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歴史総合・日本史探究共通テスト解説 ~大問6~ 2025年

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このnoteでは2025年共通テスト歴史総合・日本史探究の大問6を解説します。

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問1

解答①
あについて、西郷隆盛が私的に発行した紙幣であるので、西南戦争終結によって価値がなくなることに違和感はない。メモからも、西郷札を集めた人物が破滅したことや、資料1の「最早この世に五円だになし」という句かには、西郷隆盛のこの世との縁がないということと、西郷札の価値が5円もないことをかけているのだろう。いについて、資料1には「『朝日新聞』一八九五年」の記事に「総督府に引換を申出づる者随分多し」とある。総督府とは台湾総督府のことであり、朝鮮総督府ができるのは1910年の韓国併合条約以降であるので誤りである。Xについて、地租改正反対一揆を受けて地租を3%から2.5%に下げたのが1877年であり、西南戦争と動燃であるのでXがあっている。西南戦争の戦費を賄うため不換紙幣を発行したことによるインフレ、地租の軽減により政府歳入の軽減に対応するため1880年代初頭に大蔵卿松方正義によるデフレ政策が行われる。Yについて、兌換銀行券発行による銀本位制の確立は1885年である。日本銀行の設立は1882年である。

問2

解答④
①について、資料2に「飯あげ~以外に仕事はなかった」とある。ここから消極的ではあるが単調な仕事で飽きている様子がうかがえる。②について、「英語の古教科書を買い、軍服の下に忍ばせて」とあり、その理由として「こういうものでも見ないと生きていられないような気がしたからだ」とある。隠す必要がある点が読み取れる。③について、年表から1944年に招集後、朝鮮半島に渡っている。この頃の体験が資料2であるので③は正文である。朝鮮では創氏改名などの皇民化政策が行われた。④について、土地調査事業は1910年に韓国を併合した直後から行われている。時期が合わないので誤文である。

問3

解答⑥
Ⅰについて、手塚治虫は戦後に活躍した漫画家である。初の国産連続テレビアニメ『鉄腕アトム』を作成した。Ⅱは満州事変以降の戦前期である。滝川幸辰の『刑法読本』(斎藤実内閣)や津田左右吉の『神代史の研究』が発禁処分となっている。Ⅲについて、『大阪毎日新聞』や『大阪朝日新聞』が100万部を超えるのは1920年代の大正期である。

問4

解答④
GHQによる日本の占領期は1945~1952年である。①は1947年の第一次吉田茂内閣の時期である。ニ・一ゼネストの中止をGHQが中止命令を出し中止になる。その年の総選挙(新憲法制定後初の選挙)で日本社会党が第一党となり、片山哲内閣が成立する。その後1948年に政令201号により公務員の争議行為が禁止される。②について、片山内閣の次に民主党の芦田均が組閣したが、昭和電工事件で総辞職する。③について、第二次吉田茂内閣の成立(1948)頃から冷戦の激化の影響をうけて日本でレッド=パージが行われると同時にGHQの占領政策の転換が行われた。経済復興のためにドッジ=ラインやシャウプ勧告に基づく経済改革が行われ、戦後に続いていたインフレを抑えることに成功した。その反面ドッジ不況と呼ばれる不景気に襲われ、多くの中小企業が倒産すると、国鉄でも人員整理が行われた。これに反対する国鉄労働組合(共産党が支援)が活動を行うという混乱期に起きたのが国鉄三大怪死事件である(下山事件・松川事件・三鷹事件)。④に関して、サンフランシスコ平和条約が発効(1952)した直後、皇居前広場で血のメーデー事件が発生した。これをきっかけとして破壊活動防止法が成立し、公安調査庁が設置された。

問5

解答②
資料3から時期は1971年と分かる。女性参政権は1945年の衆議院銀選挙法の改正によって満20歳以上の男女となっていた。その後の25年で女性の権利を手に入れた女性がどの程度投票を行っているかを調べればよい。なので、あはWとなる。Yは女性がどの政党を支持しているかを調査するのに向いている。いについて、意地悪ばあさんが松本清張を石川達三と間違えてじゃまをしていることが二つ目の注からわかる。なので松本清張は石川達三と同じように女性の選挙権に否定的な人物と「誤って世間に認識されている」状況が想定できる。なので松本清張に対する世間の評価を調べる必要があるので、いはZとなる。


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