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見送る姿~映画『ひまわり』より~
先日、深夜ラジオを聴いていたら、映画『ひまわり』(1970年 伊・仏・露・米合作映画)のサウンドトラックが流れて来た。
終戦記念日が近づいて来た頃だったので、この楽曲が選曲されたのかも知れない。
自分が生まれる前の作品なのに、毎回この曲を聴くと哀愁を感じてしまう。
戦争によって引き裂かれてしまった悲恋の物語を思い出すからだ。
母方の祖母は、戦争で兄を2人亡くしている。戦地に出発する前「万一の時は家のことを頼む。」と言う兄たちに祖母は言った。
「何で死ぬかも知れないのに行くの?」
それに対して兄たちは「そんなこと、絶対によそで言うなよ。非国民だって言われるから。」と祖母を諭したそうだ。
『今生の別れ』を予感させる、映画『ひまわり』のラストシーン。
イタリアのミラノ中央駅で、元恋人を見送る主人公の姿は、私の中で、最後に兄たちを見送る祖母の姿に重なる。
現在のミラノ中央駅と比較しても、当時の面影が伺える。
多くの人たちの犠牲の上にある今の平和。
その犠牲者の中に、会ったことはなくても、自分に繋がる人たちがいたこと、残されて悲しい思いをした人たちが大勢いたことを、再認識させてくれる作品だ。
映画『ひまわり』のサウンドトラック。