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たった3秒の音声解析でメンタル状態を把握する仕組みを解説!カギは「声帯の震え」

さて先週の記事では、うつ病が会社経営にもたらすダメージと、音声解析によってメンタルダメージを事前予測する「Care Cube」についてお話しました。

今週は、たった3秒でメンタル状況を把握できてしまう「Care Cube」の技術、「音声解析」の仕組みをより詳しく解説していきます。



わずか3秒で音声解析!
メンタルダメージを事前に予測する

株式会社サウンド&ヴィジョンテクノロジーズが提供する「Care Cube(ケアキューブ)」は、人の顔を認識すると、わずか3秒間の会話をするだけで音声を解析し、心の健康状態をチェックします

声帯の震えを分析するという客観的な方法で、人々が自分のメンタルを数値化。さらに、毎日のメンタルヘルスチェックを続けることで、ストレスによる精神的問題を約2週間前に予測することが可能となります。

スマホやパソコンから簡単操作。アプリから日々のグラフを確認できます。

声の周波数から、活力・喜び・悲しみ・怒り・恐れ・嫌悪・驚き・落ち着き・平常の9つの感情指標を数値化。このように継続的に記録を取ることで、グラフからストレス度を予測します。


仕組みを解説!わずか3秒の音声解析、
カギは「声帯の震え」だった!?

「Care Cube」は、声帯の震えを分析することでメンタル状況を把握します。なぜ声帯の震えを分析するのか、それは声帯の動きが客観的なデータになるからです。

人間の声は、声帯を震わせることにより発せられますが、声帯の筋肉は不随意筋と呼ばれ、意識的なコントロールができない部位です。
不随意筋とは、自律神経や内分泌系によって自発的に収縮する筋肉のことあり、心臓の拍動や消化器の蠕動 (ぜんどう)運動のように、人が意識的に制御することができません。

たとえば、緊張すると声が上ずったり、ストレスで声がかすれたりすることがあると思います。このように自らの意思と反し、精神状態の影響をも受けるのが声帯です。(ちなみに声帯は、気管の出入り口にあり、左右2本のひだのような形をした筋肉。女性は1cm、男性は1.5cmほどの大きさです。)

我々はこの筋肉の動きに着目し、声帯の震え=声の周波数の変動パターンから8つの感情指標(喜び・悲しみ・怒り・恐れ・嫌悪・驚き・落ち着き・平常)を数値化しています。

こうして得られたデータは、主観的な影響を受けていない客観的データであるといえます。そのため本人自身が気付かない日々のメンタル状況の把握が可能です。


会話内容や声の大きさ、高さは関係ない!?
声帯がもたらすメリットとは

前述の通り、声帯の震えは自らコントロールすることができません。声帯の震えはまだ言葉になっていない状態、つまりただの“振動”です。「Care Cube」はその振動=周波数の変動を分析しているだけなので、話した内容や言語に依存しません。声を大きく/小さくしようが、高く/低くしようが、何を話そうが、メンタルヘルスチェックの結果には影響しないのです。
ということはつまり、日本語が話せない外国人や赤ちゃん、意思疎通が難しい高齢者の心の健康状態を計測することも可能です。


グラフで見る「メンタルの浮き沈み」

先ほど「音声解析の仕組み」の中で、声の周波数の変動パターンから9つの感情指標(活力・喜び・悲しみ・怒り・恐れ・嫌悪・驚き・落ち着き・平常)を数値化していると言いましたが、特筆したいのは「活力(バイタリティ)」です。

バイタリティは、感情指標の中でも特に、うつ病との相関性が高いと考えられています。幸せ・驚き・怒りの数値から合成されたもので、数値が高ければ高いほど、心地よい状態となります。

しかし、ここで重要なのが、常にバイタリティが高ければ健康的であるかというと、そうではないことです。意外かもしれませんが、精神的に元気で活動意欲が高い人ほど、毎回の計測値が上下変動するものです。
人間誰しも気持ちに浮き沈みがあるのが普通で、逆に感情の起伏がなくなってくると精神的なダメージが疑われます。

これまで弊社が行った実証実験で得られたデータから、 典型的なグラフ形状を以下に4つ例示します。

グラフ1:穏やかな平均回帰型

人間の体には自然治癒力があります。心身が健康な状態であれば、一時的な気分の抑揚があっても、それは時間と共に通常の状態に戻っていきます。したがって、 穏やかに平均に回帰していくこのグラフは、心が健康な状態を示していると言えます。


グラフ2:フラット推移型

この形状のグラフは心の健康が損なわれた際に現れるケースの多いものです。気分の抑揚がなく、心の状態にプラス、あるいはマイナスの事象が起きても、それに反応を示しにくくなっている状態だと言えます。心身が健康な状態とは言えません。


グラフ3:乱高下型(不規則性)

この形状のグラフは、一見穏やかな平均回帰型と似ていますが、バイタリティの上下変動(ボラティリティ)が穏やかな平均回帰型と比較して大きい状態です。一般的に「躁状態」と言われるような、気分が極端に高揚する状態を言います。


グラフ4:スパイク型

このグラフからは、バイタリティの急激な落ち込みが見て取れます。緩やかな落ち込み・回復であれば問題ありませんが、変動が急激であればあるほど、危険な状態を示しています。

このように、過去の調査・分析から、心の健康リスクが極めて大きい状態を示唆するグラフが見つかっています。


「Care Cube」アプリケーションでは、バイタ リティ数値が3日連続でフラット状態を示した際にアラートを発する仕様となっています。


詳しくは公式ホームページから確認できます。
音声解析の仕組みをさらに詳しく解説した資料もダウンロード可能です。


来週の金曜日は、「健康経営」についての記事を投稿予定。お楽しみに~♪

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