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バレエファンの会社員、2023年を振り返る


オブラスツォーワなどロシアのバレリーナのSNSが賑やかだなと思ったら、本日1月7日はユリウス暦のクリスマスです🎄✨
ロシアだけでなくセルビアなど正教会が主流の国では、クリスマスは1月7日にお祝いされます。ですが正教国=1月7日がクリスマス、と言うわけではなく、ギリシャ正教では新暦の12月25日にクリスマスを祝うなど、国や地域によって違うのが現状です。この辺の宗教関連の話を始めると長くなるので、もっと聞きたい方はぜひ個別に連絡ください😄

さて旧暦で1月7日がクリスマスということは、新年は1月14日となります。色々バタバタしていて2023年の振り返りを行えてなかったなと思うので、旧暦の新年が明ける前に2023年を振り返ってみようと思います✨

2023年印象に残った舞台3選

①ザハーロワとレーピンによる「バレエ&クラシック」

スヴェトラーナ・ザハーロワが踊ったのは「カリフォルニア・ポピー」と「瀕死の白鳥」の短い2曲のみでしたが、世界中のファンの心を鷲掴みにする優雅な動きや華やかさを堪能しました。バレエも素敵でしたが、ワディム・レーピンのヴァイオリン演奏がとにかく素晴らしく、忘れられない舞台となりました。
第2部のザハーロワとレーピンが前橋市の職員の質問に答える形でトークショーが進められたのですが、レーピンのこの回答がとても印象に残りました。

楽譜にある音を正確に弾くのは基本だけど、その中に自分の個性をどれだけ出すか、自分にあった表現を出せるかが大事。そのためには、色々な人に会ったり音楽を聞いたり本を読んだりして、練習以外にも色々なことを学ぶ必要がある。それを貯めて自分の音に出していく。

②ハンブルクバレエ団「ジョン・ノイマイヤーの世界」

「ジョン・ノイマイヤーの世界」はノイマイヤーが振り付けた数々の作品を見せながら、ノイマイヤーの人生を私たちに伝えるという一種の伝記のような作品でした。全てのダンサー達が素晴らしかっただけでなく、ノイマイヤーのバレエに対する深い愛情がこれでもかというほど伝わってきて鑑賞中に涙が出てきた舞台です。
ノイマイヤーはハンブルクバレエ団の芸術監督を退任してしまいますが、この作品は時代を超えて長く上演され続けてほしいですし、ノイマイヤーという素晴らしい伝説の生き様をもっと多くの世代に伝えてほしいです。

③新国立劇場バレエ団「エデュケーショナルバレエ白鳥の湖」

子ども向けの公演でしたが、コンセプトが分かりやすくて、大人も非常に楽しめました。最近バレエを知らない人とバレエについて話す機会が増えてきたのですが、私たちが思う以上に一般の人はバレエについて全く知識がないです。
この公演くらい噛み砕いて説明してくれたり、司会者が解説してくれるような公演が増えたら、バレエの敷居の高さが変わっていくのではないかと期待しています。

2023年印象に残ったダンサー3名

①アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ

ミハイロフスキーバレエ団でプリンシパルとして活躍するヴォロンツォーワは、圧巻でした。海外のダンサーが日本に来て踊る際は、夏休み期間が多いからなのか、正直バカンスモードのダンサーが多い印象です。そんな中でヴォロンツォーワは以前も今年も常に120%全力で踊ってくれているのがよく伝わってきて、また「日本で踊れるのがとても嬉しい」という気持ちもとても伝わってきて、観客として本当に嬉しかったです。
ドンキホーテとドゥアト作品を見ましたが、どちらも力強く、本当に美しかったです。ぜひヴォロンツォーワをまた見たいです。

②ジェシカ・シュアン

オランダ国立バレエ団でプリンシパルとして活躍するジェシカ・シュアンを今年初めて見たのですが、あまりの優雅さと滑らかさに言葉を失いました。バレエ・アステラスでは予定されていた山田翔さんとのコッペリアだけでなく、急遽ピンチヒッターとして吉山シャールルイさんと眠れる森の美女を踊られましたが、うっとりするようなたおやかなオーロラ姫でした。アステラスの後のブライトステップ公演ではモダンも見せてくれましたが、これだけ滑らかに音を表現できるバレリーナがいたことに驚きました。
オランダ国立バレエ団にはツィガンコワ、スミルノワ、マハテリなど沢山の有名プリンシパルがいますが、もしオランダに行けたら私は絶対にジェシカの舞台を見たいです。

③森本亮介さん、木村優子さん、佐野和輝さん

この3人は1名に絞れなかったです😂
森本さんは10月のドンキホーテで初めて見ましたが、体の中心から発するリズムや躍動感がものすごく伝わってきて、驚きました。体が柔らかかったり、回転やジャンプが上手いダンサーは死ぬほどいますが、リズムを客席に伝えてくれるダンサーを初めて見ました。もの凄いダンサーが新国立に入ったなと感じ、ワクワクしました。

木村優子さんはヤングガラで初めて知りましたが、シャープな動きと強烈な個性で一気に観客を引き込んでいました。クールな踊りをする方かと思っていましたが、くるみ割り人形の雪の精や花のワルツではずっとニコニコしており、心から笑っているのが伝わってきて、見ていてとても幸せな気持ちになりました。こんな見ていて幸福になれる木村さんにはもっと色々な役で踊ってほしいです。

佐野和輝さんはくるみ割り人形で老人、ネズミ軍団、花のワルツなど色々な役で出演されていますが、とても踊りが上手で、ジャンプなどの余韻も音楽と合っていて目が離せなくなりました。また、人柄の良さが踊りや演技から伝わってきて、見ていてとても楽しい気持ちになりました。これだけ上手な佐野さんの踊りをもっと見たいなと思いました。

その他2023年バレエ関連もろもろ(K眠り、新国くるみ、ザハーロワ)

①アンゲリーナ・アトラギッチの衣装が美しかった(Kバレエ眠れる森の美女)

Kバレエトウキョウの眠れる森の美女は、熊川哲也さんによる新制作で話題性抜群だったということに加え、セルビア人衣装デザイナーのアンゲリーナ・アトラギッチが衣装をデザインしたという理由もあり、発売初日にチケットを買いました。
アンゲリーナによる衣装は、色合いやデザインが美しいだけでなく、日本人の体型や肌の色がよく研究されており、ダンサー達がさらに美しく見えるように随所に工夫を感じました。これだけ美しい衣装を見れて本当に嬉しかったです。

②イーグリング版くるみ割り人形のネズミの王様とネズミ軍団最高!(新国くるみ)

新国立劇場バレエ団が上演しているイーグリング版の「くるみ割り人形」は非常に評判が悪いです。
しかし、オランダ国立バレエ団のくるみを見て思ったのですが、振付は確かに難しいかもしれませんが、非常に音楽的で観客を夢の世界に運んでくれる素敵な振付だと思いました。私はイーグリング版が大好きなので、このバージョンの悪口を聞くたびに悲しくなります。
今回新国立バレエのくるみ割り人形を何度か見る中で、ネズミの王様やネズミさん達の動きがとにかく可愛いことに気づいてから目が離せなくなりました。キャストによる演じ分けや、それぞれの工夫が本当に素敵で、ネズミ軍団のおかげでとても楽しい舞台になりました。イーグリング版はもっとネズミ軍団に注目が集まれば、より多くの人が楽しめるのではと思いました🐭👑

③ザハーロワとレーピン、やはり凄すぎた(前橋)

2023年は色々な舞台を楽しみましたが、やはりスヴェトラーナ・ザハーロワとワディム・レーピンは格が違うと感じました。インタビューでもよく考えながら彼らの芸術について伝えてくれ、1人の芸術家として素晴らしい夫婦だと思いました。次回の来日についてはコーディネーターと調整中とのことですが、次回の舞台も必ず行きたいと思います。

以上、長くなりましたが、ようやく2023年を振り返ることができました。
2024年もバレエを沢山見て、沢山感想を書いていけたらと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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