「雨の日も外出したい」を応援する、車いす利用者用レインウェア
こんにちは!「好きな服を楽しく着たい」あなたのそんな気持ちを尊重する衣料ブランド、ケアウィルです。
雨の日の外出、どんな雨具を使っていますか?
傘、レインウェア、長靴などで雨を凌ぎますよね。
では、車いす利用者の方は…というと実は多くの方はレインウェア(レインコート)を利用しています。
今回は、ケアウィルコミュニケーションチーム"中の人妹"が、車いす利用者の皆さんのためのレインウェアと、その製品化プロジェクトについてご紹介します。
車いす利用者用レインウェアをご存知ですか?
皆さんは車いすの利用者が着るレインウェアをご存知でしょうか。
恥ずかしながら私は、ケアウィルの製品化プロジェクトが始まるまで知りませんでした…
こういった、車いすに乗ったまま着用できるレインウェアです。
特に、全身をおおう被り式のものが、インターネットで検索するとたくさん出てきます。
「なぜこういうレインウェアが必要とされるの?」「傘じゃダメなの?」「市販のレインウェアとの違いは?」...ケアウィルのメンバーで作業療法士のハルさんにさっそく聞いてみました。
でも、このレインウェア。便利な機能がある一方で、気軽に楽しむ服としてはいくつかの課題がありました。
そんな課題を解決するためにはじまったのがケアウィルのプロジェクト。
車いす利用者用レインウェアの製品化プロジェクト
2022年8月。
一人の車いすユーザーの「雨の日も気にせずに外出したい」という声からこのプロジェクトは生まれました。
「雨の日のちょっとした外出はあきらめています」
彼女はそう言いました。
週末には翌週の天気予報を見て綿密に行動計画をたてるそう。
そして、外出の予定がある日の前日には、レインコート、濡れたものをふくためのタオル、それを入れるバッグを玄関にセット、持ち物が増えないように他のものを減らして...準備だけでも一苦労。
やっと迎えた当日。
移動中は膝の上に置いた鞄が濡れないように、
バスに乗るときは脱いだレインコートで周りを濡らさないように、
駅ではレインウェアを脱いで畳むことで人の流れを邪魔しないように、
雨に意識を取られて物を落とさないように。
「〇〇しないように」の連続。ようやく目的地に着いたときにはもうヘトヘト。
「そういうわずらわしさから、外出をあきらめてしまうんです...」
彼女は言いました。
でも、
「本当は、外出したいんです。ちょっとくらい濡れてもいい。家の近くのコンビニに行ったり休日にすこし足を延ばして駅ビルのショップでお買い物をしたい。」
「雨の日でもおしゃれをして友達とカフェに行きたい。」
「わずらわしさから解放されて、外出の本来の目的を楽しみたい。」
心の奥には、そんな「したい」がたくさん押し込められていたのです。
こういう気持ち、車椅子を利用しない人も同じですよね。
ただ、既存の車いす利用者用レインウェアは介助者が着せやすく、車いすも濡れないようにするための大きくて頑丈な作り。持ち上げるのも畳むのも大変です。
そこで、彼女の願いをかなえるレインウェアを、ケアウィルで作ってみることにしました。ケアウィルがものづくりで大切にしているのは当事者のみなさんの「したい」という思い(ウィル)。
その実現のお手伝いをしたいと純粋に感じたからでした。
その後、彼女と彼女のリハビリを担当する理学療法士、作業療法士の声をもとに、試作を何度も繰り返し、試行錯誤の結果生まれたのがこのレインウェア。
彼女のための世界で一つの製品が完成したその日。
私たちは嬉しさのあまり、施設の外へ飛び出しました。
はじめは彼女の願いから、オーダーメイドで作った車いす利用者用レインウェアでした。他にもこの製品を必要としている人がいるのではないか。そんな意見から製品化への道がはじまりました。この「車いす利用者用レインウェア製品化プロジェクト」は、川崎市の市制100周年事業として採択され、異分野の方々との『共創』による製品化が進んでいます。
プロジェクトには川崎市在住の方をはじめとした車いすユーザー、川崎市職員、デザイナー、パタンナー、製造企業、理学療法士・作業療法士、日本臨床作業療法学会、女子美術大学共創デザイン学科、田園調布学園大学といった共創パートナーが参画し、共にものづくりを進めて参りました。
先日、ついに川崎市の「Welfare Innovation Forum2024」にて完成した製品のお披露目を行いました。
そして、「雨の日の外出もあきらめたくない」という願いから生まれた本レインウェアは、グッドデザイン賞2024を受賞いたしました!
carewillは、これからも当事者の方々の声に寄り添った製品づくりを続けていきます。そして、今の状況を”あきらめる”のではなく、必要とする方への選択肢をお届けできるよう、あなたの「できる」を応援します!
ケアウィルサポータープログラムの紹介
ケアウィルは、「着たい、選びたい、着て人と会いたい」という意思を第一に尊重した服づくりを目指し、「ケア衣料※」という専門ブランドで、ものづくりをしている会社です。
ユーザーの声を大事に日々製品づくりに取り組んでいます。
ありがたいことに、ケアウィルの取り組みに共感いただき、応援したいというお声をたくさん頂戴するようになりました。
このお申し出を力にすべく、ケアウィルではサポータープログラムを用意しています。
このプログラムでは、皆さまからいただいた寄付で、ケアウィルが、製品をサンプル購入。その製品サンプルを全国の病院・施設に無料で貸し出したり、全国の福祉用具展示場に寄贈して展示をしたりすることで、製品を必要とされる全国の皆さんに製品に直接触れていただく機会を提供しています。
サンプルの無料貸し出しはこちらから承っています。
車いす利用者用レインウェアももうすぐサンプルに仲間入り予定です。
ケアウィルの取り組みに共感いただけましたら、どうかお力添えをよろしくお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?