気になる「ダブルケア」。必要なのは女性活躍よりユニバーサルな働き方改革?
ここ数年で友人や職場の仲間たちと話すときにチラホラ話題に出るのは「親の介護」。
それもそのはず、私の親も73歳と69歳で立派な高齢者。驚くことにその73歳の母96歳が在宅介護を受ける身。
もはや親世代は誰でも介護されうる年齢帯で、その親も要介護で…。
ちなみにその96歳の子は3名、孫は私含め5名いるがひ孫の人数は3名!孫ひ孫は全員遠方。支える人間が昔の大家族と違って少ない。
子育てに手を出す大人が核家族化や都市への人口流入で足りないと言われている。裏を返せば、介護する人を支える家族の人数も減っていて、介護を必要とする人を介護できる人数も更に少子化で減っている気がする。
その余波は避けられるわけもなく。
子どもの年齢に幅のある母親が集まると「うちは小学校高学年になってかなり楽になった」とか「うちはもう高校生だから本人に任せてる」とか「大学生だからもう子育て卒業近い」なんて話が出る。そして「親の介護が始まった」という話題が出ることも全然、珍しくないのである。
むしろ、子育てと親の介護がバリバリ重なっている人もいる。
子育てと親の介護の両方を同時期にする人を「ダブルケアラー」と言うらしい。
介護とひとくちにいっても状態はさまざまなので大変さはもちろん一概に言えないだろうけど、両方経験した人からよく聞くのは「子育てと違って介護は先が見えない」というのと「突然始まる」ということだった。
そんな、ダブルケアラーの人にどうやって生活を回せているかを聞いたことがあった。
ひとり(女性)は、配偶者が子育てを引き受けてくれ自分は介護サービスを使いながら認知症の実父の通院付き添いをしたり、家を訪れて様子を見たり身の回りの世話をしているとのこと。彼女は、介護を理由に引越しをしており基本在宅勤務。
もうひとり(女性)も、やはり配偶者が育児に協力的で、近くに住む実父の家と自宅を往復しているとのこと。仕事に関しては、在宅勤務と、中抜けをしたりなどフレキシブルに働けること、周囲の理解とサポートで何とか回しているとのこと。彼女はかつてとんでもない仕事量をこなし続けていた。そんな過去の自分の作った貯金に助けられているとも言っていた。
つまり、ダブルケアの人にとっても「働く時間や場所の制約があっても続けられる」ことは、育児同様に生命線のようだった。
ダブルのケアでなくても、男女の独身者で介護をする人もきっと同じだし、男女関係なく今は育児もするしで、働き方改革をしっかりしないと働ける社員がいなくなってしまう。
たまたま聞いた話がどちらも親が近い例だったので、私は自分の親のことを思いかなり憂鬱になってしまった。
私には弟がいて彼は実家へ車で行ける距離にいるけどどれくらい頼れるのだろうか。親に聞くと全く顔を見せないらしくあまりあてにならない気もする。私は、最も早い交通手段でも駆けつけるのに家から5時間弱かかるのでダブルケアはしんどすぎる。田舎できっと病院とか施設とか役所とか、全てが遠いはず。日帰りは厳しそう。
ほんとにダブルケアをやるなら、いよいよ仕事は諦めざるを得ないのだろうか!考えても仕方ないことを考える。下の子が高校を卒業するのは15年後、その時今73歳の親は88歳…。数字の重みがやばい。これはダブルケアも濃厚くらいに考えたほうがいいのかもしれない。
話を聞かせてくれた知人の話では、親も自分も高齢出産でダブルケアになってしまったけど、親の年齢が離れていたから今乗り越えることになって良かったかも、という。理由は、定年退職してから介護がきたら体力気力的に辛いと思うから、と。
これもまたなるほど、と思う。
73歳の親が96歳の介護をするのを見て、その大変さは想像を絶する。
晩婚化、高齢出産化が進み、ダブルケアはかなり身近な話題になっていく。
最近、仕事と育児を両立する法律改正の話題があったけども、子育てだけでなく介護でも働き方の選択肢は必要では?と思う。
まだまだ分からないことだらけだから知らないとな、介護のこと…。