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孤独なワンオペだからこそ「賞」や「記録」を設定する

会社組織にいると否応なしに「評価」というものが客観的に下されます。
さらにはそれに対してボーナスや昇給といった褒賞もあれば降格や左遷といったものもある、いわば「アメとムチ」が備わっているのが組織というものです。
従業員をかかえる飲食店もそういうことはあるかもしれません。
ただしここカフェラボで推奨するような「ワンオペオーナー個人店」の場合、そういうことするとするならばそれは自作自演ということになります。
その際ポイントはあくまでもオーナー、経営者としての目線で「どういう結果を出したならあなたのお店にとって最高に喜ばしいことなのか」を真剣に考えてみることです。
そしてその結果を達成したならばしっかりとご自身に対して「褒賞」も用意するのです。
この話をする前にいったん私の前職「学習塾雇われ教室長」時代の話をさせてください。
私がいたのは教室数生徒数において全国No.1の学習塾チェーンでして、私はそこに入社して早々に左遷(そう左遷です)され山梨県の教室に配属となりました。
その際に私は新聞へのチラシ折り込みや宣伝は全て会社がやってくれて、しかもそれによって入会する生徒がほとんど全て(もちろん生徒間でのクチコミもその後ありましたが、私が赴任した大月教室というのは新規オープンの教室でした)でした。
自分もちょっと頑張ってみようと思い、休日返上で地域の住宅を回りチラシのポスティングなどもしてみました(本部からのお達しではなく完全自主的に)が結果は振るわずでした。
当初から私は「いつかは自分で何かをやりたい、起業したい」と思っていて、自分が今置かれている仕事でもある意味「経営者目線」で考えるようにしていましたので、こうして新規獲得システム(新聞折り込みチラシを数万枚単位でやってくれる等)を本部がやってくれてるのはまったくもって当たりまえではないなと思ったんです。
と同時に、じゃあ自分に出来る最大の貢献は何だろう?と思って考えた結果が、「入会した生徒を退会させないこと」に熱量を注ぐことだと思いました。
他の教室長は学校の校門前で消しゴムや鉛筆を配ると共に「入会金無料キャンペーン」のチラシを捲いたりしていましたが、私はそうした「新規獲得」という行為よりもとにかく「入会した生徒をいつまでも塾につなぎ止めておく」というほうに熱量を全振りしました。
結果として「半年間1人も退会者が出ない教室」という我がグループ内では前例のない記録を立てたことでさすがにそのことが社長のところまでも話が届き、全社員の前で「何をしたのか」みたいな報告発表会みたいなものもさせられました。
私のこうした考えは生徒に対してのみならず募集した講師に対してもそうでした。
応募して面接に来た講師に対して「きっとコンビニやファストフードのバイトのほうが結果的に割が良いと思いますし、こっちはもっと大変な仕事ですよ」とマイナス面を散々アピールすることにしていました。
とにかく生徒にせよ講師にせよ「入ってきた」ところがあくまでもスタートでそこからそこの場所、空間が居心地よくて遣り甲斐のある環境を作り上げていくということに心血を注ぎました。
「退会者が限りなく出ない教室」ということへの会社からの具体的な報奨金等は無かったのですが、結果的には自分の教室が山梨、群馬、栃木等含めた北関東全部の中で最多売上の教室になったこともありそれゆえのわかりやすいボーナスインセンティブはたくさんゲット出来ました。
でもやはり自分自身の中での充足感や達成感は断然「退会者を出さない」つまりアウトプット阻止のほうでした。
さて、話を戻します。
ワンオペ個人店のオーナー、つまりあなたがそこで働くスタッフ(これもあなた自身)に対してどういう働きっぷりをしてくれたらオーナーは最も喜ぶのか?ということについて考えます。

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