厨房はコックピット
今回は店舗内における心臓部分、「厨房」の設計について述べてみます。
厨房に関しては1にも2にも「機能性」を重視し、その次に「店主にとっての居心地の良さ」も大事です。機能性というものを簡単に言うとそれは「コックピット(操縦室)」をイメージしてください。飛行機の操縦室、つまり飛行中の操作にいちいち立ち上がったりしてる場合ではないので、必要とされるボタン全てが手の届く範囲に位置されている、というあれです。
厨房の理想も「全てのものが手を伸ばすだけで届く場所に位置している」ですが、さすがにそれは難しいので、「全てのものが2歩くらいの移動だけで到達する」としておきましょう。
ということは厨房があまり巨大である必要はないということです。もちろん結果的に広くスペースが「取れちゃう」場合、それはそれで十分条件で、その広い部分は作業台や冷蔵庫が占めればよいと思います。
それではカフェでの一般的作業工程を挙げてみます(珈琲文明の工程を例にします)。
コーヒー豆を計量し、挽き、ロートに差し込み、サイフォンに入れる
カップ&ソーサー、コーヒー用ミルク、のセット。
その他のスイーツ等のオーダーを作業台付きコールドテーブルから出し、生クリーム等のトッピングをする。
そうこうしてたらお会計のお客さんがレジに来る。
まず1.の「豆の計量&挽く」から「ロートに差し込む」は一歩も動いておらず、軸足を固定し、半回転しただけの動きで、1.から2.は半歩、3.から4.は一歩です。
そんなわけで厨房内の工程全てが最大でも2歩圏内での動きになります。
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