しばしのお別れ
いつかは来る日だと思っていたけど、
案外早かった。
というより、かなり早かった。
あと3年、、、いや2年は確実に大丈夫だと思っていたのに。
一日の始まりには、
ハグをして起こしている娘ちゃん。
「かあちゃん、ハグ!パワーをちょうだい」
と甘えているかわいい子だと思っていたのにな。
ゴミ出しをするワタクシと一緒に出た日
「もう、そんな年頃か」と思い知った。
ランドセルを背負って、
通学団の集合場所に歩いていく。
一日のパワーを送ってあげたくて、
自分が一日を乗り越えるためにパワーが欲しくて、そっと娘ちゃんの手を握ろうと手を伸ばすと、いつもならギュッと握り返してくれるのに
今日は、なかなか可愛いおててがつかめない。
あれ?あれ?と思いながら
何度をチャレンジしてようやく気が付く。
「そうか、親と手をつないで歩いているところを見られたくないんだ」と。
娘ちゃんにそっと聞いてみた。
「もしかして、手、ダメだった?」
そうすると、
まっすぐ進む方向を見たまま娘ちゃんは
「ちょっとね、、ごめんね」だって。
自分が忘れてしまった子供時代を追体験するようだった。
娘ちゃんの気持ちもよく分かる。
ふふ、そうだよね。
そうだったよね、ワタクシも。
子どもだった自分が、ワタクシの背中をポンっと叩いた気がした。
恥ずかしい と 大好きなんだよ を混ぜたあの表情。
これまであったワタクシと娘ちゃんをつなぐいくつもの糸が成長とともに数を減らしていくんだろう。
ちょっと悲しく、ちょっと頼もしい。
ワタクシとつないだ糸を誰かとつなぐのだろうな。
そして、彼女の世界を広げセーフティーネットになっていくはず。
次は、息子ちゃんの時に体験するだろう。
少し早く来ちゃうのかもな。
あの表情、切ないけれど
見させてもらえることに感謝だな。
再び手をつないでもらえる日は、
ワタクシがおばあちゃんになった時だろう。
しばしのお別れ。
恋しいな。