憔悴しきったメイドインアビス初見勢がボンドルドを語るだけ
昨日事前情報ほぼゼロでメイドインアビスを一気見し、ついさっきnoteに登録したド初心者です。昨日メモっておいた初見時の感想も後で上げたいと思います。
…もう、映画見ていてもたってもいられなくて。ボ ン ド ル ド っ て な ん な ん だ ?
自らを白笛にする狂気
まず、ボンドルドは自分を白笛にしちゃったんですか…?リゼロのペテルギウスの指先みたいなの居たけど、これ意識乗り移れるんじゃなくてコピーできるだけなんでしょ?
「よし、ロボとーちゃん作ったし死ぬか!」ってなるのもう人間じゃないだろ…(アビス公認)
いやほんとにちゃんととーちゃんしてんの止めろ。
「愛…?貴方を利用するために父親を演じていただけですよ。捨て駒は黙っていてくださいねw」
みたいなキャラだったらどんなによかったか。
「愛してる"けど"利用します」じゃなくて「愛してるし利用します」なんだよな…。矛盾だとすら思ってない感じ。
(てかこれ本当に家族愛と言っていいのか…?普通の人間の感覚で見ると、100歩譲ってもぬいぐるみとかに対する愛情にしか見えない。)
でもなんか、リコもナナチも島全体も、やり方は反対だけど一応ボンドルドの恩恵を受けてるから必要以上に関知しないってスタンスなのかな。作品の端々から感じてはいたけど、改めてこの島にとってアビス解明がどれだけ最重要かが伺える。
シリアルキラーではないというヤバさ
実は私は結構倫理観ないキャラを推しになることが多いので途中はハマれそうかもと思ったのですが、良い悪役だなぁとは思いつつ萌えてこなかったんですよね。
何故だろう…と考えたんですが、私は"人間を殺すのが目的なシリアルキラーキャラ"が好きだったんだなって。
ボンドルドはあくまで人を殺すのは手段であって目的ではない、全てはアビスへの好奇心のため。シリアルキラーとは全くの別物だと気付きました。
その異質で歪で狂いに狂った思考回路、そこに魅せられる人がいるのも理解できるのが怖いところ…。
(個人的には、悪人なのに愛した人間だけは躊躇うor殺せないとか、悪人だが仲間は大切にしているとか、悲しき過去があり後天的に闇堕ちしたとか、最期に命乞いしてくるみたいな、めっちゃ人間味溢れてるタイプがLOVE)
私が思うシリアルキラーと真逆なところ。<人間という枠組み>
例えば八代学や吉良吉影やその他のシリアルキラーは、"人間"じゃなきゃダメなんですよ。
それは、ライオンはライオンが一番大事で、キリンはキリンが一番大事という生き物としての根幹、「同じ種族」という本能の枠組みがあるから。
八代に「猫や犬の子供じゃダメなの?」とか、吉良に「デッサン用の手や、義手なんかじゃダメなの?」と聞いたら「ダメ」だと言うでしょう。倫理観は無くとも、人間を人間として見ている。何故なら同じ種族だから。
しかしボンドルドは、上昇負荷無効に必要なものが石ころだったなら石ころ携帯するし、人間が必要なら人間を携帯する、そこに何の差も躊躇いもない。
それだけでもヤバイのに、一番他のキャラと真逆なのは次の項目。↓
ボンドルドは全てを愛している
他のアニメを見ていても「目的のためなら手段を選ばない、その上悪人の自覚がない」キャラは割といました。
でも、大概そのキャラは人をなんとも思っていないんです。人間そのものをただのたんぱく質だと思っているとか、敵対する人間=取るに足らない、愛する必要のないものだと思っているとか。そういう価値観ならどんな手段を取るでも理解はできるんです。
でも、ボンドルドは本気で愛しているんですよ…!!?もう頭おかしくなりそう。
・「自分以外の人間は取るに足らないと思っているので目的のために人を殺す」→人間味は無いが、その価値観なら殺すのも理解はできる
・「人間の大切さも分かっているor相手を愛しているので悪行と理解しているが、それでも目的のために人を殺す」→悪行と思っている点で人間味がある
・「人間の大切さも分かっているor相手を愛しているが、人を殺さずにはいられないので人を殺す」→人間でなければ満たされない点で種族の枠組みの内側で生きている
・「敵だろうが何だろうが全てを愛しているし、人殺しがしたいというわけでもないが、目的のために人を殺すし、それを悪行とも矛盾とも全く思っていない」→?????こわい。。
いくつか例を挙げてみましたが、やっぱり私が見てきた他の悪役キャラは、Aどこかにいわゆる人間味がある か、B人間という種の枠組みの中で生きている か、C行動の理解はできる かのどれかだったんです。(もしくはその複合)
でも、ボンドルドは私が見てきた悪役たちのこの三ヶ条に一ミリも掠りすらしてくれない。つまり、Aタイプ.Bタイプ.Cタイプ.ボンドルドタイプ なんですよ!!!!!!
「ボンドルドが娘に抱く愛はどうしても嘘っぱちには見えない…しかし、躊躇いなく拷問や解剖をしてしまうなんて本当に愛してると言えるの…?」と困惑し、理解できなさすぎて怖くなってネットで色々調べたんですが、知恵袋にこんな回答があったので引用させていただきます。
「アビス自体に人間であると見なされることがなくなったボンドルドの精神活動は人間とは全く隔絶したものです。彼が「愛」と呼ぶものを人間と同じ「愛」であると認めることは人間が抱く尊い感情を冒涜することに他なりません。」
この回答を見て考えていくと嫌悪感が和らぎました。アビスも言っているじゃないか。これは人間ではないんだ。もうボンドルドはアビスの原生生物と同じ"そういう生き物"だと言って良いと思う。
「愛してる人を利用し殺すことを矛盾とも悪いことだとも思ってない生き物だから、愛してる人を利用し殺すことを矛盾とも悪いことだとも思ってない」
「人間が必要なら人間を、石が必要なら石を使う、そこに全く差がない生き物だから、そこに全く差がない」
こうとしか言えない。あれ、小泉構文…?こんな価値観のキャラ初めて見た…。
偽物の愛 だとか 愛してるつもり とかではない。ボンドルドという生き物は、本気で子供たちを、世界を、全てを愛している。
それは人間とは全く断絶された、完全なる別物にしてボンドルドただ一つの愛の形。
………度し難い…。
でも…、でもさ、「閉じろ、ファーカレス」でちょっとグッと来たのは認めたくない。…終わりです。
[追記]
そもそもボンドルドが"悪役"かどうか、を考えたのですが、個人的には「人として見たら極悪人」だとは思います。
大勢の子供たちを拷問し実験にかけ、愛する娘を解剖し道具にする、という手段それ自体はどうあれ最低最悪の行為としか思えません。
しかし、アビス解明の灯火として見たとき、ボンドルド以上は恐らく存在しない。
なので、私の超個人的な見解としては
「極悪非道な英雄」
というのがボンドルドへの認識です。そのためこのnoteでは"ただのサイテーな酷い奴"では語れない様々な側面やキャラクターとしての魅力も理解したうえで、記述としては悪役として扱わせていただきました。もしご不快に思われた方がいらっしゃいましたら大変申し訳ありません。ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?