初めての要介護認定 面談では大ゲンカ
介護保険で介護サービスを利用するには、まずは行政の要介護認定を受け、介護が必要と判断されなければ受けることができません。
この要介護認定で、介護がどれくらい必要か区分され、その区分によって、受けられる介護サービスの限度が決まります。区分は要支援1~2、要介護1~5の7段階です。
母が認知症とわかり、家事等が自力で出来ないことがわかりましたので、地域ケアプラザ(地域包括支援センター)のすすめもあり、要介護認定を受けることにしました。
母はなんでも自分でできる、他人が家の中に入るのは嫌と言いましたが、この先認知症が進行し、生活に支障をきたした時にすぐにサービスが受けられないのは困るので、「この先、病気になって手助けが必要になった時に備えて、介護認定を受けよう」と説明し、渋々受けることについて同意はしました。
同意はしたものの、母は自分が認知症と認めておらず、今は介護サービスが必要無いと思っています。あらかじめ行政には、「母は認知症と認めておらず、母の前でそれを話すと大変なことになるので、面談ではその話はできない。」ことを事前に電話で伝えました。
その際、面談で話せなかったことがあれば、後で電話で調査員に伝えることもできると説明があり、少し安心しました。
職員の面談当日、早めに実家に到着すると、いつもより家の中は清掃され、母は身づくろいに気合が入っていました。明らかに張り切って面談に臨もうとしています。
市の調査員の質問には、「私は認知症ではない。認知症なら一人暮らしはできない。」「私は一人で生活できる。」“高齢だけど元気”自慢も交えて、何度も繰り返しました。
私としては既に介護が必要な現状を、調査員に正確に伝えなくてはなりません。職員の質問に母が答える度に、現状は違いますと補足する、ことになりました。
やりとりはこんな感じです。
職員の質問:「ご飯の支度はできますか?」
母:「食事は三食、自分で作って食べてます。」
私:「惣菜は出来合いのものを買い、ご飯は電子レンジで
温める“サトウのご飯”を愛用しています。
3食でなく、遅く起きて、1日2食の事が多いよう
です。」
母:「ちゃんと食事は自分で作っている。遅く起きた時は
2食のことが多いかも。」
私:「5年前くらいから、ガスの利用状況を毎日メールで
確認できるようにしており、現在はガスの利用はお
湯をわかす程度で毎度作っている形跡はないで
す。」
母:「なんでそんなことがあなたにわかるの?!ちゃんと
作っている!」
お金の管理ができず、カード会社や東京ガス等から督促状が届いてることを私が職員に告げると逆ギレ。最後は職員の前で「私はお金の管理はできている!」と私と言い争う姿を晒す事態となりました。とほほ…。
介護面談で本人が張り切り、いつもより認知症がわかりにくくなるのは“認知症あるある”のようです。
1ヶ月以上を経て届いた認定結果通知は「要介護1」となっていました。地域ケアプラザのスタッフに連絡すると、要支援になると思ってましたが、介護が必要なことがきちんと伝わって良かったですね、とのこと。
あの大ゲンカが功を奏したのかしら…。ううむ。
3年前に母が認知症とわかった時、郵便物の管理ができておらず、行政からの大事な連絡が未開封のままでタンスの引き出しの中に入っていたり、紛失したり、していました。
行政からの大事な連絡はすべて郵送。要介護認定の結果が母に届いたら、勝手に廃棄したり、これは何だ?必要ない!とお役所に電話をしそうでした。区役所に相談したところ、健康保険、介護保険関係の書面は、私に送るように手配をしてもらえました。
行政からのすべて書類が転送されるわけはありませんが、大事な連絡を把握できなかったり、母に廃棄される心配から解放されました。