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想いを伝えるときには、自分の主張+αが必要 「舟を編む」を観て

週末は、録り溜めしているNHKドラマ「舟を編む」を観る。
今回は7話目。
50分の放送時間なのだが、娘と一緒に色々なことを話しながら観るので、2時間ぐらいかかる。

「舟を編む」は辞書作りに魂を込めて奮闘する「玄武書房・辞書編集部」の話である。
今回は、紙の辞書の発刊が危ぶまれる話。
辞書編集部の熱い想いだけでは、物事はうまく進まない。
どうしても、紙の辞書を発刊し続ける大切さを社長に示す必要がある。

自分の想いを主張するだけでは、人の心は動かせない。
紙の辞書を発刊するか、デジタルだけでいくかを決定する会議の当日。
ドラマでは以下のものを組み合わせて、自分たちの希望(紙の辞書を発刊すること)を伝えていた。

  1. 主張

  2. メリット・デメリット

  3. データ(根拠)

  4. 自分たちの想い

1.主張
大前提として紙の辞書を作ることが大切であるという立場。

2.メリット・デメリット
普通は、デジタル辞書のダメなところを指摘し、紙の良さだけを主張するところだ。ところが、ここは公平に紙とデジタル辞書の両方のメリット・デメリットを比較していた。

3.データ(根拠)
年々辞書の売り上げは減っているが、長い目で見るとベストセラーであることを示す。

4.自分たちの想い
辞書作りの意義を訴えていた。たとえ出版するのが1社になるとしても、それは最後まで辞書を作り続けた出版社として歴史に残ること。

社長に訴えたのは、これだけではない。
もっと社長の心をゆさぶるものを用意したのだ。
社長が青森出身であることを調べ、書籍の販売が落ちているのを冬の時代と捉えて。

今が冬だとしても、きっと春が来る、ようなことを言及した。氷河期が終わった時代もあったではないかと。

東北の冬は長くて辛いだろう。関東に住んでいる人間よりも、ずっと春を待つ心が強いに違いない。長く厳しい冬のあと、やっと来る春の暖かさ。

「もう、こいつらには負けた」と、厳しい社長の顔が最後に笑顔になった。

☆☆☆

こんな熱い想いが重なって辞書はできているのか。
毎回、「普段何気なく使っている言葉には、他にどんな意味があるのか」と、思わず辞書を引きたくなるドラマなのである。

さらに、この自分たちの主張の伝え方は、私の頭の中で、SEO記事の書き方と重なっていた。


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