子どもの成長記録。弱視の治療のその後。小2進学間近の冬。
これは3歳のときから4年間、見えづらい片目で生活している息子の話。
3歳でスクリーニングに引っかかり眼科へ。片目が遠視による弱視で、ほとんど見えていなかった。
1週間調整力を弱める目薬を両目にして視力検査をし眼鏡を作り、更に、遠視の目をよくするために、見える方の目をアイパッチで覆って、その上、調整力を弱める目薬を点眼して生活していた。見える方の目を覆うのは1日3時間。それを、4年間。
治療の経緯と経過はこちらにまとめていた。ちょうど1年ほど前になる。
成長に伴い眼鏡を作り替えること3回。
ついに矯正視力1.2が出た。
矯正視力0.9が出てからじつに1年。
先生から次回の定期検診でまた1.2が出たら治療は卒業と告げられた。
子どもの弱視の治療は時間が勝負。
成長が止まれば治療の効果は出なくなる。
効果が出る期間内に治療ができるか、効果が出るかが肝心。
ひょっとして矯正視力1.2が出ないうちに期間満了(引退?)になるかもしれないと覚悟していたので「卒業」と聞かされて、そうか、これで次も1.2が出たら終わってしまうのか、とお払い箱にされるような寂しい気持ちになった。
(親がしているのはタイマーで3時間計測しカレンダーに絵を描いて点眼するだけだけど)
もちろん、出てほしい、ずっとそのために治療最優先でやってきた。
こうして親のしてやられことは一つ減って子どものできることが増えるのは嬉しいことだ。
兎にも角にも、卒業できるよう次の定期検診まで2ヶ月、気を緩めずこれまで4年してきたアイパッチと点眼を続けるだけだ。
ところで、1日のうち3時間も片目を封じて生活するのはストレスなはずだ。それを4年も…よくやっていると思う。
それ以外の時間も、良い方の目は目薬で調整機能を抑えられているのは不便なはずだ。小学校で問題となる発達障害を示唆する特徴に「目でものを追う力が弱い」というのがある。板書や音読や漢字の書き取りができないとかで明るみになるのだけど、息子は目の治療も発達の特性も重なってこの部分が弱い。もし、弱視の治療が終われば少しは板書も追いやすく、音読や漢字の書き取りもスムーズになり、発達問題も軽減されるといいなあと思う。
ところで、0.9から1.0をなかなか突破できないまま1年以上踊り場を経験したことは、息子にとって大きな財産になったような気がする。乗り越えたら自信になるに違いない。
結果が出ないまま面倒なことをやり続けるのは大人でも大変だ。例を挙げるとダイエット、禁煙、節約、あげればキリがない。
私は0.6あたりでなかなか伸びなかったときにとにかくやることだけはやると腹を括ったので焦らず見守ることができた。むしろ、0.9まで行っただけでもありがたいくらいだった。それでもやっぱり、先生から終戦宣言が出るまでは絶対にアイパッチと点眼をやめない、やめさせられないのは、「やらなかったら一生後悔する」と思ったからだと思う。
効果があろうとなかろうとやらないことで「あの時ああしていたら」と一生思うならこの数年くらいはなんてことない。
もし今後、息子が何かについて「何のためにやってるのかわからない、やめたい」と言い出すことがあったら教えてあげることができると思う。やらなくて後悔することかどうかよく考えてごらんと。