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路地裏じゃなく路地奥にひっそり潜む隠れ家カフェ

大雑把に言えば30年位前。今よりもずっと頻繁に、カフェや喫茶店を巡っていた頃ちょくちょく立ち寄らせてもらったお店は、残念ながら今はもう殆ど残ってはいないけれど。

去年、たまたま通りがかりに、…あれ?ずっと空いていたここにカフェが出来たの?…っていうかこの店名、ずっと昔にこの場所にあった、あのお店!?

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すすきの寄りの大通、南3条。ビルとビルの間の細い路地を進むと現れるその店。当時は、ランチタイムに午後のティータイム、仕事帰りのグループやカップルが集う夜まで、いつ訪れても常に賑わっている、かなりの人気店だった。

現在は、私よりも明らかに先輩と思しき男性マスターが、ほぼ1人で回しているご様子。聞けば、ご自身が当時からのオーナーであり、あの頃は多くのスタッフを雇って自らが店に立つことは無かったが、10年以上の時を経ての再開にあたり、自らが日々店に立つことにされたと。以前よりも静かで、ぐっと落ち着いた空気感と、マスターの淹れてくれる珈琲につられて、半年程の間に何度か立ち寄らせてもらった。

去年12月の雪の舞うある日。いつも通り出勤前のささやかな時間を過ごそうと覗いたら、「事故により閉店中。いずれ再開します。」の張り紙。

事故って…?詳しい状況を知る由もなく、ただ再開を待つしかなかった。時々立ち寄ってはみるものの、ガラス扉は固く閉じられ、張り紙が寂しく風にひらひら。ちょうど今から1週間前に覗いた時には、遂にその張り紙も外されていて、もしやこのまま閉店?ともよぎった。

そして今日。あ、看板出てる!

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12月にマスターが交通事故に遭われて、暫く入院されていたとのこと。だけど無事回復され、こうしてお店も再開されて、良かった。本当に良かった。

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珈琲もケーキも美味しい。だけど喫煙可。何となく感染対策もゆるく見える。そして何より、マスターがわりとマイペース。結構なマイペース。だから、合う人と合わない人のいる店だとは思う。

だけど私は、これからもずっと通うだろう。だってこんなに、本当の本当に奥に隠れている隠れ家は、そうどこにでもありはしないから。代わりはちょっと見つからない、無くしたくない場所だから。


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もしもサポートして頂けたなら、いつもより少し上質な粉を買い、いつもより少し上質で美味しいお菓子を焼いて、ここでご披露したいです🍰