うつ病と私(母親①)
私が初めて「うつ病」を知ったのは、
小学校3年生の時でした。
我が家は父・母・姉・私・妹の5人家族です。
父は海外を中心にインフラ整備に携わる仕事をしていました。
長期的に出張していることが当たり前の家庭でした。
実家はバブル期終盤に造られた集合住宅。
子供もたくさん居るという点が購入の決め手だったそうです。
父親が単身赴任中、
母親はワンオペ育児で私達3姉妹を育ててくれました。
現代社会で考えると、
それはきっと壮絶であっただろう…と、
感謝しか出て来ません。
私達姉妹は4歳差、3歳差の年齢差だったので、
比較的手伝いはよくしていたと思います。
そんな夏の終わりのある日、
ベランダで何か作業をしている母親に私が呼ばれました。
その場に行って絶句した事を今でもよく覚えています。
「申し訳ありません、なかなか汚れが落ちません。
もう少し早く気づいていたら良かったのに…。
ごめんなさい…。」
当時の母親の言葉です。
土下座しながら発した言葉です。
私・妹に発した言葉です。
大人がこんな謝り方をするの?
それ…この夏休みに私が獲った金魚の水槽。
四隅が確かに苔だらけだけど…
本来私がやらなきゃいけなかった事だよね?
…え?
よく「こらー!」「なんでやらないのー!」など、
私も自分の子供が出来てようやくわかった事ですが、
毎日子供と大論争を繰り広げ生活をしていきますよね?
当時の私はこの母親の行動に、
今まで言う事を聞かなかったツケは、
こんな形で回ってくるんだと…
かなりショッキングな出来事だったのです。
そんな母親の事を、
当時中学1年だった姉が
国際電話で父親へ報告をしました。
そこから少しずつ私達家族の在り方が、
変化していったのです。
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