見出し画像

跳躍

新しい世界との出会いは不思議な縁。
少しでも気持ちが動いたら、それはきっと運命の合図。

イギリスの炭鉱町でボクシングを習っていた少年が、偶然目にした隣のバレエ教室に魅了され、少女たちに混ざって練習し、バレエの世界に足を踏み入れていく物語。

映画『リトル・ダンサー』(2000年 イギリス 原題:BILLY ELLIOT)。
主人公ビリーが、ロイヤル・バレエ団で一流のバレエダンサーに成長するまでを描いた作品。

今では男性バレエダンサーも大勢いるが、1980年代が舞台の作中では、男子がバレエを習うことに家族が反対するシーンなど、時代背景がよく表れている。

ビリーのバレエへのひたむきな姿に、あれほど反対だった家族も、最後はバレエダンサーを目指すというビリーの夢を受け入れていく。

印象に残ったセリフ…
ビリー:父さん。ロンドンに行ったことないの? イギリスの首都だよ!
ビリーの父:用がないからな。父さんは生まれてこのかた、このダーラムの街を出たことがないんだ。

印象に残ったシーン…
最初から故人という設定のビリーのお母さん。けれど、ビリーの心が映し出すのか、時々作中に登場する。

冷蔵庫を開けたままのビリーに声がかかる。
ビリーの母:冷蔵庫を閉めなさい。
ビリーが振り返ると、いつの間にか姿が消えている。

亡き母親も含め、家族全員がビリーの夢を応援してくれるほのぼのとしたシーンの数々。

圧巻はラストシーンのビリーの跳躍。
父と兄が見守る中、本人の努力と周りの理解が作り上げた結晶を晴れの舞台で披露したところで映画は幕を閉じる。

不思議な縁が紡ぎ出す新しい世界との出会い。
少しでも気持ちが動いたら、それはきっと飛び込むチャンス。

想像も出来なかった景色が、待っているかも知れない。


いいなと思ったら応援しよう!