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​【あ!】の魔力

前回サイレントロイヤルカスタマー(SRC※ちなみにこれは私の勝手な造語なので正式な略称でも何でもありません(笑))の方だけに贈った手紙のことなどをご紹介しました。

いずれも創業後5年、10年といった単位で歴史を重ねれば重ねるほどにその方たちとは絆レベルに昇華出来るため効果的なのですが、これから開業するという皆さんにとってはさしあたっての即効性はないと思われるため、今回はもう少し開業後まもなく使える魔法のような破壊力を持つ秘奥義をお伝えします(なんだか胡散臭い流れになってきてるので、あらかじめ言うと「即効性」はやはりないですが、開業後一か月過ぎたあたりからは必ずや使えるものです)。


まずそのことを述べる前の大前提として皆さんにオススメしたいお店での接客スタンスのことをお話しします。

接客スタンスはズバリ、お客さんを「ほったらかしにする」のがベストです。


会話をするなということではなく、むやみやたらとこちらから話しかけないということです。

「カウンターに座るお客様は話好き」ということは統計的には多いかもしれませんが、仮にカウンターのお客様に対しても基本スタンスとしてはこちらからは話しかけないのがベターです(そういうお客様はきっとそれでも話しかけてくるでしょうから、そしたらもちろん話せばよいです)。


この件につきましてはとても重要なことなので、いずれまたしっかりと言葉を尽くしてその重要性は説いていくつもりではございますが、いったん今日はこの「接客は放置」を大前提として話を進めますね。

さて、ここからが今日の本題なのですが、「話しかけない、放置」を基本姿勢としていると、もちろん店主とお客様との相互の関係は薄くなりがちです。


スナックのママさんと常連客のそれとは比べるまでもありません。

でもこちらから話しかけないと同じように「話しかけてこない」というお客様がいかに尊い人であるかということもそのうちまたゆっくりお話ししますが、とにかく「話しかけない、話しかけられない」それでいて確実に常連さんと呼べる人、それが即ちSRCでありお店にとっての宝なのであります。

さて、この普段会話を交わさない、どこの誰だか名前も職業もしらない相手と一気に距離が縮まる一撃必殺の秘奥義、お待たせしました。

それは「あ!」です。


お客様が来店すると店主は「いらっしゃいませ」と言います。

その後に続く常套句はお店ごとに変わってくるかもしれません(珈琲文明の場合は「お座りになってメニューをご覧になってお待ちください」と続きます)が、何はともあれ「いらっしゃいませ」が第一声であることに異論はないことでしょう。

でもここでSRCの人に対しては「いらっしゃいませ」の前に「あ!いらっしゃいませ」と「あ!」を付けるのです。

このたった一言(というより一文字、一音)というのがミソです。

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