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(60)サイコ(1960)

本日の懐かしのホラー映画は、「サイコ」(1960)。

アルフレッド・ヒッチコック監督の最高傑作の1本で、自分のオールタイムベスト10本の1作になります。

本作品は、「悪魔のいけにえ」と同じくエドワード・ゲイン事件が基となっています。ゲイン事件を基に、ロバート・ブロックが小説「サイコ」を出版。

ヒッチコック監督により映画化されました。
原作のノーマン・ベイツは太った大男ですが、映画では当時の若手人気俳優の1人 アンソニー・パーキンスを起用。
ゲイリー・クーパーと共演した「友情ある説得」で高く評価され、「緑の館」でヘプバーンとも共演した彼の俳優人生を大きく変える1作となりました。
「サイコ」の後もオーソン・ウェルズの「審判」やバーグマンの「さよならをもう一度」にも出演していましたが、1980年代以降はサイコの続編や「クライム・オブ・パッション」の変態神父の様な病んだ役が目立つ様になりました。

あの有名なシャワーシーンで犠牲になるマリオン役を演じたのは、ジェイミー・リー・カーティスのお母様 ジャネット・リー。
「若草物語」(1949)の時はロングヘアーで可愛かったので、若草物語を観た後にサイコを鑑賞すると、凄惨な役柄にショックを受けてしまうかも知れませんね。

自分が初めて「サイコ」を観たのは、1988年の年末。「年忘れロードショー」という深夜のテレビ番組で放送されたものでした。
放送日当日は、親戚の家に泊まりに行っていたので、翌日帰宅してから録画したビデオで観ました。
小学生の時、日曜洋画劇場で初放送した「サイコ2」を先に観ていたので、マリオンが死亡してしまう事も、1作目のオチについても知っていました。 
当時、中学1年生で気軽にレンタルビデオを利用する経済的余裕が無かったので、地上波放送は願ってもない機会でした。 

それからと言うもの、何度観たか判りません。
映像が綺麗になった廉価版VHSも買いましたし、初めてDVD化された時も発売日に店頭で定価買いしました。Blu-ray・UHDも買い揃えたので、円盤としては一体何枚あるのか判らない位です。(ヒッチコックのBOXやサイコシリーズのBOXもありますので。)
「午前十時の映画祭」で上映した際も、劇場へ観に行きました。

UHD版には、劇場初公開時のノーカット版が収録されていると知った時は、衝撃を受けたものです。
(今まで繰り返し観ていたものがカット版だった訳ですから)
ノーカット版とソフト版の違いは、下記3点です。
いずれも、当時としては過激と判断されてしまったのでしょう。

〈3つの相違点〉
①ベイツモーテルの部屋でマリオンが黒いブラを外すシーン

②ノーマンがマリオンの遺体を片付ける時、手に付着した血を流す為、浴室 の流しへ移動するシーン。ノーカットでは、血だらけの手が映っている状態を長回しにしたまま、流しへ移動します。

③探偵アーポガストがナイフで刺される回数が多い。物語上は特に影響のない部分ではありますが、熱心なファンとしてはノーカット版は貴重な映像であります。

最後に、音楽について触れます。「サイコ」の音楽を担当したのは、ヒッチコック作品で常連だったバーナード・ハーマン。
サントラコレクターを始めた16歳の当時は、一枚に完成された「サイコ」のアルバムを市場で見掛ける事がなく、ヒッチコック作品集の様なオムニバス盤で代表的なフレーズだけ聴く事ができました。
(メインテーマ、本編で最初にかかる曲、殺人シーンの曲、クライマックスの曲辺りが よく取り挙げられていました。)

完成されたアルバムと出会えたのは、19歳の春。
イギリスに旅行した時です。
写真にある白黒ジャケットのCDをイギリスのCDショップで発見し、即購入しました。
その後、VARESE盤がリリースされたので、そちらも購入。「めまい」とカップリングのCDが映画の本来のサウンドトラック音源の様で、オムニバスCDを含めると沢山「サイコ」のCDはあります。

近年の映画のスコアは、曲を聴いても、どのシーンの曲か判らないものが多いですが、「サイコ」の曲は聴いているだけで各シーンが浮かんでくるので、追体験盤としても優れていると思います。
もし、無人島にサントラを10タイトル持って行くとしたら?の1タイトルに「サイコ」もラインナップされています。♪(このネタの詳細は、別機会に。)

オマケ画像は、パンフレット。

オークションで入手しましたが、パンフにしては結構競りました。大好きな作品だったので、負ける訳には行かず、頑張ったものです。😅

ビデオソフトカタログには、「サイコⅢ 怨霊の囁き」まで掲載されていたので、また折に触れ投稿したいと思います。

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