自分たちで主体的に価格設定することって大事だと思わない❓という話

▼おはようございます。つい先日、高校時代の同級生と十年ぶりに再会しました。そのとき、「うん、なるほどっ」と腑に落ちる、ありがたい意見を頂戴しましたので、ご紹介を。祝日の朝、コーヒー、紅茶、タバコなどの一服がてら、しばしお付き合いくださいませ🍀🍀🍀

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▼彼は現在、誰もが人生で必ず一度は食べた、飲んだことのある食品メーカーの課長さんです。

▼かといって、彼は「いかにも企業人」というガツガツなタイプではなく、どちらかといえば、朴訥(ぼくとつ)として周囲の人を安心させるような、ほんわか、ふんわりとした人格の持ち主です。そういうところが、きっと部下同僚上司から信頼されているのだと思います😌😌

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▼さて、いま介護や福祉、教育は人材難で、賃金はかくかくしかじか、という話をしている中で、彼は興味深い話をしてくれました。

▼それは、たとえばチロルチョコやよっちゃんイカのように、はじめから極端に価格を低く設定して売り出してしまうと、その後価格をなかなか上げられないということでした。彼は、「一度その歴史を作ってしまうと、そこから逃れるのは極めて難しい」と言っていました。

▼薄利多売の最大の問題は、品質を価格に転嫁できないことなのだそうです。生産者が、チロルチョコの品質や味に独自の趣向を凝らしたとしても、消費者には、品質が向上しようが味が変わろうが、価格は断固10円でなければならないという強い価値観が骨の髄までしみ込んでいるようです(それが本当の消費者ニーズである)。

▼ただ、企業側としても、薄利多売には、薄利多売を前提とした経営戦略がきちんとあるそうです。その戦略は、薄利多売で儲からないから人員を削ってしのぐなどという、低質なコンサルタントが思いつきそうな発想ではなくて、流通や商慣習の面でさまざまな工夫があるとのことでした。

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▼ひるがえって、介護や福祉という職域は、全体として薄利という歴史を刻んできました。理由を深掘りしてみますと、消費者と業界の双方にそれぞれ課題がありそうです。そこらへんは、実践者の方々のほうがずっとお詳しいはずですので端折ります。

▼彼の言葉で印象に残ったのは、「自分たちで主体的に価格設定することって大事だと思わない❓」ということでした。対人援助の職域のほとんどが公定価格に支配されているとはいえ、市場原理を持ち込むこと自体はべつに悪いことではないし、公的責任だけに依存していると、せっかくスキルの高い人であっても、未来永劫、給与水準は上がらないんじゃないかな、という意見でした。

▼介護や福祉という公共性の高い職域では、国家責任や公的責任という大義は大事です。でも、専門職の待遇は、公的責任だけに固執するのではなくて、ある程度は市場原理にしたがって、人材が欲しいんだったら、それ相応の待遇を保証する事業者を選択していくのもアリかもしれませんネ(経営は大変でしょうが・・・)👍👍

▼現に、小規模事業者、大規模事業者を問わず、待遇(給与だけではありません)が充実している事業者は職員の入れ替わりがほとんどありません。私が片足を突っ込んでいる専門教育業界でも、「絶対に関わってはならない大学、専修学校、受験予備校」というものがあります。得てして、そのような学校は、常時、なりふり構わず求人票を出しているものです。これらは、市場原理にしたがった選択の結果です。

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▼最近、専門職の扱いをめぐって、風向きが少し変わってきたなぁと思うんです。

▼私のほうでも、十数年間ビタ一文変わらなかった、ある出版社の執筆料が、去年、ほんの少しだけ上がったんです。こちらが、「さすがにこの価格はもうそろそろ勘弁してくれ❗」とお願いしたこともあるのですが・・・

▼それまでの慣例ですと、講師料や原稿料を上げてくれなどと、あまりネチっこく要求すると、「だったら他の人に頼む」「あなたでなくても他に人がいる」と開き直られて契約終了という雰囲気がありました😭😭😭

▼新型コロナウイルス騒動の頃から、専門職が保育所や有料老人ホームを集団退職したり、最近では、猟友会が行政委託を断固拒否するなど、公共性や公的責任をめぐって、たとえ市民生活がおびやかされても、荒療治ですが、それまでジャケに扱われてきたさまざまな専門職が「本気を出す」事例が目立ってきました。

▼髪の毛一本分ほどですが、変わりつつあることを肌で感じている今日この頃です🌺🌺🌺