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スポットライトの先に
寒い夜に 大きく響く ネコの声
真夜中に、外にいるネコの鳴き声で目が覚めた。
喧嘩でもしているように聞こえた声。
ちょうど夜だったこともあり、子どもの頃に軽く悪戯した時のことを思い出した。
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以前『太陽の帝国』(1987年 アメリカ映画)という映画を観たことがある。
作中に、主人公の少年が船の中から窓に懐中電灯を押し当て、チカチカと外に向かって点滅させるシーンがある。
ほんの軽い遊びのつもりが大惨事となってしまう場面だったと記憶している。
子どもの頃にこの映画を観た私は、同じ遊びをしてみたくなり、夜も更けた頃、実家の2Fの窓から目の前を流れる川を懐中電灯で照らしてみた。
特に興味をひくものはない。
懐中電気を少し上に向け、川沿いにある歩行者用の細い道に光を当てると…何か動くものを捉えた。
『夜に散歩している人だったらどうしよう…』
一瞬悩んだが、もう一度こわごわ灯りを向けると…そこに現れたのは1匹のネコだった!
『これは打ってつけ!』とばかりにネコを照らし続けた。
自分の所だけ、やけに明るくなっていることに気づいているのかいないのか…『変だな?』という様子で、そのネコはキョロキョロしながら歩き続けた。その足取りを追ってスポットライトを当て続ける私。
やがて道の途中から、ネコなら通れそうな細い脇道に入ってしまい、それ以上は灯りが届かず姿も見えなくなり、追跡は強制終了となってしまった。
『ここまでか…』と少しがっかりしたが、この遊びはなかなかスリルがあってドキドキした。
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子どもの頃に、TVや映画、漫画で目にした面白いシーンを真似たことがある。
たいていはあまり感心しないシーンが多かったが、これもそんな1つ。
真夜中にネコの声で起こされ、ぼんやりと思い出した子どもの頃の小さな悪戯。
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