【NY発のコスメブランドGlossierのグロース戦略】
お疲れ様です!! 石原里奈です。
前までは、大好きな会社であるメルカリやゾゾタウン、Awayのグロース戦略について書いてましたが、最近は日記や感じたことを投稿してます。
どっちも書いてて楽しいのでゆるく続けていこうと思います〜!
今回はゴールデンウィークの自分の自由研究の一貫として、気になっていたNY発のコスメブランドGlossierについて調べました。
店舗も一等地にはないのにこのお客さんの熱量が凄すぎる!!!
Glossierとは?
ニューヨークを本拠とするコスメブランド。グロッシアーは2010年に設立。クレンザーやセラム、保湿美容液といったスキンケアシリーズと、ハイライターやリップ、アイブロウなどのコスメアイテムをラインナップしており、自社ECを中心にニューヨークやロサンゼルスの店舗で販売。
今年3月に、ユニコーン企業(評価額が10億ドル以上となったスタートアップ) の仲間入り。
2018年の年間売上は1億ドル(約111億円)で、前年の2倍。
ニューヨークに本社を構えるGlossierの従業員数は約200人。
インスタグラムのフォロワー:203万人
創業者
創業者兼CEOはエミリー・ウェスは、ニューヨーク大学でスタジオアートを学び、ティーン・ヴォーグでインターンを、Wとヴォーグではアシスタントとして働く。31歳の「VOGUE」誌のアシスタントだった2010年に、朝4-8時に副業でブログ「Into The Gloss」を立ち上げる。
ブログは1000万PVの大ヒット。
2014年10月、ブラッシュピンクのパーケージに入った4つのスキンケア商品からなる基礎化粧ラインとともに、Glossierは立ち上げられる。
エミリー・ウェイス氏は1日のほとんどを「Instagram」をはじめとするあらゆるSNS上で過ごすという。
商品の特徴
商品をオーダーすると届く箱に書かれている、"SKIN FIRST. MAKEUP SECOND."のメッセージからもわかるように、肌本来の美しさを引き出し、メイクアップは最低限に、というのがブランドのコンセプト。
全てパラベンとアルコールが不使用で肌に優しく、動物実験を一切していないのも特徴。
D2Cのメリットである「顧客接点を直接持ちフィードバックデータから商品開発を行う」ことを徹底している。
初期のプロダクト ラインナップ(2014/10)
リリース当初は、フェイシャル・ミスト、保湿液、ファンデーション、クリームの4商品のみを販売。
「メイクしていない」かのような仕上がりを目指す。
またプロダクトは、ひと目でユーザーの心をとらえ、美味しいレストランの食事のようにすぐにインスタグラムに投稿したくなる製品を意識している。
(上記左から内容説明)
→値段はBUYMA参照
【Priming Moisturizer】クリーム 約:6,040円
「プライミング」=素早く最高の肌をもたらすことを意味し、メイクをより引き立たせるためにフレッシュで輝く肌に導くクリーム。
ヒアルロン酸、マッシュルームスーパーハイドレーター配合で肌にたっぷりと水分を補給し、毛穴の目立たない弾力のあるふっくらとした肌に。また、アンチレッドネスコンプレックスが肌の赤みを和らげながら肌のバランスを整えます。
【ファンデーション】
肌の色を整え、なめらかでツヤのある肌へと仕上げます。また毛穴やそばかすなどをカバー。通気性に優れており、モイスチャライザーを使用したときのように肌にぴったりとフィット。超薄づきでまるで素肌のような仕上がりに。ダイヤモンドパウダー配合で毛穴を明るくぼかします。また、グリセリン、ポリマーX配合で肌の水分を保持。
【Balm dotcom】リップバーム 約:3,950円
乾燥や炎症を起こした唇に水分と栄養をプラスし、柔らかく修復するリップバーム。 高密度でワックスのようなテクスチャーで、どこでも水分を補って閉じ込めます。ヒマシ油、ビーズワックス、ラノリン、キュプアクフルーツエキス、コメヌカ抽出物、ローズマリー抽出物配合。
皮膚科医テスト済み、パラベンフリー、無香料。
【Soothing Face Mist 】化粧水 約:5,180円
薔薇やアロエエキスなど美肌成分をたっぷり含んだ化粧水。
外出中のお肌の乾燥をひと吹きで解消。メイクの上からでもご使用可能。
スキンケアなどの基礎化粧品からはじまっているのがわかる。
スキンケアによって肌本来の美しさを引き出しつつ、そこからメイク用品への展開。
プロダクトカスタマイズ
Glossierは、にプロダクトを配送する際に一緒にステッカーを同梱。
ユーザーはそのステッカーを使ってGlossierのバッグをカスタマイズできる。すべてのGlossierプロダクトはステッカーとステッカーを貼れるホワイトスペースがあるので、ユーザーがカスタマイズできるようにしている。
→きっとこれも、シェアもしくはユーザー自身がカスタマイズしたくなるようなプロダクトを渡し、SNSへの投稿を促す施策の1つ。
パッケージ
以前であれば、商品棚の上でインパクトを持つようなデザインは何かを突き詰めていたが、現在では、サムネイル画像でインパクトを持つようにデザインされている。
→繊細なフォントを使わずに強いはっきりパキッととした可愛いフォントを使っているのはそのせいかもしれない
またオンラインで売る今は、店舗で売ってた時に大事になる手触りなどはあまり関係なく、光と色がより重要となっている。ツヤツヤしたガラス素材やプラスチック素材、鮮やかな色やキラキラ光る効果などがオンラインで売る上でより販売を促進してくれる秘訣なのかもしれない。
メディア(ブログ)からスタートした強み
メディア(ブログ)経由のCVRの高さ
マーケティングの基本戦略はコンテンツマーケティング。
売上の90%はオンラインでの販売。
その中の内訳は20%は広告からで、残り80%はメディア(ブログInto The Gloss)・消費者の口コミ。
メディア(ブログ)経由のユーザーの方が、経由しないユーザーよりCVRが40%も高かったということからも、メディア(ブログ)でショッピングモード客の囲い込みに成功。
Vogue社のインターンをしながら「Into the Gloss」という個人ブログをやっていて、そのメディアがあったことが最大の強みだと思う。
ブログのスタイルは、セレブや著名の女性にメイク方法やTIPSを聞き、その内容をよりカジュアルにそして親しみやすいように書く。
商品開発はブログユーザーの声を元に
「Into The Gloss」はGlossierのサイトに統合されましたが、ブログ時代から変わらず大切にしているのは、「顧客の声」。実際に顧客の80%を、ユーザーがほかのユーザーに紹介してくれることから獲得している。
新商品をリリースするときには、ブログの読者から意見をもらう。実際にMilky Jelly Cleanserという商品の発売の際には過去に投稿したユーザーからの声(400件)を取り入れ開発された。
店舗
実店舗は全て「オンラインでの購入体験を推進するためのもの」と定義している。
スマートな体験
販売のフローも新方式。近くにいるスタッフに声をかけ、購入したい商品を伝えると、サクサクと手に持っているiPad に情報を入力して、クレジットカードも通して、お会計を済ませる。
スタッフとお話をしている間に、裏のスタッフが商品を袋詰めしと手渡してくれる。お客さんとしては待たされている感覚もないまま一瞬のうちに商品が用意されるという、オンライン発のブランドならではのとても効率的なシステムになっている。
カスタマイズされたラッピングプレゼント
渡された商品には、お客さんに宛てた心温まる手書きのイラストと名前が書かれたカードが入っている。
ブランドの可愛いデコレーションシールと、商品のサンプルと、想定していた以上に袋の中に色々入っていて気分が上がる。
小売
アマゾンには出店しない。
「Amazonのようなプラットフォームを考えた場合、早く届くからとか安いからといった基準で最高のマスカラを選んでいると言ってくれた女性は、これまでに誰もいませんでした。そうした速さや安さは、ファッションや美容製品のような、感情商品を買うときのやり方ではないのです」とWeissは語る。「ユーザーが実際にやっていることや望んでいることが、つながりの幅であるにもかかわらず、一般の電子商取引経験が現在主導しているパラダイムは、効率性であり製品の品揃えなのです」と彼女は語る。
デザインの質の担保
創業期に開発を依頼していたカナダのデザインエージェンシーDynamoを2018年正式に買収。
Dynamo共同創業者Bryan MahoneyはGlossierのCTOに就任。
30人の従業員が転籍。
カートでの工夫
肌の色毎に合わせられる仕組み
各商品ページに飛ぶと、動画付きで肌の色が異なる三人が同じリップを試してくれている動画/静止画が出る。実際に手に取れない分、モデルさんが使っているのを見れるのはわかりやすい。フィルターも過剰すぎず本来の色がわかる。アメリカ市場で展開するにあたり、肌の色それぞれへ対応をするのは勉強になる。
→日本でも、色白や色黒モデルさんなどを起用して見せてあげるのは凄く参考になりそう。
自分の肌に合うものを試せる
Glossierは実店舗を開いてブランド認識を広げているが、自社で開発したスキントーンのマッチング技術により、メイクアップカウンターと同じようなユーザー体験「matcher」を作った。
自分の写真をアップロードするとGlossierのツールでどのシェードが一番肌色と合うかをレコメンド。
投稿してくれたファンに感謝してリポストするインスタグラム。
インスタグラムは203万人フォロワー。
凄く世界観に統一感があるというわけではないけれど、ユーザーがちゃんと使っているのがわかるぐらい盛り上がっている。
また、マーケティングも従来の有名芸能人にやってもらうのではなくあくまで一般ユーザーたちとSlackやポップアップイベントで繋がり、彼女たちにInstagramで投稿してもらうというやり方を貫いてきた。
必ず返信が帰ってくる嬉しさ
ジゼル・ブンチェンの写真や、ジョージア・オキーフの絵などが目をひく。フォロワーたちはコメントを残しておけば、Glossierからすぐに返事が来る。「Glossieからのダイレクトメッセージがうれしくって」と、あるファンは言う。
アンバサダープログラム
2017年夏にGlossierは新しくインスタグラムのアンバサダープログラムをスタート。今ではオンライントラフィック及び売上の8%がそのプログラムから流入。クオリティの高い投稿をしたユーザーはGlossierのアンバサダープログラムに招待。特殊なクーポンコードをもらい、そのコードでGlossierのプロダクトを宣伝すると、売上の一部をもらえる。
→この仕組み似た施策は最近コスメの口コミサイトでよく見る
動画配信
Glossierは消費者向けの動画コンテンツとして、FaceTimeのチュートリアルやFacebook Live動画(主にスタッフが出演)をニューヨークにある自社のオフィス内で撮影している。また、YouTubeでは朝のメイクなどの身支度を視聴者に紹介する「Get Ready With Me」を公開している。
コメント欄に書かれている質問やフィードバックを見れば、多くの消費者がこれらの動画を気に入っていることがわかる。
コミュニティ作り
カスタマー担当エグゼクティブ・ディレクターのジェシカ・ホワイト氏は「コミュニティとは単なるフォロワーの集まりではない」と断言する。
ホワイト氏いわく、それは互いに絆をもってつながり、ブランドの価値をシェアする人々が集う場で、ブランドがオーガナイズするというよりも、自主的にブランドの良さを発信し広めてくれるグループを指すと語る。
ツイッターの美容アカウントのような繋がり
友だち同士が美容について語り合う感覚で、お気に入りの製品を教えあったり、アイシャドーの使い方について質問を投げると、コミュニティ内の誰かが答えてくれたりする。質問者と同じような肌色や好みが近い人が、自身のセルフィーをメイクの参考にとシェアしてくれることも多い。
gTeam(チーム)というCSチームを形成
通常であればカスタマーサービスは、1人にかける時間をなるべく短くしようとする。なぜなら、より多くのカスタマーに対応できるからだ。しかし、gTeamでは逆に対応時間を長くするようにした。その結果、顧客満足度が90%に上がったという。ソーシャルメディアは企業が情報発信するだけでなく、カスタマー同士がやりとりするコミュニケーションツールの側面を持つ。つまり、Glossier好きな人が増えれば、コミュニティがより活性化する。
メールマーケティング
Glossierの組織戦略
「従業員の37%はテクノロジストで構成」
課題がまだ解決出来てない、顧客ニーズに応えるためにより適切なデータ収集を目指し、デジタル分野に特に力を入れている。
顧客ニーズが特定されないと商品の開発をスタートさせないという徹底ぶり。「matcher」などの個人の肌に合わせておすすめの商品が出る仕組みもそれを物語っている。
【まとめ】
Awayなどの戦略と一番違うところはやはりメディアを持つ強さだと思いました。メディアを通して買うユーザーはCVRが40%も違うのは強い。
あとはそもそもネット売るように最初からパッケージやプロダクトを作ることなども店舗で売らない今だからこそ大事になってくる点だと思いました。
見た目が画面越しで分かりやすく、ユーザー自身がプロダクトをカスタマイズして、自分ごと化出来、そのプロダクトをネットにて投稿してもらう。
その投稿をインスタグラムにてリポストする。そこから生まれる口コミや投稿含むUGCがより増えるように、インセンティブをアンバサダー・プログラムなどで設計している流れが綺麗に出来ているのが強みだと思いました。
そしてお客さんがこんな楽しそうに、熱量溢れるプロダクトを作れる楽しさを絶対自分でも味わってみたいと思いました。
そんな未来を目指してこれからも頑張ります。
下記凄く参考にさせて頂いた記事になります。
参考文献
http://pygmaliondays.hatenablog.com/entry/glossiercosmetics
https://www.businessinsider.jp/post-187887
https://stylehaus.jp/articles/6756/
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