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胃がん術後一ヶ月の患者さんからよくあるご質問

こんにちは!むーちゃん先生です!
すっかり秋らしくなってきましたね。
さて今回は前回に引き続き胃がんのお話です。
むーちゃん先生の病院では胃がん術後一ヶ月後に外来で栄養相談を行っております。
大体皆さんポツリポツリお悩みが出てくる時期ですね。



今回はそんな胃がん術後1ヶ月の患者さんからよく聞かれるご質問について、実際お答えしている内容を一部ご紹介していきます。

⚠ご注意⚠
患者さんの術式や病態、生活背景は様々なので、一概に胃がん術後の方全員に当てはまる回答ではありません。

Q.食欲がないけど食べた方がいいの?

A.はい!食べた方が良いです。

そもそもなぜ食欲がなくなるかというと…

胃を切除すると、胃から分泌されていた食欲を調整するホルモン量が激減し、食欲が低下します。そのため、術後の体重減少は避けられません。手術前後に管理しても、1~3か月の間に胃全摘術で全体重の15~20%、胃の一部を残す幽門側胃切除術でも7~10%の体重減少が起こるといわれています。

出典 NPO法人キャンサーネットジャパン もっと知ってほしい胃がんのこと 2016年版 

食欲が出ない状態で食べるのは辛いかと思いますが、食べることも治療の一環と捉え好きなものから食べてみましょう。

Q.食べるとすぐ下痢で出てきてしまいます。主治医からは大丈夫と言われたけど…きちんと栄養が吸収されてないか心配です。ちなみに体重は減っています。

A.主治医に相談して問題ないと言われても、常に下痢だと日常生活を送るのが大変ですよね。
まずは水のような下痢が続く場合は、脱水にならないようスポーツドリンクやOS1をこまめにとりましょう。野菜スープや味噌汁でもいいです。
食事は油が多い料理や食品だと、より下痢になることもありますので、高たんぱく低脂質な食品(鶏むね、卵、牛ヒレ肉)など栄養価が高い食品で試してみましょう。


そもそも下痢になってしまう原因ですが…

胃術後は便の状態が不安定になりがちで、下痢や便秘などが起こりやすいです。これは食べ物が一度に小腸に流れ込むことなどにより、神経反射が起こったり、腸の蠕動運動が過剰になったりして起こります。

また便秘が続くと腸閉塞が心配ですので、主治医に相談してみましょう。

Q.心配で一ヶ月間おかゆを食べていました。そろそろ普通の食事に戻していいですか?

A.特に症状がなければ、普通食を少しずつ試していきましょう。
術後の方は、病院栄養士より退院時におすすめ食品と気をつけて食べる食品一覧をもらっていると思いますので、気をつけて食べる食品にも徐々に挑戦してみましょう。
ただまだまだ術後1ヶ月ですので、1回の食事量は増えてこない時期です。今後も1食は食べ過ぎないよう、間食で栄養を補いましょう。

Q.毎日沢山歩いてますが、あまり食事が食べれなくてどんどん痩せていきます。どうしたらいいでしょうか?

A.動けるほど体力が回復してきているのであれば、食事も徐々に普通食に戻していきましょう。まだ運動時の前後の水分補給や間食では、栄養補助食品を活用して不足の栄養を積極的に補うようにしてみましょう。
また運動の種類も有酸素運動が多すぎると、脂肪燃焼と合わせて筋肉も落ちやすいです。体調を見ながらウォーキングの時間を少し減らし筋トレも追加してみてはどうでしょう。

Q.そろそろ仕事復帰を考えています。飲み物はとれるけど、仕事中に間食を食べるのは無理そうです。まだ食事も量が取れないから、間食ができないとより痩せてしまいそうで心配です。

A.間食を食べる時間がないのであれば、飲むタイプの栄養補助食品やプロテインなどを水分補給時にこまめにとってみましょう。

以上一部ですが、胃の術後にいらっしゃる患者さんからよく頂くご質問と回答についてでした。

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むーちゃん先生/がん専門病院の現役管理栄養士
読んで頂きありがとうございます!少しでも皆さんのお役に立てると幸いです!