見出し画像

​ヒット商品は狙って生み出せる


前回は「だからぜひ皆さんの店舗でもドリップバッグを導入しましょうということではない」と締めくくりました。

あくまでも「再現性の高いメソッドを活かす」という部分が結論であるため、ドリップバッグは事例の1つとして捉えてみてください。

赤澤メソッドの中でおそらく1,2番を争うほどに重要なポイントとして、「少しだけ上回るべし」という考えがあります。

その「少しだけ上回る」を考える前にまずはその世界でのあらゆるスタンダードを探ることから始めます。

人間の体温は37℃超えると明らかに熱があるなぁと感じてしまうということ。

ビールのアルコール度数は5%を超えると明らかに「強い」と感じてしまうこと。

こうしたその世界その世界での標準値、基準値のようなものは存在します。

コーヒーでいえばカップ一杯あたり10gというのが標準値です。

そこでこれらの標準値を少しだけ上回る(時に大幅に上回ることも大事)ということをするのがポイントである、というのが重大メソッドです。

そんなわけで私はこの度ドリップバッグでも他の多くの(本当にたくさんの)メーカーのドリップバッグのコーヒー粉のグラム数を調べまくりました。

ほとんどが7〜10gあたりに落ち着いており、私が見た中で最多は12gでした(※一部25gという驚異的なものがありましたがそれはマグカップ用でした)。

そこで私は業者(三洋産業さん)に「13gを入れることが物理的に(または予算的に)可能かどうか」を問いました。

先方でOKが出ました。

もちろん濃ければいいということでもないわけで、さらにペーパーフィルター上に乗りきらない量であるとか企画サイズを超えて異なるカートリッジにするとなるとコストがかかるためそのギリギリの部分かつ「業界最多容量レベル」ということを謳い文句に出来る量が13gだったのです。

さらにブレンドするコーヒー銘柄に関しては「ロブスタ種(インスタントコーヒーや缶コーヒーによく使用する質の低い、安い銘柄)」を使用しないことはもちろんのこと、スペシャルティコーヒーの重要な要素である「どこの農園からのものなのか」という出処がハッキリしているものを使用したいというこちらの希望を先方に伝え、かつザックリした個人的な希望(これぞコーヒー!というような超有名国、ブラジル、コロンビア、インドネシアというトラディショナルな味わい)もさらに伝えました。

ここでもう1つとてもとても大切なことがありまして、それは今ここにこうして書いたことつまり「コーヒー粉は業界最多容量を使用」していることや「これこれこの国のこの農園の銘柄をブレンドしている」こと、さらにはこれまで散々試飲してきた他メーカーのドリップバッグの感想等も含め、私自身が様々な試行錯誤を繰り返したストーリーをそのまま記述した案内文を作るということであります。

販売開始した2月の当店のニュースレター(文明通信)に書きました。

店頭や店内に設置して閲覧できるこの文明通信を例えば店内でコーヒー飲みながら読んでいたお客さんが「業界最多容量レベルの13g?ちょっと飲んでみようかな」となり次々と買っていってくれました。

こうした文明通信の「能書き」を読んだことにより飲んでみたくなったということです。

さらにもう1つ「爆売れ」した重要なポイントがあります。

ここから先は

921字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?