Studio C

熊本県をフィールドに子どもの学び場づくりを行っています。

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最近の記事

叱らないのは残酷?厳しい教育を実践する3つの条件

X(旧Twitter)で少し前に話題になっていたこの記事。思うところがあったのでnoteに書いてみます。 一言で言うとイチロー氏のコメントを引用する形で、大人世代が若い世代への教育について物申すという記事になっています。学校や会社で「叱る大人」がいなくなっている現代、厳しさに耐えられるタフな人とそうでない人では格差が生まれてしまう。本当にそれでいいの?と警鐘を鳴らすような内容でした。 以下引用をいくつか。 「厳しさ」あるいは「厳しい」教育ということは一体どういうものでし

    • 全ては通過点である〜同窓会の夜に思うこと〜

      2024年がはじまりました。始まりから日本国内で大きな災害や事故が起こり不安な日々を過ごされている方も多いと思います。熊本からお見舞いを申し上げますとともに、遠い土地にいるわたしたちにできる募金やふるさと納税などで心を寄せていきます。 熊本地震に遭ったとき、県外に住む友人から多くの励ましや心配の声をもらいましたが、その際思ったのは日常を過ごせる人はどうぞ普段通りに暮らしてほしいということです。水が出て、家があって、普段通りのテレビが流れていることのありがたさ。明日どうなるかわ

      • 誰かと一緒に学ぶということ

        はらっぱ探究室ではグループクラスと個別指導クラスの2形態で授業を行っています。開業を計画している当初は個別指導のみを準備していたのですが、やりたいこと好きなことがたくさんある子に向けた探究学習へ導入のためのクラスが必要だなと感じてグループクラスを設けました。とはいえ、学習の基本は個人で思考を深めていくことだと感じていましたので、低学年はグループクラスにして、学年が上がるにつれて個別学習にシフトさせていくつもりでした。 ところがグループクラスの授業が始まってみると、想像をして

        • 受験科目以外の教科の可能性

          受験科目として学生に課されるのは国数社理英の5教科のため、どうしても5教科の学習に重きが置かれがちです。しかしいわゆる「副教科」と言われる家庭科・技術・美術・音楽の科目にこそ探究の種があるのではないかとヒントになった記事があるのでシェア。 記事の趣旨は、家庭科は様々なテーマを内包した時代の価値観を映す有用な教科だが、受験科目ではないため授業時間が少ない。また家庭科は女性のものというジェンダーバイアスをぬぐう必要がある。といったものです。 記事の中からいくつか気になる言葉を

          何を学べばいいか迷ったら使いたい診断ツール

          ラーニングマップ作りのため学問領域のマッピングを調べていたところ面白いものを見つけたので今日はその記事を。 高校生向け、そして研究内容を選択する学生向けにどの学問に興味が向いているかを診断してくれるツールです。学生の進路選択に使うために作られていますが、大人の学び直しにも使えそうです。活用法は最後にまとめています。 ①京都大学 ナビスコラ 20の質問に答えると、自分にぴったりの学問を診断してくれるものです。京都大学 学際融合教育研究推進センターが研究者から収集したデータ

          何を学べばいいか迷ったら使いたい診断ツール

          【大人の学び】子どもに学べという前に

          さて、今までの記事でははらっぱ探究室での学びや子どもたちの学びについて色々と書いてきました。が、読者の皆さんの多くは大人と呼ばれる年齢の方々だと思います。書き手であるわたしももちろんいい年齢の大人です。 大人の皆さん、日々学んでますか?なにか新しいスキルを身につけることや、知識を入れることやってますか??子どもには「宿題しなさい!」「勉強しなさい!」と言っている大人たち、一体どれくらい日々学んでいるのでしょう。 総務省統計局の調査によるとなんと日本の社会人の平均勉強時間は

          【大人の学び】子どもに学べという前に

          【教室の一コマ】気づきをくれた一言

          昨日のクラスでひしひしと感じたこと、そして私が深く反省したことがあるのでシェアします。 ぼうけんクラスでのあるシーン。子どもたちが前々からやってみたい!!と言っていたブロックと歯車を用いた学習をやっていました。私はいつものように子どもたちへ「なんでだと思う?」「こうしたらどうなる?」と問いかけていると、とある子から一言。 「先生、うるさいよ!」 その子は黙々とブロックを組み立て、歯車をぐるぐる回しては、違う形に組み換え、また歯車を回すを繰り返していました。そこへ私が話し

          【教室の一コマ】気づきをくれた一言

          偏差値ではない学びの記録を

          はらっぱ探究室は学習塾と名乗ってはおりますが、机に座って授業を聞いたり、問題集を解いたり、はたまたテストがあるようなところではありません。ですので、はらっぱ探究室での学びの成果や子どもたちがどのように学び成長しているのか、テストの成績や偏差値では図ることはできません。 しかし、毎週子どもたちと触れ合って、観察を続けていると確実に成長していってくれています。一番長い子で9か月ほど通ってくれていますが、ものづくりへの嗅覚が研ぎ澄まされてきていて、通い始めの頃よりグンと成長してい

          偏差値ではない学びの記録を

          憧れのメントスコーラ

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。 はらっぱ探究室ではさまざまな実験、工作のレッスンを行っています。中でも子どもたちが大喜びなのは「爆発」が起こる実験です。爆発といっても危ないものではなく、液体が噴き出す程度のものですが、子どもたちには毎回大ウケ。教室中大騒ぎでもう一回やりたい!もっと激しく爆発させて!!とさらなる刺激を求めてきます(笑)

          憧れのメントスコーラ

          学びのセレンディピティ

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、教室の様子や「学び」について考えていることやついて書いていきます。 今まで結構まじめな話を書いてきたので、たまにはゆるい話もいいかな~ 最近いろいろな偶然が重なり、個人的にめちゃくちゃ感動した話。 実は5月ごろから英語学習のために英語のポッドキャストを聞いているんですが、その中にお気に入りのBBCの番組があります。 クラシック音楽の演奏家たちが自分の好きな音楽をジャンル問わず紹介し

          学びのセレンディピティ

          【おススメ本】りんごかもしれない

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、私が日々「学び」について考えていることや、私の身の回りの「学び」について書いていきます。 今日は学びが楽しくなる本をご紹介いたします。 かなり有名で子どもたちにも大人気な本なのでご存じの方も多いかもしれません。ヨシタケシンスケさんの「りんごかもしれない」。 おすすめポイント 1.とにかく楽しめる 素朴でかわいいイラストで主人公の突拍子もない妄想が繰り広げられ、「りんごの表面に!?

          【おススメ本】りんごかもしれない

          【おうち探究室】糸電話であそぼう

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。 はらっぱ探究室のぼうけんクラスでは毎回工作やお絵かきなど手や体を動かした体験を行なっています。 その中からおうちでもできる簡単な工作をご紹介します!題しておうち探究室です。 今回ご紹介するのは糸電話です。糸電話といっても糸では繋ぎません。金属の線で繋ぎます。するととても不思議な聞こえ方をするのです。 材

          【おうち探究室】糸電話であそぼう

          実生活と結びつきのある学びとは

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。 先日から書いているPISA2022調査の結果を見て、日本の数学的リテラシーに関する課題の一つに数学と実生活の結びつきが薄いことがあると書きました。 幼少期から小学校の中学年くらいにかけては、具体的なものを用いた数・量の計算・計測などが取り扱われていて実生活の中の数学(算数)を学べるのですが、学年が上がるにつ

          実生活と結びつきのある学びとは

          優秀で自信のない子どもたち【後編】

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。 前回の記事ではPISA2022調査を受けて私の着目ポイントと所感について書きました。その中で、日本の子どもたちは「自信がない」ことに課題がある。と記事の最後で述べています。今日はその続きを。 この自信のなさはいったいどこから来るのでしょうか。 私はある2つの調査を思い出しました。 1つ目は2019年の内

          優秀で自信のない子どもたち【後編】

          優秀で自信のない子どもたち【前編】

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の様子や私が日々「学び」について考えていることを書いていきます。 PISA2022ランキングが発表され大々的に報じられていますね。日本は3分野とも全て世界トップレベルに位置していて、日本の子どもたちは素晴らしく優秀なのだと感じ入っていたところです。 国立教育政策研究所が出しているレポートをもとに、私なりに読み解き、いくつかの私見とともにこれからどのような学びが必要なのか

          優秀で自信のない子どもたち【前編】

          やらされる勉強はもうやめよう

          熊本で勉強を教えない学習塾「はらっぱ探究室」を運営するトミマツシホです。このnoteでは、はらっぱ探究室の日々の様子や、「学び」について考えていること、私自身の「学び」について書いていきます 主体的な学びを実践する上で、子どもの「知りたい!」「やりたい!」を尊重し、どう取り組むかを「子ども自身が決める」ことが重要だと昨日までの記事で書きました。 実はこのことは子どもだけでなく、人間誰しにも当てはまることで、アメリカの心理学者が提唱したモチベーション理論の内発的動機づけと呼ば

          やらされる勉強はもうやめよう