ひとつの文字に込められた想い「詩人キム・ソヨン 一文字の辞典」キム・ソヨン著、姜信子監訳、一文字辞典翻訳委員会訳
文学ラジオ第78回の紹介本
ひとつの文字に込められた想い
「詩人キム・ソヨン 一文字の辞典」
キムソヨン 著
姜信子 監訳、一文字辞典翻訳委員会訳
クオン
《詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通して人生のさまざまな時間、情景、感情を描いたエッセイ集》と帯より。本書はハングルを知らなくても大丈夫。私的で詩的な言葉の数々は、何かと心に残るものばかりでした。キム・ソヨンさんの言葉や詩に触れていると、これは自分のために書かれた辞典なのではと思えてくるほどでした。
ラジオでは本書で紹介されている310個の言葉からダイチとミエがそれぞれ好きな言葉のトップ5を発表しています。また、テーマトーク「あなたの一文字の辞典は?」では二人にとっての一文字辞典を考えてみました。皆さんにとっての一文字辞典もぜひ教えてください。
以下はラジオでは触れなかったのですが、好きな言葉なのでここに記します。
◯庭
遠い日の写真のなか、幼かったあの頃にだけ存在する背景。
◯密/蜜
ときには甘さを、またときには隠しておきたい秘密を意味することからして、より甘いものは秘密になるべきで、秘密は秘密になる瞬間がなにより蜜の味がするということだ。
◯種
そのなかに何が入っているのか割って確かめるのではなく、植えて、水をかけて、育てて、確かめるもの。
◯義
これを守るということは、似た者同士のつながりを守るだけのことにすぎない。
◯トーン
トーンが高いと軽く見え、トーンが低いと真面目に見える。トーンが一本調子だと退屈になり、トーンが変幻自在だとドラマチックになる。
本書は今年の日本翻訳大賞の最終候補5作の一つ。次回の番外編では日本翻訳大賞の受賞予想をしています。
本書のあらすじ
人は誰も自分だけの人生という言葉の辞典を持つ
詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通して
人生のさまざまな時間、情景、感情を描いた
私的で詩的な一文字の辞典
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