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バレエファンの会社員、2024年を振り返る

2024年12月31日ということで、今年見た舞台の中で特に印象に残った舞台10選を挙げていきます!順序はつけられないので時系列順に書いていきます😊


NHKバレエの饗宴2024より「幻灯」(Shoko Nakamura / Kenta Kojiri)

小㞍健太さんが振付と演出を手がけた「幻灯」は圧巻の舞台でした。コンテンポラリーならではのだだっ広い空間を自由自在に使い、床に反射する素材を敷き詰めてあの世とこの世を行き来するような独特の空間を作っていたことが印象的でした。
踊り手の中村祥子さんも小㞍健太さんはどちらも身体能力が非常に高いダンサーでしたので、全てにおいて見応えがあった演目でした。

パリ・オペラ座バレエ団「白鳥の湖」(Sae Eun Park)、「マノン」(Ludmila Pagliero / Marc Moreau)

実は私が見に行く予定だった「白鳥の湖」は本来アマンディーヌ・アルビッソンが主演するはずでしたが、妊娠のため降板。パクさんによるオデットの繊細な羽の表現や、キャラクターによる感情の出し方など様々な工夫を心から堪能した舞台でした。彼女のオデットが見れて本当に良かったです。
「マノン」についても「一度見ておくか」という軽い気持ちでしたが、運命に翻弄される女性像をリュドミラ・パリエロが迫真の演技で見せ、またデ・グリュー役のマルク・モローが本物の神学生のような独特の雰囲気がありました。客席は私を含めて号泣する人で溢れ、真の芸術を見れたことに感謝です。

 マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」(Matthew Bourne's New Adventures)

映画ではマシュー・ボーン作品を見たことがありますが、実際に見たのは今回が初めてです。ロミオとジュリエットの実際の年齢に近い若い3ペアの熱演は胸を抉られるような切なさがあり、あまりに素晴らしくて7回見に行きました。
鮮烈なだけでなく、社会問題や現代の課題にも切り込んだ内容は考えさせられることが多く、とても印象的な舞台でした。

トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団2024年東京公演(Takaomi Yoshino)

トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団については幼少期より名前は知っていましたが、大変失礼ながら男性ダンサーが女装してポワントを履いて踊る、くらいの印象しかありませんでした。
2024年に初めてトロックスの舞台を見て驚いたのですが、「めちゃくちゃバレエが上手な男性達がポワントも履いて踊る!」という、そもそもバレエの技術が非常に高い男性達がさらなる表現の高みを目指しているバレエ団でした。特に吉野鷹臣さんの黒鳥が圧巻でした。絶対にまた見に行きます!

NDT1の神奈川公演と、NDT2の「Lucid Variations」

日本で上演されるコンテンポラリーって悶えているような意味不明のものかコメディっぽい奇妙なものが多いので敬遠していましたが、7月に見たNDTはそんな私の概念を一気に取り払ってくれました。
NDTのダンサー達は人間が出来得る身体表現を模索し極地を探求しているという印象を受けました。人間はここまで体を使って表現できるのかと衝撃を受けました。
10月にはハーグでNDT2のプレミア公演に行きましたが、身体表現だけでなく、衣装、照明、舞台装置など様々な要素を最大限使って表現に繋げる様は圧巻でした。

新国立劇場バレエ・アステラス「Une Promnade」(Jeon Minchul)

マリインスキーバレエ団への入団が決まっているチョン・ミンチョルをどうしても見たくてチケットを購入。それはそれは美しいダンサーでした。
ちなみにバレエ・アステラスにはチョン・ミンチョルが所属する韓国芸術総合学校バレエアカデミー (Korea National University of Arts)の生徒として参加しましたが、本来ならバレエ学校の生徒が参加するはずの枠に卒業生やら韓国国立バレエ団の元プリンシパルが参加するなど韓国側の人選の気合の入り方が凄かったです。
とは言え、最高峰のキャスティングで舞台を見せてくれたことに感謝です。チョン・ミンチョルは本当に美しかった。今後が楽しみです。

光藍社主催「バレエの妖精とプリンセス」(Carolina Bastos / Luca Abdel-Nour)

https://www.instagram.com/kaze__foto/

ドイツのバイエルンでソリストとして活躍するカロリーナ・バストスは全てが完璧で、こんなに力強くて素晴らしいバレリーナを見れて本当に良かったです。コンテンポラリーダンサーのようなクールな雰囲気を持ちながらも、クラシックバレエの高い技術を持ち、華やかさも持つ彼女は近い将来必ずやプリンシパルになると信じています。ぜひまた来日して欲しいです。

https://www.instagram.com/kaze__foto/

もう1人とても印象的だったのが現在オランダ国立バレエ団で活躍するルカ・アブデル=ヌールで、美しいつま先や柔軟な体も印象的だったのですが、演技面も印象的でした。オーロラ姫に求婚する4人の王子を踊っていたのですが、優しげでオーロラに惹かれている演技がとても素敵でした。ぜひまた来日して欲しいです✨

オランダ国立バレエ団「ドン・キホーテ」(Giorgi Potskhshvili)

夢にまで見たギオルギ・ポツヒシヴィリの舞台は最高オブ最高でした😍
もう格好いいし、熱気も凄いし、踊りも凄いし、全てが凄い!
彼の舞台を見るために会社に無理を言って滞在日数を1日伸ばしたのですが、本当に見に行って良かったです。日本にも来て欲しいですし、むしろ彼の舞台を見るために世界中に行きたいくらいです❤️

新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」(Maho Higashi / Myeonghyun Lee)

2024年に新国立劇場バレエ団に入団した東真帆さんと李明賢さんは、鮮烈な美しい踊りで私たちを魅了してくれました。
実はこの2人はどちらもパリ・オペラ座で踊っていたという共通点があります。契約団員と聞くと本団員ほど舞台がないイメージでしたが、東さんは2019年にレオノール・ボーラックとジェルマン・ルーヴェが主演した「白鳥の湖」にスワンとチャルダッシュで、李さんはオニール八菜さんとマルク・モローが主演した「バレエ・インペリアル」にそれぞれコールドで出演されています。

さすがオペラ座にいただけあって東さんも李さんもラインが綺麗で、音楽表現も豊かで素晴らしいです。新国の舞台でコールドにいても「美しいバレエを見たい」という観客の渇望を満たしてくれる存在です。ぜひ実力者の2人にもっと役がついて沢山見れるように願っています。

ジョージア国立バレエ団「くるみ割り人形」(Laura Fernandez / Joshua Nunameker)

ジョージア国立バレエ団「くるみ割り人形」では金平糖の精を踊ったラウラ・フェルナンデスと、ハーレキンとフランス人形を踊ったジョシュア・ヌナメーカがとても印象的でした。
ラウラさんは妖精のように軽やかで、まるで彼女の踊りが全ての音楽を奏でているようで、魔法にかけられた気分になりました。ジョシュアさんは体の使い方が優雅で美しく、いつか彼が踊る王子様をぜひ見てみたいと思いました。
ジョージア国立バレエ団が近いうちに再来日して、2人の踊りをまた見れますように🥰

2025年もバレエファンの会社員をよろしくお願いします!

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