思考が変われば人生が変わる:セルフイメージの高め方
〇うまくいく人・いかない人の違い
人は誰でも自分が望む人生を送りたいと思っています。しかし、うまくいく人といかない人がいます。また自分はどんな人生を送りたいかわからない、という人もいます。この違いはどこにあるのでしょうか。
明確な目標を持っていること、具体的な計画を立てていること、強い意志をもって取り組んでいることなど、要因はたくさんあると思いますが、これらの要因を成り立たせるベース(土台)にあるのがセルフイメージです。そのため、夢やゴール、目標があるけれど行動に移せない、あるいは行動してもうまくいかない場合などは、セルフイメージを整えることから始めると、人生が好転することがよくあるのです。
〇思考が変われば人生が変わる
表現は多少異なりますが、多くの成功者や哲学者が成功法則として語っている言葉に次のようなものがあります。
現状から抜け出し、夢や理想を実現して自分が望む人生を送るためには、思考から変えていかなければなりません。思考を変えることで行動が変わり、習慣・人格が変化し、人生が好転していくということです。
しかし、人は1日に1万2000回から6万回思考して、そのうちの8割がネガティブな思考と言われています。つまり、意識していないうちに、無意識にネガティブなことを考えているため、意図して思考を変えるのはとても難しく、結果として行動に移せない、ということになるのです。
この連鎖を断ち切り、ポジティブな思考パターンを手に入れるためには、思考の土台となる部分を変えなければなりません。この土台に当たるのがセルフイメージです。セルフイメージを高く保つことで、思考(思い・考え・願い)を変化させ、行動を変容させることができるようになります。
〇セルフイメージとは
セルフイメージとは、自分が自分をどう認識しているのか、評価しているのか、ということです。セルフイメージが高い人と低い人には、次のような特徴があります。
▶セルフイメージが高い人
・自分に自信がある
・困難な課題にも積極的に挑戦する
・目標を達成できるという確信を持っている
・周囲の人から好かれる
・幸福感や充実感を感じやすい
▶セルフイメージが低い人
・自分に自信がない
・物事をネガティブに捉えがち
・新しいことに挑戦することを恐れる
・失敗を恐れ、リスクを避ける
・不幸感や無力感を感じやすい
つまり、セルフイメージが低い人は本来の能力を十分に発揮しにくく、逆にセルフイメージが高い人は自分の能力を最大限発揮し成功を収めることができる、ということが想像できると思います。
〇セルフイメージは変えられる
セルフイメージは、人生における様々な側面に影響を与える重要な要素ですが、変えることは可能です。セルフイメージは、「教育」「環境」「常識」「経験」「学習」の5つの要因から作られると言われています。つまり、これまでの人生の中で後天的に得たものなので、自分の中でポジティブなイメージに上書きすればよいのです。
セルフイメージを高く持つためには、次の3つの要素を高いレベルで持ち続けることが重要です。
これらの3つの要素は互いに密接に関係しており、どれか一つ欠けてもセルフイメージを高めることはできません。一方で、誰でもセルフイメージを大きく下げてしまう正反対の要素も併せ持っているので、注意が必要です。
セルフイメージを高める要因と下げる要因、どちらか片方しか持っていない人はいません。例えば、仕事で大きな成果を上げた時は、自信が高まり、ポジティブなセルフイメージが強くなります。逆に失敗したり、批判されたりした時は、自信が低下し、ネガティブなセルフイメージが強くなります。このように、セルフイメージは固定的なものではなく、状況によって変化するものです。
だからこそ、
なるべく多くの時間をポジティブな状態で過ごす
ネガティブなセルフイメージに囚われない
ことが重要なのです。
〇ポジティブなセルフイメージを維持する方法
それでは、セルフイメージを高く維持するためにどうすればよいのか。3つの要素についてそれぞれ考えてみます。
▶自己受容
セルフイメージを高めるためには、まず自己受容を高めることが重要です。自己受容とは、自分の良いところも悪いところも全て含めて、ありのままの自分を受け入れることだからです。
1.自分を理解する
自己受容を高めるためには、まず自分自身を深く理解する必要があります。自分の過去を振り返り、興味関心のあること、好きなこと、苦手なこと、長所・短所、やりたいこと、やりたくないことなど、ありのままの自分について書き出してみましょう。そしてそれをそのまま受け止めます。
どうしてもネガティブな面ばかり意識してしまう場合には、それをポジティブな表現に直してみてください。例えば、「自分は飽きっぽい」とネガティブに捉えている場合は、「私は好奇心旺盛な人である」と言い換えます。あるいは「頑固だ」と感じているならば、「意志が強い」と言い換えることができます。このように同じような内容でも表現を変えることで、受け止め方はかなり変わってくると思います。
2.感情を感じる時間を取る
感情を感じる時間を持つことも大切です。好きな映画を見たり、小説を読んだり、旅行に行ったりして、自分が楽しめる・落ち着ける時間を確保してください。そして、その時感じた感情を大切にしてください。感情をありのままを受け入れることで、自分自身をより深く理解することができます。
また、日々の出来事や感情を日記に書き出すことも、自分の感情を客観的に捉えることにつながり、とても効果があります。
3.自分との対話の時間を取る
毎日10分でいいので、自分自身と対話する時間を持つようにしましょう。今日の出来事を振り返ったり、自分の考えや感情を整理したりすることで、自分自身をより深く理解することができます。自分が本当に望んでいることは何なのか、自分自身に問いかけることも効果的です。そして、対話の時間を取ることで、自分を大切にしていない方向に進んでいると感じた場合は、その方向を修正しましょう。
▶自己信頼
自己信頼を高めるためには、次のような方法があります。
1.自分にウソをつかない
「やりたいのに我慢してやらない」「やりたくないのに我慢してやる」といった、本心に反する行動は、自己信頼を低下させます。自分の気持ちに正直に行動することは、自分を大切にすることです。
また、自分がやるといったことは最後までやる、やらないといったことは絶対にやらないなど、口にしたことを必ずやり遂げるということも、自分にウソをつかないことにつながります。これにより、自分の意見を主張し、行動に責任を持てるようになり、自己信頼を高めることができます。
2.プチチャレンジで成功体験を重ねる
何事も経験したことのないことには恐怖心があります。 しかし、実際にやってみると、意外にできることがあったり、新しい発見があったりします。
例えば、今まで食べたことがないものを食べたり、行ったことがない場所に行くという小さなことに挑戦してみてください。少しの勇気が必要かもしれませんが、案外平気な場合が多いです。プチチャレンジで成功体験を重ねることで、自己信頼を育てましょう。
3.自分をほめる・認める
自分にウソをつかず、チャレンジすることを決めた自分を認め、ほめてあげてください。最初のうちは結果は気にする必要ありません。自己信頼は、自分の可能性を信じることです。「私は私自分自身を信頼しているよ」とたくさん声をかけてください。そうすることで、より大きなチャレンジ、より高い目標に挑戦できるようになります。
▶自己尊重
自己尊重を高めるために自分にご褒美をあげている、という人も多いと思います。ご褒美以外にも、次のような方法があります。
1.日常的にポジティブな言葉を使う
私たちは、自分が発する言葉によって、無意識のうちに自己イメージを形成しています。否定的な言葉ばかり使っていると、自分まで否定することにつながります。だから、日常的にポジティブな言葉を使うことで、自分自身を尊重する気持ちを高めることができるのです。例えば、自分に対して「ありがとう」「お疲れ様」「よくやった」といった言葉をかけることで、自己尊重を育むことができます。同時に、周囲の人たちにも積極的に使うことでも自己尊重が高まります。
2.境界線を設ける
自分自身の価値や尊厳を守るためには、他人との間に適切な境界線を設けることも重要です。例えば、自分がやりたくないことや不快に感じることは、はっきりと断る勇気を持つことです。相手の気持ちや要望を受け止めることは大切ですが、自分を守ることはそれ以上に重要なことです。その積み重ねが、自己尊重を高めることにつながります。
3.セルフケアを大切にする
自分自身を大切にするためには、心身のセルフケアを怠らないことも重要ですね。例えば、バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけることで、自分自身を大切にすることができます。
〇セルフイメージを高めて充実した人生を送ろう
セルフイメージが低い人はよく「自信がない」と口にします。「自信がない」とは、「自分を信じていない」ということです。自分のことを信じてないのですから、何かやろうとしても、うまくいくはずがありません。また、自分を信じていない人のことを、他の誰が信じてくれるのでしょうか。
セルフイメージを高めるためには、自己受容、自己信頼、自己尊重の3つの要素をバランスよく持つことが重要です。これらの要素を意識して育てることで、ポジティブなセルフイメージを維持し、自分が望む人生を実現するための土台を築くことができます。自分自身を大切にし、セルフイメージを高めることで、より充実した人生を送ることができるようになります。