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よく話す人との接し方について

前回は「お客様には話しかけないで放置すべし」という話をしました。

ただもちろん実際の営業中というのはそんな一筋縄ではいかないのが現場というものです。

そもそも「話がしたいから来る」という来店動機の人も確実に一定数います。

そういう人に対して「放置」はそれ即ち「無視」になるので当然よくありません。

特に創業当時の店内がまだ閑散として暇でしょうがない時に私も何人かの常連さんと結構話込んだりしましたし、それがまた良い思い出だったりもします。

ですから状況が許すのではあればどんどん話せばいいと思っています。


この際の注意点をいくつか挙げていきたいと思います。

あくまでもこちら側のスタンスは「放っておく」・・・話しかけられたら対応する、受け身の姿勢でいること。

例えば服を買おうとお店を見てたらグイグイ来て話してくる店員さんがいたら私はそのお店を出ます。

でもいくつか一通り見たあと絶妙なタイミングで「よかったら試着してくださいね」とサラリと言ってくる店員さんがいると今度はこっちからいろいろ訊いたりしたくなります。


カフェの場合、特にカウンターに座るお客さんの中に「喋りたいから座る人」と「本当は喋りたいけど自分から突破口を開きたくなく店主に話しかけられるのを待つ人」の2種類のタイプがいるということは踏まえておきましょう。


「とにかく喋りたい人」とは普通に対応すればいいだけです。

そうじゃない人で「話しかけられるのを待っている人」と「独りにしておいてほしい人」はどうやって見極めるのかといいますと、まず何より「独りにしておいてほしい人」はスマホなり本なりパソコンなり何かをさっさとし始めます。

もっと言うと既に先方からは「話しかけるなオーラ」が出ていたりします(私は床屋や美容室や洋服屋ではバチバチに「話しかけるなオーラ」を炸裂させています)。


スマホも本も見ることもなく、ジ~っとしている人やまたは「ここは定休日はいつですか?」とか「トイレはどこですか?(※10~15坪の店内でトイレがわからない構造のお店はまずない中で敢えて訊いてくる)」とか、メニューの「オススメは?」とかを訊いてくるような人がいたらおそらくその人は会話を望んでいる人です。

他にも珈琲文明の場合「コーヒーはサイフォンのままお出ししておりますのでご自身で注いでお飲みください」と言って提供するのですが、その際に「え?どういう風に注ぐんですか?」とか「ここをこうすればいいですか?」とかの切り返しが来る人はやはり少し話すほうが喜んでくれたりします。

こうしたお客さんとはある程度話せばよいと思います。


次にこうして話すようになり、無事常連さんとなり、その後のこちら側のすべき行動を言います。

会話を欲しているお客さんがテーブル席に座った場合・・・まずこの時点で店内に誰1人他にお客さんがいない場合は距離があっても大き目の声で和やかに話しましょう。

ただし、1人でも店内に他のお客さんがいた場合はそのテーブルの前まで行ってカウンターで話す時の声量で話すようにしてください。

この時どんなに即答出来そうな質問を投げられても距離を空けて声量を上げて対応してはいけません。

場合によっては何度もそのテーブルの前まで行ってから話す、という行為をひたすら繰り返してください。

そうすることでお客さんに「あ、マスター(ママさん)は他にお客さんがいる時と誰もいない時では対応や声量が変わるんだな」ということが刷り込めたならば幸いであります。

それでも一切の空気を読むことなく距離があってもひたすら話続けてくるお客さんの場合は注意しますが、統計上そのタイプは次回以降は必ずカウンターに座ってくれるようになります。


次にこれが実は最も重要なポイントかもしれないケースを紹介します。

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