見出し画像

多分日本一簡単な俳句の作り方講座(初心者向け季語一覧表プレゼント中)

*21年7月27日…ご要望の多かったプレゼント中の季語一覧表のJPG・PDFファイル版を最後に添付しました。これでスマホからも見れると思います。

俳句に興味があるけれど、どう始めていいのか。また、どうやって俳句を作ったらいいかわからないという人へ。この記事では、誰にでもすぐできる、裏技的な俳句の作り方を紹介します。

 小生、この方法で句歴2か月で俳句の賞に入賞して、1年半後には、新人賞(奨励賞)をいただける程になりました。(賞金ももらえました)

 やり方はすごく簡単。是非、皆さんも試してみてください。句作の要点だけ知りたい方は、3の「句を作ってみよう」を読んでみてください。また、最後に「初心者向け季語一覧表」を無料で配布していますので、良かったらダウンロードしてみてください。それでは早速…

1.歳時記を手に入れよう(季語を知ろう)

 まずこれ。俳句は有季定型という形で作ります。

 有季とは、季語を用いて春夏秋冬新年のどこかの季節を詠んでいること。

 定型とは5・7・5の17音で表現することです。

 これが俳句の大前提になります。(17音にこだわらない自由律俳句や、季語を使わない無季の俳句をはじめから作りたいという相談もよく受けますが、これらの句もベースには有季定型があり、そこからの技術なアレンジによって成立しています。ですから、まずは基本を押さえておきましょう。決して無駄にはなりません)

 17音の方はわかりやすいと思います、ただ、17文字ではないということだけ気を付けてください。

 問題は有季のほうです。俳句を作るためには季語を知らなければなりません。正直、「何が季語やねん」って感じだと思います。

 しかしご安心ください。俳句界には、古くより偉い俳人たちが作ってきた「歳時記」という、季語の辞書のようなものがあります。

 まずは、歳時記を手に入れて、読んで、どんな言葉が季語なのか確認してみましょう。ネットにもネット歳時記がちらほら、上がっていて、質もかなりいいです。お試しであれば、ネットでも良いと思います。

 ですが、本格的に俳句をやりたいのなら、本を買いましょう。書き込みと、季語の横断という点で圧倒的に優れています。季語を知ることができたのなら、もう俳人のスタートラインにはたったも同然です。

 また、本を買いたいという人から、「どんな歳時記を買えばいいのか。」といった質問もよく受けます。というのも歳時記にはいろんな種類があって、発行元や編集者によって、収録されている季語が変わったりしているので、初心者には何が良くて悪いのか、分からないからです

 小生がおすすめするのは、文庫サイズの歳時記。これならば場所も取らず、外出時に持ち歩けて、しかもお手頃。小生は辻桃子・安部元気著の「いちばんわかりやすい俳句歳時記」をはじめに買って、今も愛用しています。

 迷っている方、選ぶのがめんどくさい方は是非この本にしましょう。また、別の歳時記にする場合でも、季節ごとに何冊かに分かれているものがいいと思います。というのも俳句は基本的に、自分が今生活している季節を詠むことが多くなるからです。持ち歩きの時に一年分持ち歩くのは、かさばって、なかなかしんどいです。

 そして、こちらは必須ではありませんが、形からこだわりたい人や、ブルジョワジーの人にお勧めです(笑)

 図鑑タイプ。とても大きく、重いですが、オールカラーで、見ているだけでワクワクします。小生は、この図鑑タイプの歳時記が欲しくて、状態の良い中古を探し当て、妻に懇願して買いました。深夜一人で酒を飲みながら、読むと幸せな気持ちになれます。

2.俳号をつけよう

 俳号と聞くと、なんだか形式ばっていて、とっつきにくい感じですが、要は俳句をやる人のペンネームのことです。(雅号は短歌をやる時のペンネームです)是非皆さん、俳号をつけてみてください。

 何故、俳号を付けてほしいか。それは、

 実生活の名前と、創作世界の名前は分けたほうが、生きやすいから!

 ということです。

 小生は俳句始めたての時、俳号をつけることがなんだか、気恥ずかしくて、最初の句会で本名の名前を平仮名にしただけで「亀山こうき」と名乗って以降、ずっとこのままです。亀山こうきが定着してしまったのもありますが、正直、もう少し考えればよかったと後悔をしています。

 これは俳句のみの話ではなく、短歌や詩をやる人でも、できるだけ本名は使わないほうがいいと、小生は思っています。理由は、小生の句を例にして説明しましょう。

かき氷崩す神なぞ信じるか
我が骨は野に魂は流星に  


曼殊沙華拳の傷はまだ熱い  
春疾風俺に翼があつた日の

 小生の本性を知らない人が、上記のような小生の句をみて、「この作者はハードボイルドなんだろう」「寡黙な男なんだろう」と感想を持ってくれることが多々あります。

が、そんなことありません。

 その実、考えるより先に口が動く、軽薄髭眼鏡野郎なんです。句会なんかでお目にかかるのが初めての人から、「なんか、思っていたのと違う」と、がっかりされることが、よくあります。

 脱線しましたが、つまりどういうことか。それは……

 本名で、格好つけの句を詠もうとすると、なんだか恥ずかしくなりますが、俳号で、自分の中の別人格が俳句を詠むとなると、変な気遣いをせず、思いっきり句作をすることができる

 ということです。

 また、俳号は生涯にひとつという訳でもありません。

 そこで、先の問題の答えですが、その文士とは、

正岡子規

 のことでした。しかも、問題でとり上げたのは、彼が名乗った俳号雅号のほんの一部です。俳句の礎を築いた人でさえ、このありさまなので、一般人である我々だって、自由に気軽につけてよいはずです。

 また、俳号のつけかたですが、これも正直、適当でいいと思います。自分の好きな風につけてください。歴史上有名な俳人の俳号を例に出すと、

 等があります。

また、女性の俳号に多いのは、

・鈴木真砂女(すずき まさじょ)

・三橋鷹女(みつはし たかじょ)

・竹下しづの女(たけした しづのじょ)

・中村汀女(なかむら ていじょ)

 等、名の最後に「女」という文字を加えるのが、昔の流行でした。(ちなみに男子は、名の最後に「子」を付けるのが流行)

 まあ、今の時代。本当に何でもいいと思います。ただ、俳号があると本当に気分が違います。俳句を作ってやるぞと、俳句モードになれます。是非をつけてみましょう。

3.句を作ってみよう(句作裏技)

 ステップ1、ステップ2をクリアした方、おめでとうございます。もうここまで来たら、後は俳句を作るだけです。そして、ここからが一番気になるところだと思います。

 これから、板書と例を交えながら、かっこいい俳句の作り方を伝授します。小生が下にまとめることを、順に守って、句をつくれたら、どこにだしても恥ずかしくない句ができます。(と信じています)。

それでは参ります……

・ステップA 5音+12音でつくる

 夏井いつき先生という、テレビ番組の俳句添削のコーナーで有名な先生が提唱されている理論です。大前提として俳句の17音を、5音と12音の異なる二つの言葉や文で分けて、俳句を作ります。まずはこのことを理解しておいてください。

・ステップB 5音の作り方

 具体的に、5音のほうをどう作るのか。ここには季語を入れてください

 この時「古池や蛙飛び込む水の音」とか、「松島やああ松島や松島や」みたいな、「~や」みたいな言葉にしないことがポイントです。まずは歳時記から5音ぴったりの季語を探して使ってみてください。(理由は、ややこしいにで今は気にしないでください。気になった方は連絡をいただけたら、詳しく説明いたします)

 例で、「夏の星」を小生は使ってみようと思います。

・ステップC 12音の作り方(イメージする)

 12音の作り方ですが、まず、先ほど選んだ5音の季語をイメージしてみてください。どんなイメージ・感じがするでしょうか。

 喜怒哀楽で言うとどんな感じ?

 色で言うとどんな感じ?

 大きさはどんな感じ?

 数はどれぐらいある?

 これは、想像する皆さまでそれぞれ違うと思います。答えはありません。自分が感じたイメージを大切にしてください。それが、句における魅力につながっていきます。

 そして、今、イメージした5音に感じたものと、逆のイメージ、感じがする言葉を12音から感じ取れるように作ってみましょう。(俳句の理論で言うと、取り合わせ二物衝撃というものになります。難しいので最初は気にしなくていいです)

 小生は、夏の星に、煌びやかなイメージを持っていますので、これとは逆のイメージ。つまり、何となくさみしい、哀愁のような感じの12音を作ってみようと思います。

・ステップD 12音の作り方(文章を作ってみる)

 それでは、具体的な12音の作り方ですが、先ほどの12音に用いると決めたイメージを頭に入れ、まずは12音にこだわらず「ほにゃららのなになに」といった意味になるような言葉、文を何個か考えてみてください。

 この時、なになにの方には、歳時記に乗っている季語は使わないようにしましょう。(「腐りかけの林檎」のような言葉です。林檎が季語になります。これは季重なりという、一つの俳句に二つ以上の季語が使われるという、俳句のタブーになります)

 分かりにくいと思うので例をあげます。例えば、

「壊れかけの時計」

「曲がった釘」

「満杯の郵便受け」

 等の主に形容詞+名詞になる文です。

・ステップE 12音の作り方(整える)

 そして、何個か作った候補をそれぞれ12音に整えましょう。この時のポイントとしては、できるだけ、理由を説明しないような12音に整えるということです。

 俳句は世界最短の詩といわれる表現方法です。

 「俺は、私はこう感動したんだ!」

 と理由の説明をするだけの文字数がありません。少し怖いかもしれませんが、あなたの表現したいと思ったことを読み手が感じてくれると信じて、表現を省きましょう。(余談ですが、たまに、作者が意図していなかったことまで読み手が、感じてくれることまであって、それはそれでとても楽しく、これも俳句の醍醐味だと思います)

 分かりにくいので例を挙げます。

 「壊れかけの時計」は、まず時計がどんな感じで壊れかけているのか想像して「長針のない古時計」とします。この時、何故時計が壊れているのか。。長針がないのか。理由を付け加えることはやめましょう。例えば「針が錆びてる古時計」。ここまで言わなくても、読み手は何故、描写だけで「壊れている時計」を想像してくれます。

 「曲がったままの釘」は情報を少し足して「釘に歪む釘がある」。ダメな例としては、「打ち損じて曲がった釘」等、何故釘が曲がっているのかという理由を説明しているものになります。

 「満杯の郵便受け」は具体性を入れて「チラシばかりの我がポスト」等が良いと思います。良くない例としては、「留守しててポスト満杯」など、なんで郵便受けがあふれそうなのか説明してしまっているものです。

 上記の物は一例です。他にも表現はあると思うので、皆さん試してみてください。

・ステップF 季語と合体させる

ここまできたら後は、5音と12音を足すだけです。

小生の例で行くと、

 等になります。普通に良い句ができました。このような感じで句をつくると、立派な俳句が出来上がります。慣れてきたら、12音+5音に変えてみる。季語を3音のものにして、14音を考えてみる等。応用ができます。

 最後に、上記のようにいろいろ作ってみて、どの句が一番いいのか迷ったとき。その光景が、映画のワンシーンのような、絵画のような、写真のようなものするのに一番ふさわしいと思ったものを選んでみてください。俳句は詩です。やはりあなたが美しく感じたものが一番いいということになります。

4.終わりに(俳句を上達させるために)

 ここまで読んでくれた皆さんは、俳句という表現方法に何かしらの魅力や可能性を感じてくれた人達だと思います。

 やるからには当然うまくなりたい。そこで、小生が考える、俳句がうまくなるための方法をお教えします。

句会に参加する

 俳句は座の文学です。実際に俳句を嗜んでいる人たちと席を共にして、俳句をやってみると、自分では思いつかなかった言い回しや、感性に出会うことになります。やがて、それらの自分の中になかった概念は、ゆっくりと消化されていき、やがて、自分の表現となります。

 要するに、とても勉強になるのです

 それに俳句をやっている人は高齢者が多いので、若い人が行くと、非常に喜ばれます。手取り足取り句会の流れや俳句を教えてもらえるので、何の心配もなく、参加してみてください。

 コロナもあり、句会に参加しにくいという人もいるでしょう。

 そんな時は是非私が運営している、

 「房州オンライン句会」

 をご利用ください。

 こちらの句会は、完全無料で句会が楽しめます。

 房州オンライン句会紹介記事

 房州オンライン句会句会例

参加希望の方や、ご興味がある方は、

 を、ご記入の上、ポスターメールアドレスまでご連絡ください。

添削をしてもらう

 句会で俳句がうまい人に、自分の作った句を見てもらいましょう。どんなスポーツも、趣味も上達するには先生について教わるのが一番です。

 もし句会に参加できないという場合、郵送で有名な先生に俳句添削を受けられるような取り組みもあります。現代俳句協会という組織では、俳句の初心者教室や、添削指導を行っています。

 また、好きな先生がいたら、先生に直接教えを乞うのも手です。先生が俳句結社を主宰していたら、その結社の飛び込んでみましょう。

 小生が参加している俳句同人ペガサスも会員募集です。興味のある方はお気軽にお声掛けください!

 他には

 歳時記を常に持ち歩く。お気に入りの詩人を見つけて、表現を学んでみるなどもいいと思います。

 でも一番は、とにかく、まずはよくわからなくても、たくさん俳句を作って、数をこなすこと。それが上達へ一番の近道だと思います。バットを振り続けなければ、イチローには成れないように。

 皆様の俳句ライフがより良いものになるため。小生も、お手伝いをさせていただいております。随時、俳句に関するご相談ご質問を無料で受け付けておりますので、メールやコメント等にてお気軽にご相談ください。

 以上です。長文ご精読いただきありがとうございました。

・初心者向け季語一覧表無料プレゼント

 最後に五文字限定歳時記(亀山こうき厳選)をプレゼントします。

 みなさん、これでどんどん俳句を作ってください!

 俳句を楽しんでいきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。また、小生の記事は全て投げ銭形式になっています。お気に入り記事がありましたら、是非よろしくお願いします。サポートやスキも、とても励みになります。応援よろしくお願いいたします!