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2024「文学フリマ」での気づきと、今後の可能性…この一年を振り返って

2024年もそろそろ終わりに近づいてきて、一年の総括めいたことを考えてみたりすることも多くなってきた。

2023年夏に30年以上勤務した新聞社を退社して、フリーランスに転じてから1年半近く。軌道に乗っているといえるのか、分からないけれど、日々、時は流れていく。

この1年を通じて、継続性をもって続けてきたもののひとつに「文学フリマ」への参加がある。2021年秋に文学東京に初参加してから、3年半が過ぎて、なんとなくルーティーンのようになっている。当たり前のように出店している感じではあるのだが、毎回、考えさせられることは多い。年末というタイミングでこの際、このイベントに出展者としてどのように向き合っていくか、を考えてみたい。「ひとりブレインストーミング」をやってみたいと思う。

従来の出版ルートに頼らずに、自主制作のZINE、同人誌を販売できる場として規模は拡大する一方だ。「東京」では、今年秋の回からは、東京ビッグサイトに会場を移し、さらに巨大化した。出店数は約2,300、参加者は15,000人を数えたという。

流通センターで開催されていた時は、会場が複数に分散していたものが一つにまとまったことで、他のブースを訪ねるのは便利になった。ただ、参加者数の増加で、混雑の度合いはさらに高まったようではある。

主にSNSを活用して出展宣伝していて、noteやXなどをチェックしてあらかじめブース番号を把握して足を運んでいただいた人は多いと思う。巨大な会場でブースの場所にたどり着くのも大変な状況の中、ありがたいことだと思っている。

その一方で、今回ちょっと印象的だったのは、たまたま通りかかって、「あっ、何? 知ってる!」という感じで、偶然ブースを見つけてくれる人が3、4人いたということ。イベントがどんどん巨大化している中でのことだ。その時は、「本当ですか?」というリアクションをするほど、かなり驚いたのだが、もしかして、「カフェバグダッドの認知度がそれだけ上がったということなんだろうか?」とも後になって思った。

そうして考えみると、文学フリマでブースに立ち寄ってくれる方々を、大きく分類すると以下のようになるのも知れない。

①最初から目指して来てくれた人

②たまたま通りかかって寄った人(カフェバグダッドをすでに知っている)

③たまたま通りかかって寄ってくれた人(知らない)

この3分類。
①は、いつも立ち寄ってくれている人、あるいは、事前にSNSや文学フリマの公式ウェブカタログでチェックしてくれた人。

②は、さっき「驚いた」と書いた、カフェバグダッドを知っていたけれど、目指して来たわけではなくなく、たまたま見つけた人。

③は、カフェバグダッドについてまったく知らず、通りかかった足を止めてくれた人。

分類してみると、この3者はかなり違う人たちだ。特に、②と③のギャップは小さくないと感じる。このうち、どの層を重視するとか、そういう話ではないのだが、それぞれにアピールするための手法は異なるような気はする。

こうしたマーケティングのようなことを意識的にやっているわけではないし、やる手腕も能力もあまりないと思うが、来年は、「客層」にもう少し意識的になってみようかとは思っている。

こうした話は、ZINEを売る場所としての文学フリマの議論になるが、その目的だけで参加しているわけではない。出展者同士や来場者との交流は楽しい。むしろそれが一番の目的ともいえる。時にひとりよがりになりがちな、ZINE作りへのフィードバックを得たり、新たなつながりを築けることも、大きな魅力だ。

それにしても、文学フリマ、特に東京では来年も、ますます規模拡大が進む一年になるのだろうか。出展申し込みの競争が激化して、希望のスペースを確保することが難しくなったりすることもあるのだろうか。

また今後、イベントのチャネルの多角化という方向性に踏み出す可能性もあるのだろうか。例えば、オンライン展示の併設や、開催場所の増加などもあるかも知れない。

あるいは、「おもしろ同人誌バザール」が次回の4月の回で、「未来会議」という名の出展者の交流会を計画しているようだが、そうした出展者間の交流を促進する仕組みを取り入れることもありうるのだろうか。

いずれにしても、来年も文学フリマの新たな可能性に期待したいし、自身での可能性を模索していきたいと思う。

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