癒しの庭に呼び寄せられて
『思い立ったが吉日』の諺通り、突然何か思いつき、実行する性格の私。
先日、新聞で、横浜イングリッシュガーデンについての記事を見つけた。その記事を見て、初めて知ったバラ園。
時は5月半ば。
何かのついでに寄ってみようと思ったが、このバラ園の方角に特に用事はない。
しかもバラの盛りは5月いっぱいと知り『ついで』ではなく『わざわざ』行くことにした。
今行かなければ、来年までチャンスはない。まるでバラの庭に呼ばれたかのように、いそいそと支度して家を出た。
すでに午後だったが、幸い時間には余裕があり、平日にも関わらず混んでいたが、ゆっくりとバラを堪能できた。
約1800品種、約2000本の、色とりどりのバラたちに迎えられ、囲まれ、まるで別世界のような庭園。
庭全体は小さく、コンパクトな作りだが、癒し溢れるバラの聖地。
一面をバラで覆われた小道を抜け、目立たずにひっそりと咲く、バラ以外の花たちも、1本も見落とすまいと目を向ける。
憩いと癒しの場を求めて、バラの庭に集まってきた人たち。
快晴に恵まれた絶好のお花見日和。
バラのトンネルをくぐり抜け、いつまでも見ていたい景色。
『時よ、止まれ』と、叶わない願い事をする。
無情にも迫ってくる帰りのバスの発着間際まで、出来るだけ長くいた。
最後にもう一度、バラたちを振り返る。
名残惜しい気持ちで『また来るよ。』と、心に誓う。
その気持ちに答えてくれるかのように、風にそよぐ花たちの声が聞こえたような気がした。
『疲れたら、いつでもおいで。』と。