人手不足では済まされない⁉退職代行の裏にあるもう1つの問題
退職代行は時代の流れ
SNSでもマスコミでも退職代行が有名になってきた。
これからの時代に必要不可欠なものとして認知をされているのは事実である。
退職代行を使うのは新卒がメインのように見えますが、毎年40万人が新社会人として社会に出てきて、3年未満に3割が辞めるといわれている。
40万人×0.3=12万人が3年以内に辞めてしまっているのが実情。
そのうち退職代行を利用するのが2~3%といわれているので、年間2400人ぐらいの新卒採用者が使っている。
SNSやニュースで取り上げられるほど、すごい人たちが利用しているわけではないことが数字から分析をしてみるとわかる。
会社を辞めるときに引き留め工作があったり、交渉がこじれたりするから、退職代行にやってもらいたいという気持ちはよくわかります。
退職代行を利用する人たちは若手社員だけではなく、中堅、ベテラン社員も利用している。
退職代行は本人に代わって連絡をすることはもちろんですが、有給休暇の消化の確認や退職届の有無など、連絡役に徹すること。
交渉することは弁護士の領域になるため、企業側とは交渉をすることなく、法律上の14日前の退職連絡を使っているのが特徴である。
公務員については弁護士を紹介しているのが特徴。
実に知らないことだらけだった。
辞める理由のベスト3
なぜ人が辞めていくのかというと、昔から本質は変わっていない。
『人間関係』、『長時間労働』、『低賃金』の3つである。
最近特に多くなっているのが、人間関係による退職である。
最近よく言われるようになったのは、フキハラといわれるものが多くなりつつある。
不機嫌オーラが充満してしまって、顔色をうかがってしまった部下が、最悪の報告、相談ができなかったために、さらに不機嫌になってしまう。
怒鳴り散らすのは当たり前ですが、周りの空気まで凍らせてしまうから厄介である。
昔の上司に熱烈な野球ファンがいて、敗戦した翌日は人にあたりまくる上司もいた。
今であれば、一発レッドカードなんだけど、その時は腫れ物に触るように顔色をみんながうかがっていた。
上司、先輩、同僚に恵まれないからといって、辞めていく理由にもなっている。
関係値を構築したい上司VS本音を話さない部下
コンサルたと会社には、関係値を構築したい上司が駆け込んでいる。
どのように切り取られてハラスメント扱いをされるかどうか、ビビっているのはもちろんですが、世代間ギャップがあると思い込んでしまっているから、コンサルタントが言うことに従っている。
『とりあえず、1on1を毎週1回やってください。関係値を構築してから2~3カ月後に厳しいことを言うようにしましょう』って…
日頃の行動や言動を見ている部下にとって、本当に信頼できる人なのかどうか見られているということには気づいていない。
1on1をやるといっても、本やネットに書いてある『今日は何から話そう』なんていったとしても、部下はドンドン自分の殻に閉じこもっていくことになるから、今すぐにやめてください。
部下にもいろいろなタイプがあって、話すのが得意な人、文章にするのが得意な人がいて、対面とLINEやチャットの文字コミュニケーションの両方が必要になる。
常にオープンな姿勢を取っておくのはもちろんですが、話術と文字の両方のコミュニケーション力が問われるわけです。
その2通りのコミュニケーションと無数のグラデーションの個性の掛け合わせになるので、金太郎あめのように同じものが出てこないことを忘れています。
また、どこまで踏み込んでいいのか、どこからは地雷なのかを見極めなければなりません。
例えば、ダウンタウンの浜田さんのように、大御所でもズバッと入っていって、いじってOKなタイプなのか、いじっちゃダメなタイプなのかを判断して、適正な距離感でコミュニケーションをとることがうまい。
大御所になってくるといじられることはあまりなく、人としての魅力がある程度固まってきてしまうけど、いじられることによって新しい魅力を発見することができる。
若手でも同じことがいえて、プライベートまで突っ込んでも平気な人とそうでない人がいるので、どこまで突っ込むかは、その人の反応を見て考えるようにしてみましょう。
コミュニケーションをとることはもちろんですが、1on1だけでなく、雑談をすることはもちろんですし、ランチなどを通して話す機会を増やしていくことを考えてください。
関係値があるからできることもある
ハラスメントを気にするあまりにコミュニケーションをとることができないことになると、重要な場面でのホウレンソウが遅くなってしまう。
フキハラといわれてしまうけど、顔色を見ずにどんどんいかないと、大きな問題になってしまう。
管理職もプレイングマネージャーとして現場に降りていることが多く、管理職の役割をしながら、自分でも数字を追っている。
管理職に余裕がないというのはもちろんですが、これを言っていては何も進みません。
部下から話しかけられたら、すぐに作業を止めてアイコンタクトをとりながら、真摯に話を聞いていきましょう。
どんな状況にあったとしても、話を聞いてくれるという雰囲気をつくることによって、悪い情報が早く手元に届くことになります。
話しづらい場合については、会議室など周りの人の目につきにくい場所で話を聞いてあげてください。
1日の終わりに30分でも1時間でもいいので、部下と話をする機会をつくってみてください。
部下が話しやすい環境をつくることが管理職の役割の一つですし、話しかけやすい、信頼できると思ってもらえると、腹を割って話をしてくれることになるでしょう。
自分が心を開かない限り、部下の心も開けません。
弱みを見せることもそうですが、本気で部下を応援して才能を開花させようとしている姿勢を見せることも必要です。
腹を割って話せる環境になるには、個人差があるので、どこまで踏み込んでいいのか、どこからが地雷なのかをしっかり見極めると同時に、部下の才能を開花させるためにはどうしたらいいのか、頭を使ってください。
離職率の低下と管理職の育成が急務
離職率が高いことは人が辞める理由があると思い込まれてしまい、ネガティブなイメージが払しょくすることはできない。
2:6:2の法則がわかっていれば、下位の2割を代謝したとしても、6から下位の2に落ちていくのが組織の自然の摂理である。
20%ぐらいの人材が入れ替わってもおかしくないけど、離職率の定義があいまいになっているから、数字だけでは判断ができないところである。
各企業が同じ基準で見ているのか、少なく見せるために工夫をしているのかというのはわからない。
人手不足ということで離職率を低下させることに重きをおく企業が多くなっているけれど、実は管理職の育成やアップデートが急務である。
今まで経験をしてきたことが全く通用しないので、圧力や暴言で叱咤激励をする時代ではない。
個性を尊重したうえで、言い方、伝え方を考える必要がそこにはある。
昔のように𠮟咤激励をすれば伸びるタイプの人もいれば、褒めて伸ばしていくタイプもある。
ロジックでしっかりと話をしていくのか、感情的にいった方が伝わるのかというのは、その人が育ってきた環境によって変わってくる。
その人の後ろのバックボーンであるとか、どういう経験をしてきたのか、しっかりと把握したうえで、部下の育成方法を考えなければならない。
一般的なことをいうよりも、個別にきちんと向いているということを示す必要がある時代で、一挙手一投足を見ているというサインも送らないといけない時代。
チル&ミーを理解することと個性を理解することがこれからは求められる時代になるだろう。
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