見出し画像

偏差値ではない学びの記録を


はらっぱ探究室は学習塾と名乗ってはおりますが、机に座って授業を聞いたり、問題集を解いたり、はたまたテストがあるようなところではありません。ですので、はらっぱ探究室での学びの成果や子どもたちがどのように学び成長しているのか、テストの成績や偏差値では図ることはできません。

しかし、毎週子どもたちと触れ合って、観察を続けていると確実に成長していってくれています。一番長い子で9か月ほど通ってくれていますが、ものづくりへの嗅覚が研ぎ澄まされてきていて、通い始めの頃よりグンと成長しているなと感じています。

このような子どもたちの成長をどのように記録してあげるかが私にとっての今の課題です。誰かと比べるための成績表や偏差値ではなく、その子自身の学びをどのように測って記録していくか、私や保護者の方が「よく成長しているね」と感じたことをどう書き記すかを模索しています。
様々な記述法を調べる中で、はらっぱ探究室で取り入れてみようと思うものを2つ絞り込みました。


①ラーニングストーリー


ニュージーランドの幼児教育現場で取り入れられている手法で、保育者が子どもたちの日々の育ちや経験を5つの視点から記録し、写真と文章でまとめたものです。ラーニングストーリーを保育者と保護者、子どもたちとで共有することで、大人が子どもを理解する手立てとなり、子どもの自己肯定感を深めることができるそうです。
確かに、わが子の保育園からの連絡帳を読み返すと日々の様子やできるようになったこと、そのときの気持ちなどが細かく書き連ねられていて「この子はこんなに成長したのか」とジーンとなるときがあります。歩けるようになったこと、話せる言葉が増えたこと、電車が好きだったこと、お友達との関わり、など本人に焦点を当てて成長の履歴を知ることができます。
はらっぱ探究室では現在、毎回の授業後に保護者の方へLINEでその日の様子を連絡しています。この報告をラーニングストーリーに変えて、5つの視点から子どもの毎回の様子を記録していきます。

②ラーニングマップ


もう一つは勝手に名付けました。はらっぱ探究室の学びはカリキュラムが一切ありません。そこで、どのようなことを学んできて、いまどの学問領域を学んでいるかを分かるための地図のようなものがあったらいいなと考えています。これは、私自身の授業づくりの手助けになるとともに、子どもの興味関心が学問領域でいうとどこに向いているのかを視覚的に理解できるものになるでしょう。自分の興味や得意を俯瞰的に理解し、将来の進路選択に役立てるようなものを作りたいと思っています。現在、大学入試に向けて高校生用に学問領域をマッピングした図はあるようです。これらを参考にして、小学生向けのラーニングマップを作ります。

大学受験用の学問領域図 東進ドットコム

ラーニングストーリーとラーニングマップの関わり

はらっぱ探究室には「ぼうけんクラス」というグループクラスがありますが、これはまさに世界を冒険するように学びを楽しんでほしいという願いから名付けたものです。
学びを冒険に例えるならば、ラーニングマップは冒険の地図ラーニングストーリーは冒険の物語のようなものでしょう。子ども自身が冒険の主人公となって地図の道筋を作りながら、出会うイベントを記録し、物語を紡いでいく。こう考えると益々学ぶことが楽しくなってきそうです。

ラーニングストーリーとラーニングマップを作る意味


(決してそこを目指しているわけではないのですが、)大学入試は現在総合型選抜の割合がどんどん大きくなっています。いわゆる一発勝負のテストで入学するよりも、これまで何を主体的に学んできたのかの履歴が問われていると感じています。また、人生100年時代、大人になっても学びはまだまだ続いていきます。自分が何を考え、何を学んできたのか、これからどのように学んで変わっていくのかを知ることがますます重要な時代に差し掛かってきています。子どもたちにはかなり限定された能力を図る)偏差値を知っていることよりも、自分だけのラーニングストーリーとラーニングマップを持つことを大切に学びを広げ深めていってほしいと思っています。


この2つを作りながらブラッシュアップしていく予定です。ブラッシュアップの経過をnoteでシェアしていきます!


いいなと思ったら応援しよう!