価格改定改編の具体例
(この記事は 2021年9月に書かれたものを再投稿しています。)
これから開業しようとしている皆さんは価格のことや店内注意事項その他クレド(信条)など取り決めていくことになると思います。私は15年前にもちろんそういうことはしましたが、この度の価格改定によりメニューを刷新することになり、今一度注意事項等も見直してリニューアルすることにしました。
ここ指南書では過去に私が実際にやってみて上手くいったことはもちろん失敗したこと(実はこっちのほうが大事)などを主に書いていますが、今回は今まさに私が自分の店でこれから(10/1から)始める値上げや新注意事項や豆売りのことなど、私自身も不安でいっぱいであり、これがどういう結果になるのかは未知数の事柄をここで敢えて発表しておこうと思います。
結果が見えていない、あくまでも現場からの実況ライブ配信のようなものです。
今現在既にお店をやられて価格その他いろいろと刷新しようという方にはもちろん参考になると思いますが新規開店の方にもそれなりに有益なことになるかと思います。
それでは「珈琲文明秋のレボリューション」(笑)全貌を発表します。
まず価格改定後の新メニューにつきましては前回の「価格設定について(後編)」に掲載してあるのでそちらを参照してもらうとして、そこから更に最終変更をした商品がありますのでそれら変更点のみ述べます。
まず「グランクリュ特級農園コーヒー」というひと際高価格の豆の扱いを終了しました。
これはひとえに卸価格がとんでもなく高騰したためおそらくメーカー、店舗(うち)、消費者誰も良い思いをしないということからこれを機に廃止しました。
これは実はかなり前から考えていたことであり、この際問題となるのが「ポイントカードで30ポイントに到達(全制覇)した人はグランクリュ特級農園コーヒーが飲めます」という特典のことです。
このことも相まってポイントカードを3か月ほど前に新規発行を廃止しました(廃止理由はそれだけではありませんが)。
新規発行はないが「現在お持ちのお客様は永久に使用できます」という文言と「30ポイントのお客様は店内全てのメニューの中からどれでもお好きなもの一品をプレゼントします」と書くことにしました。
現在ポイントカードを持ってる人がグランクリュ特級農園コーヒーの権利を使える期間を猶予を3か月間与えたということもあり今後「え?もう特級農園ないの!?」という人はかなり少なくなったはずです。
ところでそもそも何故当店がグランクリュ特級農園コーヒーという卸値が高く利幅も小さく、お客さんには高いものをメニューに据えたのかといいますと、まずは話題性と、もう1つこれも重要なのですが、「ハイソ向け」「ハレの日のお客さん向け」のような意味がありました。
「ん?なんか凄そうなコーヒーがあるな、まぁ千円いかないわけだし、どうせならこれ飲んでみよう」という人や、「デートで来たカップルで彼氏がその店の最も高いメニューをオーダーしようという気合を見せる(笑)時にあるとありがたいブツ」だったり「今日はとてもめでたいハレの日だから贅沢しちゃおう」という時のためやあとは単純に「ハイソ向けメニュー」の存在は重要なのです。
もちろんそのブツが何でもない普通の商品でただ値段だけ高いみたいな詐欺まがいのものはすぐ見抜かれる(というよりも公明正大ではない)からやめたほうがよくて、それなりの極上のものを仕入れる必要もあります。
ひとつ物凄い内情を暴露しますと、珈琲文明でのこのグランクリュ特級農園コーヒー(880円)が1杯売れる利益よりも文明ブレンド(630円)1杯のほうが利益が多いんです。
それくらいに仕入れ値もかなりの高額なのが当店のグランクリュ特級農園コーヒーでしたが、今回のコーヒー豆の世界的高騰を機にいったん見送ることにして、その代わりといいますか、シングルオリジン(単一農園銘柄)をこれまでの700円から一気に780円にして当店の最高金額メニューに据えました(※下記写真参照)。
もちろんただ高いだけではなく、農園そのものは間違いなく「特級」そのもので、例えば10/1から投入するシングルオリジンはブラジルのカルモデミナス村のものです。
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