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【書評】 柔軟なリーダーシップ FLEX (フレックス) 権威と協調を自在に使い分ける


柔軟なリーダーシップ FLEX (フレックス) 権威と
協調を自在に使い分ける

アルファとベータ - 進化するリーダーシップの新常識 ~完璧を目指すか、永遠に成長し続けるか~

現代のビジネス環境において、リーダーシップの概念は大きな転換期を迎えています。

かつての「強いリーダー」像は、必ずしも今日の組織に最適とは限りません。

本書は、リーダーシップを「アルファ型」と「ベータ型」という2つの異なるモードで捉え、その効果的な使い分けについて詳細に解説しています。

特に注目すべきは、これらが「型」ではなく「モード」として捉えられている点です。

つまり、個人の固定的な性質ではなく、状況に応じて意識的に選択できる行動様式として提示されているのです。

アルファモードは、従来型のリーダーシップに近い特徴を持ちます。

目標達成への強い意志、明確な方向性の提示、決断力が特徴です。

一方、ベータモードは、より協調的で成長志向のアプローチを取ります。

チームメンバーとの対話、継続的な改善、柔軟な適応力を重視します。

著者は、Gmailの「永遠のベータ版」という考え方を例に挙げ、現代のビジネス環境における「完璧」の追求と「継続的な改善」の違いを鮮やかに描き出しています。

完成形を目指すのではなく、常に進化し続けることの重要性を説いているのです。

本書で提示される6つの資質(柔軟性、意志力、感情的知性、真正性、協調性、積極的関与)は、どちらのモードでも重要ですが、その発現の仕方が異なります。

例えば、柔軟性においては、アルファモードでは目標達成のための戦略的な適応として現れ、ベータモードではチームの多様性を活かすための受容性として現れます。

特に興味深いのは、カール・ユングの個性化理論との結びつきです。

リーダーとしての成長は、既存の自己を構築し、時にはそれを解体する勇気を必要とします。

これは、アルファとベータの両モードを状況に応じて使い分けられる真のリーダーへの道筋を示唆しています。

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本書を読んだ感想として

本書を読んで最も印象的だったのは、リーダーシップを二項対立的に捉えるのではなく、状況に応じて使い分ける「両利きのリーダーシップ」という考え方です。

これは、現代の複雑な経営環境において極めて示唆に富む視点だと感じました。

特に、「永遠のベータ版」という考え方は、私たちの成長に対する考え方を根本から変える可能性を秘めています。

完璧を目指すことよりも、継続的な改善を重視する姿勢は、個人としても組織としても持続可能な発展につながるでしょう。

また、6つの資質に関する具体的な解説は、実践的で示唆に富んでいます。

特に、感情的知性と真正性に関する議論は、現代のリーダーシップにおいて極めて重要な視点を提供しています。


本書を特におススメしたい人

- 組織のマネジメント層で活躍されている方

- これからリーダーとしてのキャリアを築こうとしている方

- 従来型のリーダーシップに限界を感じている方

- スタートアップや新規事業の立ち上げに関わる方

- 組織の変革に携わるコンサルタントの方


本書とあせて読みたいおススメの書籍

1. 『マインドセット:「やればできる!」の研究』キャロル・S・ドゥエック著

2. 『両利きの経営』チャールズ・オライリー、マイケル・タッシュマン著

3. 『心理的安全性のつくりかた』石井遼介著

4. 『学習する組織』ピーター・M・センゲ著


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本書のまとめ

本書は、現代のリーダーシップに必要な新しい視点を提供しています。

アルファとベータという2つのモードを理解し、状況に応じて適切に使い分けることで、組織をより効果的に導くことができます。

特に重要なのは、これらのモードは固定的なものではなく、意識的に選択できるという点です。

継続的な成長と完璧の追求という異なるアプローチを理解し、それぞれの状況に応じて最適な選択をすることで、より効果的なリーダーシップを発揮することができます。

最後までお読みいただき、ありがとうござい ました。よろしければ、フォローと「スキ」(❤)をお願いします!


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