認知症の母 脳血腫の手術をする
(「認知症の母 急変し、緊急入院 その2」の続きです)
脳血腫が判明し、緊急入院をした認知症の母。医師からは数日前とかではなく、2~3か月前くらいに頭をぶつけ、少しずつ脳内に血が溜まってきたのだろうとのことでした。
昨年(2023年)の秋にデイサービスからの連絡で足首を捻挫していたことがわかり、本人は「痛くない、大丈夫」と言うものの、家の中で転んでケガをしていたことが発覚しました。別の時期にも身体にぶつけた跡がある、とデイサービスの連絡帳に記載があったことも。そのうち大きなケガするのではと心配していましたが、頭をぶつけて脳に血腫をつくるとは…。一人暮らしはもう無理、と今回の入院で納得しました。
母は緊急入院した4日後に手術をしました。血腫の状態を確認しながら手術をするために、血を抜くための穴の他に内視鏡用の穴も頭蓋骨に開け、局所麻酔で1時間半程度で血腫をほぼ取り除くことができました。
翌日からは軽いリハビリを開始。脳の手術であっても短期で回復できることに、大変驚きました。術後の経過は良好で、麻痺等も無く、母の身体は元気。とはいっても病気の前も自宅で転倒はしており、さらに入院生活で筋力が落ちてしまったので、今週中にリハビリ専門病院に転院し、筋力を取り戻す予定です。
緊急入院をしたその日に、医師から母の病状と共に、「高齢なので退院後に元の一人暮らしに戻るのは無理。どうするか考えておいてください。」と説明がありました。正直なところ、手術できるかどうかもわからない中で、退院時の母の身体の状況の予測がつかないのに、考えろって言われても困る!と思いました。
手術するかどうか分からない翌日にも、看護士から病室で「退院後にどうしたいですか」と質問があり、具体的にはどういうことかと返してみたら、①一人暮らしに戻る、②施設等に入る、③ご家族と同居する、のいずれかをお考えですか、と言われました。家族全員働いているので同居はない、母の術後の状態を見て、元の生活に戻るかどうか決めると答えました。
私の中では母が一人暮らしを続けるのは無理、と決まっていましたが、死ぬまで自宅で暮らしたいと言っている母の前で、認知症とはいえ「施設に入ります」とは答えることはできません。自分にとって大事なことは、母はちゃんと聞いており、印象に残ったことは記憶に残ることがあります。施設に入れられることは、母にとっては牢獄に入れられるような事。母の前で口にすることはできませんでした。