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部下を昇進させてあげられないという悩み

私には部下がいないけど、部下を昇進させてあげられないことを気に病む人を見ると自分のことのように胸が痛い。

よく聞くのはこんな悩みだ。

なんとかして評価をよくしてあげたいが、部の立ち位置的に後回しにされてしまう

席がなくて同じレベルに滞留してしまう

推薦してもなぜか上で話が通らなくなってしまう

産育休で取り逃がしたチャンスの穴埋めとなる仕事がどうにも見当たらない

など。

成果は出してくれても扱いづらいなどの理由で「上に上げてやるつもりはない」となってしまうシチュエーションに対して、「上に上げてやりたいが難しい」となる場合、なかなか苦しいものである。

繋ぎ止めておくにはどうしたらよいだろう?

そんな風に、上からと下からの圧力のはざまで板挟みになる。

かつて、私が、「この役割を受けるならプロモーションさせてほしい」と要望したもののプロモーションは難しい、となっていき有耶無耶のまま役割だけはスタートして結局プロモーションのないまま全うした時があった。

(最終的に、プロジェクト完了後に異動とともに昇進した)

「プロモーションはさせてやれない」と教えてくれたのは、当時の上司ではなく、その上の上の三次上司で組織長であるアイルランド人のシニアディレクターだった。

それだけ、「残念ながら、君にあげる席はないんだよ」という役どころが負担と技能を要するものだと分かった。

プロジェクトはかなりの労力を要し、途中で降りるのもあり得ない状況のものだったけど、シニアディレクターだけは私にさまざまな助け舟を出してくれた。

例えば

ここのポジションが空くから話を聞いてみたら?

このポジションは一つ上のレベルだけど採用は一つ下でしてくれるかもしれないって聞いたから応募してみたら?

など。

私がプロモーションしたい気持ちとプロジェクトをやり遂げたい責任感の間で葛藤していることも承知して選択肢をわざわざ見せてくれた。

国内に10000人以上雇われている会社だったからそのような芸当ができたのかもしれないけど50人も部下がいるシニアディレクターが私のためにそこまでしてくれるのが驚きだった。だいたい、彼の得になることはひとつもないのに。

逆に上司と二次上司はそういう領域では何もしなくて業務を追っかけているだけで、こうした「人の気持ちを取り扱う」繊細な作業ができるかどうかは管理職の質に関わるのかもしれないなと当時思った。

当時あった選択肢は、転勤を要したり私のキャリアパスとの相性が微妙だったりで縁はなかったけど、「管理職とはなんぞや」を身をもって知るよい経験になった。

上司が部下を現実にプロモーションしてあげられなくても「したいことを示す」「するために動いている」ことが救いになることもある。

頑張りが認められないとか、そのせいで成長機会がない場合部下もしんどい立場にいる。

部下がまだここで頑張ろう、そう思ってもらえたらよいし、「もうここでは頑張れない」と思って旅立ってしまうときも「いい上司だったな」と心の中に残るかもしれない。

逆境で一緒に闘ってくれた上司から学ぶことあれば、後々のキャリアでずっとお土産として持ち歩くだろう。

現に私もそうしている。

苦しい時に共に肩を並べて歩いてくれた人のことは忘れない。(上司だけでなく、同僚でも後輩でも)

誰かのキャリアの思い出にずっと残る上司になるって素敵なことではないだろうか?

✏️別の人。心に残る二次上司。

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