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第186回 激動の古代エジプトでその生涯を孤独に生きた者『エジプト人シヌへ 下巻』ミカ・ヴァルタリ著 (ゲスト:翻訳者 セルボ貴子さん、みずいろブックス 岡村茉利奈さん)

文学ラジオ第186回の紹介本
『エジプト人シヌヘ 下巻』ミカ・ヴァルタリ著、セルボ貴子訳、菊川匡監修(古代エジプト美術館ファウンダー)、みずいろブックス 2024
⁠⁠https://sites.google.com/mizuirobooks.com/home/%E6%9B%B8%E7%B1%8D?authuser=0#h.qewewd9jd7af


前回に引き続きゲスト回!

今回も翻訳したセルボ貴子さん、版元のみずいろブックスの岡村茉利奈さんをゲストに迎えて、この壮大な作品の魅力に迫っていきます!

【今回のトピックス】

前回に続きゲストは二人/政治闘争や戦争に巻き込まれる下巻へ/ネタバレなしで下巻のストーリー紹介/突然訪れる死への虚しさ/シヌへの孤独と自己対話/ホルエムヘブとアジルの男らしさ/交渉で感情が高ぶると服をやぶる/登場人物の一人称や話し方を決める苦労/ミカ・ヴァルタリの小説に親しめる翻訳/アメン神とアテン神が争う宗教改革のリアルさ/理想通りの社会にならないのが現代とも重なる/20回読んでも飽きない/10代含めて誰しもが楽しめる/次回予告

激動のエジプトで翻弄される主人公の運命に、ページを捲る手が止まらない! 文豪ミカ・ヴァルタリが描く歴史超大作、ついに完結!

フィンランドが誇る文豪、ミカ・ヴァルタリが放つ歴史超大作『エジプト人シヌヘ』。
先週に引き続き、今週は下巻をご紹介しました。
医師として生きる主人公シヌヘが、運命に翻弄されながらも懸命に生きる姿を描いた、壮大な人間ドラマ。
ついに物語はクライマックスを迎えます。

「上巻は冒険譚、下巻は人間ドラマ」

パーソナリティのミエが語るように、宗教改革や戦争に巻き込まれるシヌへたちがそれぞれの運命を辿る下巻は、上巻とはガラリと雰囲気が変わります。

「上巻はワクワクドキドキ、下巻は読みごたえがすごい」
セルボ貴子さんもそう語るように、シヌヘの冒険譚から一転、エジプトを舞台にした権力闘争や宗教改革、そして戦争といった歴史的な出来事に巻き込まれていく人間ドラマが描かれます。

物語は、ファラオが変わったことで、テーベの街でアテンという神を信仰する者と、従来から信仰されていたアメンという神を信仰する者たちの対立が激化するところから始まります。
誰もが平和に暮らせる理想郷を求め、アケトアテンという街を建設するアクエンアテン。
しかし、彼の理想は現実の壁に阻まれ、様々な歪みを生み出していきます。
そして、シヌヘもまた、政治的な陰謀に巻き込まれ、苦悩を深めていくのです。

「泣ける…!登場人物たちの最期」

下巻では、シヌヘを取り巻く人々が次々と命を落としていきます。
それぞれの登場人物たちが抱える思いや葛藤が詳細に描かれ、彼らの最期は読者の胸を締め付けます。
特に、アクエンアテン、アジルといった魅力的なキャラクターたちの最期は、涙なしには語れません。

「シヌヘの孤独、そして人間とは」

「全てを手に入れたように見えても、人は結局生まれた時、そして死ぬ時は一人」
セルボ貴子さんがそう語るように、下巻ではシヌヘの孤独というテーマがより深く掘り下げられます。
権力闘争に巻き込まれ、愛する人を失い、孤独に打ちひしがれるシヌヘ。
彼の姿は、私たち自身の人生を映し出しているかのようです。
そして、物語のラストでシヌヘがたどり着いた境地は、読者に深い感動と共に、「人間とは何か」という根源的な問いを投げかけます。

「まるで現代社会を見ているよう」
「宗教改革や政治闘争など、現代社会にも通じるテーマが描かれている」
ミエがそう語るように、本作には現代社会にも通じる普遍的なテーマが散りばめられています。
理想と現実のギャップ、権力者の欲望、宗教対立、そして人間の愚かさ。
3400年前の古代エジプトを舞台に描かれた物語は、現代社会を生きる私たちにとっても多くのことを教えてくれます。

まとめ

『エジプト人シヌヘ』は、歴史小説としてはもちろん、人間ドラマとしても深い感動を与えてくれる作品です。
ぜひ一度、この作品の世界に触れ、シヌヘと共に古代エジプトを旅してみてください。

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