なぜ伝わらないのか?!がよく分かった夫婦喧嘩
「おむつは、チャイルドシートの前のポケットに入ってるから。おしりふきは、切れたので新しいのを持って行って。」
私の発言だ。
完璧に伝わったと思っていた。
だって、そのまんまなのだ。
おむつは車にある。
後部座席のチャイルドシートの手前の、運転席のうしろのポッケに、赤い袋に入っていれてある。ずっと前から、いつもそこに入っていた。いつも、そこに、おしりふき とセットで入っていた。
前の晩、ちびすけをひとり遠くの病院に車でつれて行くに夫そう伝えた。
夫は「おっけー」と言って、新しいおしりふきどこにある?と(おいっ!)探して私に手渡された新しいおしりふきのパックをカバンに入れていた。
それを見て、「よしよし、これで大丈夫」と私は思ったのである。
ところが!
翌朝病院に出発したはずの夫から鬼のような勢いで電話がかかってきた。チャイルドシートにちびすけを乗せて途方に暮れているらしい。背後にちびすけの声が聞こえる。
「おむつはどこだ!ない!」
「は?!」
数日前の私ならキレまくりだ。
だって、チャイルドシートの手前のポッケにあるし。そう言ったし、あるじゃん、いつもあったじゃん!!!!
となる。
しかし、私は冷静だった。
なぜなら、数日前にこの本を読んでいたから。
「おむつがチャイルドシートの手前のポッケにある」
私はそう言った。
自分で、おむつを赤い袋に入れてポッケに入れたから。
夫は、赤い袋を前に「ないない!」と騒いでいる。
「赤い袋があるでしょ、そこに入ってる」
と言ったらようやく気がついた。
夫は何を考えていたのか?
赤い袋におむつが入っているなんて微塵も思わなかったのである。チャイルドシートのポッケに入っているのは、唯一、その赤い袋だけなのに。なぜか?
なぜなら、夫は、おでかけのときいつも私が持ち歩いている「子どもグッズポーチ」を探していたからだ。
そのポーチには、おむつは1枚ほどしかなく、ストローや使い捨てスプーン、お絵描き用の小さい紙や鉛筆や折り紙、ミニタオルとエプロンにしたてる用のクリップ、シールブックが入っている。病院には子どもの喜ぶものがいろいろ置いてあるので私はそのポーチを持たせるつもりはまるでなかった。
しかし、夫は、そのポーチこそが「おむつの所在」とばかり思っていたのである。
おむつの在処をしゃべっているのに、私は「ずっと車に積んである赤い袋」を指して、夫は「私がいつも持ち歩く子どもグッズポーチ」を指していたのである。
だから、あるでしょ!ないよ!という会話になってしまったのだ。
まさに、今井むつみ先生の本に書いてあったことだ。
私は学んだ。
本は、読んで分かったと思っても意味がない。
その知識を活用して、生活をより良く、人間関係をより良く、自分の機嫌をより良くするために使ってなんぼだと。