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喧嘩両成敗
荒れた宿場町にフラっと現れ、揉め事が片付いたところで風のように去って行く1人の浪人。
宿場町に足を踏み入れると、まず出会うのは人の片腕をくわえて走り去る野良犬。
この宿場には何かある…一気に物語に引き込まれる。
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同じ宿場に親分が2人。
2代派閥のこの宿場で描かれる人間模様と、さらけ出される強欲さは、どこかおかしくさえある。
この作品で一番印象に残ったセリフ…
『1人殺そうが100人殺そうが、縛り首になるのはいっぺんだけだよ。』
これは、気の弱い息子を奮い立たせようと母親が教育するシーン。
セリフ1つとっても、その人物の気持ちがとても良く伝わってくる。
何よりカッコいいのが、風が吹き砂ぼこりが舞う中でのラスト近くの有名な対決シーン。
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白黒映画だが、最初から最後までどのシーンもビシッときまっている。
毎年、お正月に放送される度に観てしまう魅力的な作品。
大変な幕開けとなった本年だが、ほんの少し娯楽に浸った時間だった。