をすることも可能です。(耐荷重3kgまでなので、あまり重たいカメラやレンズはモーターに負荷がかかり過ぎるので載せられない。)
但し1軸モーターなので自動導入はできません。
(同様のAZ-EQ AVANT(単体で19,800円)という手動赤道儀がSkyWatcherから発売されていますが、相違点は台座の雲台がケンコーのスカイメモS用と同じもので、微動装置が付いています。三脚がAZ-GTiの三脚と同じようです。望遠鏡を接続する部分がアリミゾではなく3/8カメラネジになっています。)

AZ-EQ AVANT

ケンコー Sky Explorer SE-AZ5mini+SE70Aセット 

屈折式 口径70mm焦点距離900mmF12.8
接眼レンズφ31.7mm 10mm(90倍),25mm(36倍)
重量5.7Kg 微動付経緯台 アリミゾ/アリガタ
32,400円

Sky Explorer SE-AZ5mini+SE70A

70mm屈折鏡筒とフリーストップ経緯台の組み合わせです。
モバイルポルタより安価です。架台はかなりしっかりしています。鏡筒はF12.8と暗めなので、眼視では色収差が目立ちにくいです。焦点距離が長いので、6.3mm接眼レンズを買い足せば、約143倍になるので惑星の観察にも向いています。
あと1万円足すと90mm屈折鏡筒のセットが買えます。

SkyWatcher スタークエストMC90

マクストフカセグレン式 口径90mm焦点距離1250mmF13.9
接眼レンズφ31.7mm 10mm(125倍),25mm(50倍)
重量5.4Kg 微動付赤道儀/経緯台 アリミゾ/アリガタ
33,009円

スタークエストMC90

スタークエストシリーズのマクストフカセグレン鏡筒との組み合わせです。オプション品で自動追尾可能です。
焦点距離が長いので、月や惑星の観察にピッタリです。但し、天体を導入するのが少し難易度が高いので小学生にはあまり向きません。40mm接眼レンズなら31倍になるので星を導入しやすくなります。
高倍率にするには7mm接眼レンズ(179倍)までなら使えます。

ACUTER OPTICS VOYGER MAK70 FAST

マクストフカセグレン式 口径D70mm焦点距離1080mmF15.4
接眼レンズφ31.7mm 10mm(108倍),20mm(54倍)
重量3.2Kg 微動付経緯台 アリミゾ/アリガタ
35,640円

VOYGER MAK70 FAST

カセグレン鏡なので、焦点距離が長いので、月や惑星を見るにはいいです。こちらも焦点距離がやや長いので中学生以上向きです。
スマホアダプタも付属しているのでスマホで写真撮影も出来ます。
星の導入に32mm接眼レンズ(34倍)を追加するといいでしょう。また、8mm接眼レンズで鏡筒の性能ギリギリの135倍に出来ます。

ビクセン モバイルポルタ -A70Lf

屈折式 口径70mm焦点距離860mmF12.2
接眼レンズφ31.7mm 20mm(45倍)、6.3mm(143倍)
重量4.9Kg 微動付経緯台 アリミゾ/アリガタ
38,500円

スタークエスト80SS

ポルタⅡの小型版です。ポルタⅡより安定性には劣りますが、フリーストップ経緯台なので、操作は直感的に出来て簡単です。
鏡筒は口径70mmで月や惑星を見るのにいいです。
ポルタⅡより軽いのが最大の利点です。
星の導入に32mm接眼レンズ(26倍)を追加するといいでしょう。

スコープテック アトラス60

屈折式 口径60mm焦点距離800mmF13.3
接眼レンズφ24.5mm 6mm(133倍),12.5mm(64倍),20mm(30倍) 重量2.5Kg 微動付経緯台 ネジ止め
38,900円

アトラス60

60mm口径だが軽くて使いやすい。見え味は最高です。
アイピースも3種類付属しています。
アトラス60は鏡筒後端のリングを外せばφ31.7mm接眼レンズを使用することが可能です。(但し、付属の天頂ミラーは使えない。別途φ31.7mm用天頂ミラーを購入する必要がある。)ファインダーはラプトル50と同じのぞき穴ファインダーです。スコープテックで販売されているアトラス用光学ファインダーとファインダー脚のセットも5,900円で販売されています。しかしアトラス60にこのオプション品を買い足すなら、最初から4万円台の望遠鏡を買った方がいいかもしれません。

アトラス60専用ファインダー
アトラス60用一眼カメラアダプター

■大人も楽しめる4万円台の入門用望遠鏡

高校生~大人が初めて望遠鏡を買うにはいいクラスの鏡筒です。

CELESTRON StarSense Explorer LT80AZ

屈折式 口径80mm焦点距離900mmF11.25
接眼レンズφ31.7mm 10mm(90倍),25mm(36倍)
重量4.17Kg 微動付経緯台 ネジ止め
40,000円

StarSense Explorer LT80AZ

スマホを望遠鏡に取り付け、スマホで星空を写しながらファインダー代わりに使う望遠鏡で、天体の向きをスマホのアプリが教えてくれて、導入が楽にできます。
鏡筒は口径80mmあるので、眼視で星空を楽しめます。
倍率を上げるには6mm接眼レンズ(150倍)を追加するといいでしょう。

SkyWatcher スタークエストP130N

反射式 口径130mm焦点距離650mmF5
接眼レンズφ31.7mm 10mm(65倍),25mm(25倍)
重量8.4Kg 微動付赤道儀/経緯台 アリミゾ/アリガタ
43,560円

スタークエストP130N

スタークエストシリーズでは一番大きな鏡筒です。
反射式130mmは大きいので、淡い天体も見られますが、大きいので、架台が少し荷重オーバー気味です。
オプションで自動追尾も出来ます。
倍率を上げるには6mmの接眼レンズ(108倍)を追加するといいでしょう。
このシリーズの反射鏡筒には1万円安い114mmのものがラインナップされていてそちらの鏡筒も小型で優秀です。

SkyWatcher スタークエストMC102

マクストフカセグレン式 口径102mm焦点距離1300mmF12.7
接眼レンズφ31.7mm 10mm(130倍),25mm(52倍)
重量5.6Kg 微動付赤道儀/経緯台 アリミゾ/アリガタ
47,040円

スタークエストMC102

スタークエストシリーズで口径102mmのカセグレン鏡筒です。この記事でご紹介した望遠鏡の中でも一番、焦点距離が長いので、惑星観察に向いています。
天体の導入はかなり高難易度です。
オプションで自動追尾も出来ます。
星の導入に40mm接眼レンズ(32倍)を追加するといいでしょう。

■楽するなら自動導入装置付き天体望遠鏡

最初から自動導入が出来る鏡筒は後々も使えるので、最初からこれらを購入すれば天体を導入する苦労も少なくなるので、天体望遠鏡を使わなくなるケースが減るかもです。

ACUTER VOYAGER MAK80 鏡筒+トラバース 自動導入セット

マクストフカセグレン式 口径80mm焦点距離800mmF10
接眼レンズφ31.7mm 10mm(80倍),20mm(40倍)
重量3.3Kg 電動経緯台 アリミゾ/アリガタ
44,800円

VOYAGER MAK80 鏡筒+トラバース

トラバースはスマホのアプリで簡単に天体を導入できます。私のおすすめの経緯台です。トラバースについては次項で詳しく記述しています。鏡筒は口径80mmのカセグレン鏡です。セットのアイピースではやや倍率不足なので、6mm接眼レンズ(133倍)を購入するといいかも知れません。また天体の導入に32mm接眼レンズがあると楽です。

ケンコー Sky Explore SE-AT100N

反射式 口径100mm焦点距離450mmF4.5
接眼レンズφ31.7mm 6.3mm(71倍)、10mm(45倍)、20mm(22倍)
重量5.6Kg 電動経緯台 アリミゾ/アリガタ
36,108円

SkyExplorer SE-AT100N

標準セットだけでは自動導入はできませんが、SkyWatcherのWiFiアダプタ(9,581円)を付ければ、スマホからSynScanアプリが使えて自動導入できるようになります。
鏡筒は焦点距離450mmと短めなので、電視観望機材としても使えます。但し球面鏡なので、球面収差が出ます。
眼視にはWiFiアダプタを加えるなら、下のP130VIRTUOSO GTiの方がいいかも知れません。

SkyWatcher P130 VIRTUOSO GTi

反射式 口径130mm焦点距離650mmF5
接眼レンズφ31.7mm 10mm(65倍),25mm(25倍)
重量7.3Kg 電動経緯台 アリミゾ/アリガタ
46,200円

P130 VIRTUOSO GTi

スマホやパソコンでSynScanアプリを使って自動導入が出来ます。鏡筒は130mm反射鏡なので、充分星空の天体を眼視できます。この鏡筒は接眼部がやや弱い感じなので、カメラの直焦点撮影とかは不安定になりそうです。倍率を上げるには6mm接眼レンズ(108倍)を追加するといいでしょう。

SkyWatcher New BKP130 AZ-Go2

反射式 口径130mm焦点距離650mmF5
接眼レンズφ31.7mm 10mm(65倍),20mm(32.5倍)
重量7.6Kg 電動経緯台 アリミゾ/アリガタ
58,410円

New BKP130 AZ-Go2

こちらはリモコンを使って自動導入が出来る機種です。
勿論、SynScanでもコントロールできます。
鏡筒は上のセットと同じものです。

■トラバースについて

ACUTER OPTICS 自動導入式経緯台「トラバース」

24,800円(三脚、ケース付き)(アストロ&バードウォッチング機材専門店シュミットの通販で買えます。)

トラバース

ACUTER VOYAGER MAK80 鏡筒とセット販売されているトラバースですが、単独でも24,800円ほどで買えるので、他の望遠鏡と組み合わせて買っても自動導入付き望遠鏡に早変わりします。

MAKSY GO 60とトラバース

トラバースはスマホで操作して、星を自動導入、自動追尾してくれる電動経緯台です。単三乾電池4本またはモバイルバッテリーで動作します。スマホとBluetoothかWiFiで接続して、専用無料アプリACUTER SKY(iPhone/Andorid)をダウンロードして使います。望遠鏡の向きにスマホ自体を合わせて初期設定すれば簡単に使えます。

但し、導入精度はそれほど高くないので、ファインダーと20~30倍程度になる低倍率(4千円ぐらいの32mmか40mm)のアイピースが必要です(31.7mm(1.25インチ)径のアイピースが使える望遠鏡の場合)。

安価な低倍率アイピース

トラバースと望遠鏡の接続は一般的な望遠鏡の標準規格になっているビクセン規格のアリミゾ/アリガタになっています。アリガタレール(幅43〜44mmの台形のレール)の付いた望遠鏡はそのまま接続できます。アリガタレールが付いていない望遠鏡は別途アリガタレールを取り付ける必要があります。アマゾンでNEEWERのアリガタレール(ダブテールプレート)QR005が今なら2200円ぐらいで買えます。SVBONY SV219 ダブテールプレート(3,400円ぐらい)は30cmあるので、鏡筒のバランスが取りやすいです。

ダブテールプレート

また、トラバースは耐荷重2.5Kgなので、大きい望遠鏡には使えません。口径50~70mm屈折望遠鏡やSkyWatcher STARQUEST 80のような軽い80mm屈折望遠鏡か口径100mm以下のマクストフカセグレン鏡ぐらいまでだと思います。
メーカー非推奨なので、あくまでも自己責任ですが、試しにビクセンのA80mf(鏡筒バンド、ファインダー込みで重量3.3Kg)をトラバースに載せて、実際使ってみましたが、大丈夫なようです。私はいつもそれより重いタカハシFC-76(ファインダー、鏡筒バンド込みで3.5Kg)をトラ―バースで使っています。(付属の三脚は3段以上伸ばして使わないと倒れることがあるので、注意!!)(耐荷重を上回る運用でトラバースが故障しても責任は持てません。)
それから、実は専用アプリではなくSkyWatcherのSynScanProというソフトを使えば、Windowsノートパソコンと天体カメラがあれば電視観望機材としても使えます。(ZWOのASIAIRからは天体を追尾しないのでコントロールできません。)

タカハシFC-76とトラバース
トラバースに15×70の双眼鏡を載せて見ました。
やや積載オーバーです。

■買ってはいけない最悪な望遠鏡

昔は新聞紙面の通販で売られていたような望遠鏡に多かったのですが、最近はネット通販でもまだそのような望遠鏡が売られていたりします。
最悪な望遠鏡はまともに星を見ることのできないような望遠鏡です。
大抵は宣伝文句に倍率300倍とか500倍、700倍などと倍率をアピールして大きく書かれているような望遠鏡なのですぐに見分けがつきます。
前記の通り望遠鏡の最大倍率は「口径mm×2」倍までと言われていて、それ以上はレンズの分解能が足りなくて倍率を大きくしたところでぼやけたものが大きくなるだけです。それ以上の倍率を大きく謳った望遠鏡は決して買ってはいけません。
それらの最悪な望遠鏡は概してバローレンズ(焦点距離を引き延ばす凹レンズ)で無理やり倍率を大きくしているだけです。入門用望遠鏡に付属しているバローレンズは使い物にならないことがほとんどです。バローレンズで倍率稼ぐような望遠鏡はやめた方がいいです。
安価な屈折望遠鏡(アクロマート)で鏡筒の短いものは焦点距離も短いのではより収差が激しく星がまともに点像になりません。青や紫、赤の輪郭が出来たり、星が点に映らなかったりします。アクロマート屈折は鏡筒の見た目が長いものがよりいいです。
また、鏡筒内がしっかり黒塗りされていないと、鏡筒内で光が反射して迷光が発生したりする粗悪な鏡筒もあります。
脚の部分が凄く細かったり、プラスチックを多用した架台のやわな作りなものは、すぐに揺れるし、揺れ出すとそれがなかなか収まらないような作りです。まともに点像で星が見られません。もっと酷いのは止めたいところでネジが締まらなかったりするものもあるようです。

■2台目以降の天体望遠鏡は対象天体や用途によって使い分ける。

入門用天体望遠鏡を使い慣れて来ると、次のステップアップとして他の望遠鏡も気になり出したりします。そんな時は以下の文を読んで下さい。

そもそも1本の望遠鏡ではすべての天体や用途で使えるものはありません。

◆眼視鏡筒

鏡筒の明るさを表すF値は「鏡筒の焦点距離mm÷口径mm」です。F値が大きいほど一度に光を集められます。焦点距離600mmの50mm口径鏡筒ならF12になります。一般的に眼視での明るい天体は屈折望遠鏡やカセグレン鏡だとF9~14ぐらいの暗めの鏡筒が見やすいです。(反射望遠鏡の場合はF5~9ぐらいです。)
焦点距離も600~1200mmぐらいが丁度いいです。
高倍率を必要とする惑星や惑星状星雲、小さい見た目の銀河などは焦点距離の長く口径の大きいカセグレン鏡を使いますし、惑星は大気の揺れの対策も必要です。淡い星雲や銀河、球状星団は口径の大きなドブソニアンとか反射望遠鏡でないと満足するような眼視観望はできないように思います。
眼視観望では接眼レンズも鏡筒に付属していたものではなく、より高品質のものを使いましょう。それから眼視用のOⅢやUHC、CLSなどのフィルターも色々と試して見て下さい。

◆写真鏡筒

写真鏡筒はまた別で、屈折鏡筒の場合は、高級レンズ素材(フローライトレンズ、EDレンズ、SDレンズなどの異常分散レンズ)を使った3枚玉以上のレンズ構成で、専用の補正レンズ(フラットナー、レデューサーなど)を使って各種の収差が補正された鏡筒(アポクロマート屈折など)が望ましいです。全般的に淡い星雲や銀河などはF6以下の明るい鏡筒が撮りやすいです。特に広い範囲を撮影出来る短焦点屈折鏡筒が人気です。
淡い星雲や銀河などが得意な反射望遠鏡では、なるべくコマコレクターなどを使用し、コリメーションアイピースやレーザーコリメーター等でしっかり光軸を合わせて、鏡筒内の気流が落ち着いてから撮るのが肝要です。
逆に惑星を撮影する場合は焦点距離の長い大口径のカセグレン鏡筒に高品質なバローレンズ(テレビューのパワーメイトなど)を使って合成F値をF20以上に暗くします。さらにADC(大気分散補正プリズム)を使うといいでしょう。(センサーサイズ2.9μmの天体カメラを使用するのがいいようです。)
このように対象となる天体の明るさや大きさによって鏡筒を使い分ける必要があります。もちろん赤道儀を使うのが大前提です。空の暗さも重要な条件です。
電視観望・天体写真撮影機材については下記のリンクの記事をどうぞ。

最後に、星空の天体にハマるとあっという間に望遠鏡が10台ぐらいになりますので、お気をつけて下さい。(笑)


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