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ワーママのキャリア。ロールモデルはいるに越したことがないんだろうな、と思う。
だいぶ前に「正解を想定してそれに沿う」のではなく、「正解を作る」側に移行していかないと、「アップ」するキャリアの作り方は難しくなっていくだろうな、と書いた。
ロールモデルがいないから、キャリアの展望が描けないというのもまた同じで「正解」はなくても、作ったらいいよと思う。
この記事は、書きたいことを詰め込んで個人的に今読んでも悪くないと思うけども、じゃあ、ロールモデルはいてもいいよね、と思うこともあるのでその話をしたい。
さて、女性のキャリアのロールモデルというとかつては「優秀な男性にも勝つパワフルな女性」というイメージであった。
この記事に書いたような人たち(全員外資系だけど)は、組織のトップに立っているので「女性」が憧れにするには遠すぎるし、仕事ができて輝く「男性」であってもモデルとするには難しい。
そんな方々を「こんなに女性も活躍してますよ」と見せられても、いやいや…!となるのが普通。
そうした人たちは、現時点で経営者または経営者に近い地位にいるため割と年配でもあり、時代的にかお子様もいらっしゃらないことが一般的である。(もちろん、必ずそうとは限らないが)
となると、やはり多くの女性に刺さるロールモデルとは普通の社員から成長を遂げた人や、男性と同じように競争を潜って活躍している人なのだし、ワーママはやはりワーママで頭ひとつ抜けている人を参考にしたいし、育児に重きを置くワーパパは、妻に育児戦力としてパートナー認定されているビジネスパーソンをロールモデルとしたいのは自然だ。
なぜなら、この人が、自分の抱える悩みやつまづきとどう向き合って来たのだろうか?という答えを持っていると期待できるからではないだろうか?
NHK大河ドラマ「光の君へ」では、紫式部が執筆した源氏物語が宮中で人気を博していて、何人もの人が「これは自分の物語だ」と語っていた。
私たちは、自分の気持ちを代弁してくれる誰かをいつも探している。
スーパーエリート女性に「管理職になるにはどうしたらよいでしょうか?これから妊娠も出産も控えています」と相談をしたとき、その人が聞きたいのは…
妊娠や出産で昇進が遠のくのではないか?
どのように、昇進のチャンスを掴んだらいい?
そもそも仕事を続けることはできるのか心配
仕事を続けてももうやり甲斐のある仕事はできないかもしれない恐怖がある
妊娠で体調が悪いし育児でさらに仕事にフォーカスできないかもしれないのに昇進を目指すのは正しい目標なのかわからない
これから何を目標にしたら良いか迷っている
ということが往々にしてある。
スーパーエリート女性は様々な人たちを見て、育てて、管理して来た経験があるからいいアドバイスをくれるかもしれない。
でも、実際には、ご本人から見たらそうした悩みは他人事だったり、短期間に省略されて解決されていたり、とうに済みになっていたりする。
スーパーエリート女性は、若い時からチャンスが到来し、つかむサイクルをくるくるくるくるとスピーディーに回しているのだ。一般人のあたる壁など小枝を跨ぐくらいだ。
通常の人が何年も、何十年も待っても来ない巡り合わせを20代の頃からバシバシ経験している。
その、チャンスを引き寄せたり、掴んだりするやり方を自覚もせず引き起こしていることもある。普通の人は、どんなチャンスがほしいか、どうしたらチャンスが来るのかを悩んでいるのだ。小枝の越え方がわからない。
だからこそ、ハイキャリア女性は特別。
「ふつうの人」の成長の延長線上にいるロールモデルがもしいたら、スーパーエリートの人には可視化されていない悩みの当事者として寄り添えるし多くの悩める人に何か声をあげることができるだろう、と思う。
キャリアの悩みを相談する人が相談する相手が、転職エージェントとかキャリアコンサルタントばかりでなく、同じ会社の先輩ならずっと会社は安全で心委ねられる場所になるだろうにな…
と、いわゆるワーママのロールモデルがありふれていない職場にいると思うのである。
もっと言えば、ワーママはたくさんいてもただそれだけでは不十分だとぼんやり思う。