国際女性の日。仕事で正真正銘ホンモノのキャリアウーマンに出会って感じたことを徒然に語ります。
3月8日は国際女性の日。
会社では毎年この日に華麗な経歴の女性を招いて話を聞く企画が行われる。
その度に、ある人のことを思い出す。
シャネルのスーツにシャネルの時計。
装いはもちろん、雰囲気までも上質なその人は、前に勤めた会社の同じ組織のトップの女性。つまり外資系企業の役員だ。
海外に不動産があって、休みの日は某高級外車で遊びに行く。
仕事も遊びも超一流。
けど、残念ながら、お休みはそんなにたくさんなさそうだ。年の半分は海外出張だったから(コロナ前のこと)。
その女性は、私が人生で出会った、正真正銘ホンモノのキャリアウーマンである。(ここでは日本人女性を対象にしておく)
とても話しやすくて、いい人だ。
仕事には厳しけれど、優しさがあるし、チャーミングだ。小柄だけどオーラがある。
最近は、女性が企業で活躍する例も聞くけれど、彼女は身近な誰かというより「選ばれし者」に見えた。親しみやすいし、親身になってくれるとてもいい人で、それでいてやっぱり雲の上の人だ。かっこいい。憧れの存在だ。
どんなところが、選ばれし者なのかというと。
一にも二にも類稀なるキャリアだ。
聞くと、始まりは普通の社員だった。
しかし早々に唯一無二の経験をしている。
外資系企業のキーパーソンとして、外国人上司について日本で現場リーダーを務め、外資系企業が日本で発展する上で直接的に貢献した。
それを機に「リーダー」として見出され、リーダー養成ルートに乗っている。海外でキャリアを積み、日本で責任ある役職に就いた。
今の会社でも、リーダー養成ルートに乗った女性を何人も見てきた(多くは外国の人。たまたまかもしれないが、日本人の経営陣の女性は中途採用ばかりだった)。30歳前半でディレクターとか、40歳付近でシニアディレクター、人によってはその後VPといった具合で、文字通り他の社員とは別世界にいるかのようだ。
選ばれるための努力をしたり、
与えられた責任を全うする努力をしたり。
キャリアは本人の努力の賜物であると思う。
それを大前提として。
正真正銘のキャリアウーマンである彼女を見ていると、いわばスポンサーとなる人や、リーダーとして器を形成する環境などが偶発的に整っていたと思う。
それは、誰にでも、いつでも与えられるものではないと思う。
だからこそ、伝えられることがある。
彼女はそう考えているようだ。
女性だからできない、と言われたこともあるそうだ。若いからと仕事を回してもらえないこともあったそうだ。
だけど、できると思ったから諦めなかった。
そう言っていた。
彼女に続く女性が出てくるように、人材の育成に余念がなかったし、ロールモデルになれるよう務めている様が感じられた。
自宅で食事会や飲み会を開催してくれるオープンな人柄で、雑談もたくさんしてくれる。彼女の上司や彼女より目上の人たち(グローバルの役員の人たちだ)の仕事の仕方についても、いろいろと教えてくれた。
近くにいたら、聞いた話だけで本が書けそうだ。
本物のキャリアウーマン。
それは、ただ仕事ができる人ではなかった。
私にとっては、
築きあげたものを常に更新して、
多くの人と分かち合い、
人に何かを与えようとする人だった。
残念ながら私には類い稀なるキャリアの道は拓けていなかったようだ。人として器の小ささをお仕事の神様は見抜いているのかもしれない。それでも、出来ないことも多いなりに、自分の限りある能力を何とか活かして、いま目の前のできることを一つずつやっていこうと思う。
未知の道を切り開いた先人たちは尚のこと、不安の中を一歩ずつ進んできたのだと思うから。
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