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グッドデザイン賞製品 デザイナーインタビュー(前編):「特別感なく自然。自分でも着たいと思えるデザイン」

こんにちは!あなたの「好きな服を楽しく着たい」という気持ちを尊重する衣料ブランド、ケアウィルです。

今回は、多機能レインウェアの開発秘話をデザインを担当したプロペラデザインのデザイナー、手槌さんと多田さんにインタビュー。
本製品は、グッドデザイン賞2024を受賞いたしました!

グッドデザイン賞2024
ケアウィルの多機能レインウェア

プロペラデザインは清澄白河のデザイン事務所で、ユーザーの声を大切にしたプロダクト開発が特徴です。ケアウィルとのレインウエア開発の裏側に迫ります。

真剣な顔でレインウェアを検品する手槌さん(右)、多田さん(左)

雨の日も、気兼ねなく外出して欲しい

―――どんな製品ですか?

手槌さん:このレインウェアは、上下が別々になっていて、上がポンチョ、下がひざ掛けになっているんです。ポンチョのデザインを私が担当しました。

手槌さんがデザインしたポンチョ

多田さん:ひざ掛けは私が担当しました。6種類の方法で固定できて、ずり落ちない設計にしています。車いすを漕いでいる時でも安心して使えるように工夫しました。

多田さんがデザインしたひざ掛け

―――どんな特徴がありますか?

手槌さん:私の姪が車いすユーザーなんですけれど、『どうやって飛行機に乗ってコンサートに行くか』とか、よくそういう話をします。若いからたくさん遊びたいんですよね。だから、いかに普通に、気兼ねなく外出できるかは重要だなと常々感じていました。特別感なく自然な、自分が着たいなと思えるようなデザインを心がけました。

―――私は、車いす利用者は『雨だったら出かけない』ものだと思っていました。でも、ヒアリングでは「小雨くらいなら近くのコンビニに行きたい」「少し遠出してでも友人と外出したい」という声を当事者の方からよく聞きました。

雨の日でも外出したいことはあります

多田さん:そうですね。そういう意味で今までにない新しい製品だと思います。あとは、車いすユーザーは、腕を動かせる範囲が限られていたり、視界が狭くなりがちなんです。特に外出中や移動中は、身の回りの物や情報が増えるのでストレスも増えます。

―――確かに。車椅子ならではですね。

多田さん:はい。だから、ポンチョもひざ掛けも、余計な動作を極力減らして、1回で簡単に装着できるよう工夫しました。ただ機能を追加すればいいというわけではなく、自然に無意識で使えることが本当に大切だと思います。

「ユーザーの声を大事にする」という共通項

―――開発の過程で、どんなところに苦労しましたか?

手槌さん:このレインウェアは、車いすユーザー、作業療法士、理学療法士、パタンナー、自治体担当者、製造メーカーといった多くの関係者と協働して作り上げました。それぞれの立場からさまざまな意見が出るので、その調整が大変でしたね。

多田さん:ただ、ケアウィルさんはユーザーの声を大切にしていたので、そこは非常に大きかったですね。ユーザーの声をどう形にしていくか、どの部分を優先し、どこを調整するか、そのバランスを取ることが重要でした。

―――ユーザーの声。

手槌さん:はい。私たちプロペラデザインも、ユーザーの声を大事にしていて、その声を機能として形状に表現するのが得意。だからこの製品はうまくマッチしましたね。車いすユーザーの問題をどう解決するかという点で、最終的に、協働する皆、目指す方向が同じだったので、良い形にまとまったと思います。

自立して乾かせる手洗いブラシ(左)や長時間使っても疲れないスタイルスチーマー(右)など
ユーザーのちょっとした声を細部に反映したプロダクトを多くデザインしています

試着で見えてきた、雨の日以外の利用シーン

インタビューの当日、サンプルがちょうど到着したので試着してみました。

コミュニケーションチームのメンバーも試着

―――落ち着いた色味で、素敵ですね。おしゃれで、迷っちゃいます。私も欲しいな…(笑)

落ち着いた色味です

手槌さん:でしょう!ウインドブレーカーとしても使えたり、雨の日だけのアイテムを超えて普段使いできます。

―――この前、子供のお迎えに行った時、大雨で大変だったんです。このレインウェアだったら、リュックが濡れなくて済むな、と思いました。

リュックも隠れるポンチョ

手槌さん:ポンチョ部分は背面が分かれていてオーバーラップする構造なので、リュックを背負ったままでもさっと羽織れるし、自転車に乗る時でも快適に腕を前に出せますね。

背面は2枚がオーバーラップする構造で手を広げるのも楽ちん

―――ひざ掛けも便利そうですね。

多田さん:毛布の上からかけて使うこともできますね。僕はキャンプが好きなので、ちょっとした防寒用としても使えるんじゃないかと思っています。

キャンプの際に毛布の上から包み込んで使うアイディアも

―――言われてみると、いろんなシーンで活躍しそうで想像が膨らみますね!

手槌さん:そうですね。日常では当たり前に使えて、さらに使うシーンが増えていくと嬉しいです。

試着中、特に印象的だったのは、デザイナーのお二人が、私たちの反応をとても注意深く観察していたことです。ユーザーの声を大切にしている姿勢が垣間見えました。

今回のインタビューを通して見えてきたのは、多機能レインウェアがただの「雨の日のアイテム」ではないということ。実際に試着してみると、雨の日を超えて、さまざまなシーンで活躍できるアイデアがどんどん湧いてくる、そんな可能性を秘めたレインウェアでした。

多機能レインウェアは、carewillの公式サイトAmazonYahoo!ショッピングMakuake STOREから購入できます。ジャケット+ひざ掛けのセットだけでなく、別々での購入も可能です(セット割あり)。

プロペラデザインへのインタビュー:次回は「ユーザーの声が形になるまで」です。お楽しみに!

carewillは、これからも当事者の方々の声に寄り添った製品づくりを続けていきます。そして、今の状況を”あきらめる”のではなく、必要とする方への選択肢をお届けできるよう、あなたの「できる」を応援します!


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