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友達と演劇と音楽とご近所とキックボクシングと - 特別ばかり求めない2020 - 1月3記

早いもので令和二年も3日め。まだ三が日だと思うけれどもう三日目。

帰省を1.5日で挫折した自分にとっては、1月3日を自宅で過ごし始めるということは、ここ数年では少しだけ珍しい出来事でもあった。とはいえ、「自宅最高に落ち着くですな」とでも言いたいところだけど、外に出てしまう。

自分は、基本的に空格の時間が苦手で、考え事も何かやりたいことも次の予定も、動きながら考える癖がある。

パズルゲームのように、「今の時間」と「イベントごとの開始時間」と「今いる場所からの距離」を頭の中でパズルのように組み合わせながら「何をしようかな」と考え続ける。

これが「あんた詰め込んでいるね」とよく言われるのだけど、自分にとっては、何も特別なことではなく、最短距離で何かを見に行くことをしていたらいつしか自然とそうなった。

だから、帰宅後の寝るまでの時間が自宅で色々と考える時間であり、それも昼間外で頭の中で考え事をしていることのまとめ作業に近い。

一体、いつからそうなったんだろう。僕は離婚をしている。4年くらい前に。それまでは地元に建てたマイホームに暮らしていて、自分の書斎でレコードを聴きながらPCで音楽を聴いたり、ケーブルテレビでひたすら釣りチャンネルを見続けていた。

理由は簡単で、なんてことはない。他にすることがなかったから。

今は、独り身なもので、東京に出てきて、自分のためだけの部屋を作って、好きなものに囲まれている。

地下鉄に乗れば御茶ノ水も日比谷も表参道も下北沢も1本で行くことができるし、山手線で上野も池袋も新宿も行き放題。

そんな1月3日の出来事。

基本、正月って身体が鈍るのですよ。実家なんかで豪華な料理なんかを出されたりして、それを食べるくらいしかやることがなくって、車社会で歩きもしない。

だから、鈍る。

前にnoteに書いたことがあるんだけど、5年くらい前に僕は倒れ、そこでものすごく体力がなくなってしまったので、健康維持のためにキックボクシングを始めて、体力を取り戻しつつ(とはいえ、スパーリングさえまだまだまだだけど、今年試合します!宣言します!)、少しでも動かないと落ち着かずだるくなるようになってしまった。

朝、起きた。最大の人生懸念事項であった睡眠障害が新居パワーにより改善されつつあるので、気持ちよく朝、普通に目が覚めて、自宅から3分くらいで行けるキックボクシングにフィジカルクラスに参加しに行き、お正月の鈍った身体(とはいえブランクは3日程度)を目覚めさせる作業からスタート。まー、3日程度でもやらないと下手になるもので、ミット打ちを元プロボクサーの先生に見てもらったのだけど、

右フックのフォームがボロボロに。そしてサーキットトレーニングも軽めなのだけど、「試合しまっす」という仲間に比べたら息も途切れ途切れになりまして。

「軽く動ければいいやー」くらいの自分にとっては、少し重めのメニュー。だけど、強制的に身体的に2020年を目覚めさせちゃおうと、まぁ、頑張った自分。自己承認な。

キックボクシング事務とはいえ、寝技も総合格闘技もムエタイもボクシングも、ヨガも空手もできるので、その時の気分に合わせて選べるのが通っているジムのいいところで、

空手を再開させたことが、呼吸に影響し、睡眠が好転するきっかけになったかもしれない。

腹式呼吸、大事なのです。

そういえば、不眠になる前は空手を続けていたので、この「深い呼吸」が、自分にとってはかなり睡眠や体調調整によかったのかもしれないな。とも実感してる。

あとは「精神統一」。なかなか自分自身と向き合って、目を閉じて瞑想的に呼吸を整えてから1つ1つの身体の動きと向き合うことなんて普段の日々ではなかったりするので、

やっぱり運動はいいなー。と思うんです。

もう一度言います。秋に試合します。目標というよりもやる。絶対にやる。まぁ、目標ですね。

「やりたいんです」という状況では、実現も自己実現もできないんだよ。とメンタルトレーナーの方に聞いてなるほどね。と感じたことが最近あった。「●●したい」というのは、つまりは「今、●●できていない自分」ということになるので、「できないじゃん俺。」となるのだそうで、潜在意識の力を活用しきれないみたいなのですね。

その無意識の力を発揮してガシガシ進んでいくには、「やる」ということが大切なのであって。ということで、「やる」。

久しぶりの練習でボロボロになった後は、まずは近所の氏神様にご挨拶。今年もよろしくですね。とお伝えしなければならないので、神社へ。

神妙な空気の中で、「あれもこれもそれもおねがします」と無茶な要求をお願いしつつ、おみくじを引きます。

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「酒と女に溺れるな。後はうまくいく」というざっくりとした「考えられる限り最高の事が書いてある大吉」をゲットしたのでなんか安心しつつとりあえず表参道、渋谷方面に向かってみることに。

地下鉄、好きなんですよね。空いているのもあるんですけど、落ち着いて座っていられる空気が好きで、それもまぁ、千代田線という産湯の頃からお世話になっている路線に乗る安心感というのもあるのかなーと思いつつ、

渋谷に行っていました。

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(銀座線、新しくなっていた!)

19:30に予約していた舞台が駒場であるので、今、15:30の自分には複数の選択肢が。ご贔屓のレコード店、Big Loveに行くか・・・それとも喫茶店に入るのか・・・買い物に行くか・・・と迷った挙句、

自分は渋谷のアップリンクに。

見た映画は「希望の灯り」。今、アップリンクでは、2019年に見逃した映画を再上映するイベントが開催されています。やっぱり、映画は映画館。そのスクリーンでみるからこそ、伝わる事があるのです。

まぁ、正確には、去年見ているんですけどwww 好きな映画だったので、時間もちょうどよく、入ってみました。

この映画、素敵なんですよ。特別なことなんて何も怒らないんだけど、刑務所上がりの青年が、就職したスーパーマーケットで、「淡々と日常を仲間たちと過ごす同僚と触れ合いながら生きている」という話。

特別なことなんて何もないんです。仕事をサボる先輩がいて、仲間に入れてもらえて、本人はやり直すために真面目に働いて、少しきになる人妻がいて、スーパーマーケットの中では、楽しそうに振る舞う。

だけど、それぞれ家に帰ると、プライベートで抱えている問題を持っていて、むしろ、家から本当の家族と呼べる存在がいる職場に毎日帰ってくる。という。

彼らは、有名でもなんでもない、1つの街の1つのお店の単なる従業員。雑なたとえでいえば「無名戦士」なんです。

しかし、彼らの日常を淡々と映し出されること自体が、「生きるためにやる事がある時間の中で些細なことを見つける幸運」は引き立てられる。僕はそう思っています。

密かに世界中の人たちに知られない場所で、それぞれが偶然見つける小さな小さな出来事。捉え方によっては、それは「最高の祝福」でもある。

成功の定義なんて、人それぞれじゃないですか。だから、自分はSNSなどで可視化している成功体験とかを尊敬しつつ距離を置きたいと思っているのも事実で、普段の会話や日常から見つけ出せる「自分と周りの人たちだけの幸せ」に

出会う事ができるだけで、それは「彼らにとっては成功」でもある。だから、別の価値への基準軸で生きている人がマウンティングしたり、何かをいうことはナンセンスだと思うんですよね。

いいじゃんか。好きに生きていて何かみんなに迷惑かけたかい?とも思うし。

きっと、2年まえの自分だったらそんな想いは持つ事ができなかったんだろうなと思います。必死で。それもとても素敵な事だけど、僕はそういう世界には囚われすぎてしまう。

実際見失って、自分の立ち位置がわからなくなって、身体を再び壊しかけたこともあります。

ある尊敬する演者さんが話していたんですよね。彼は誰もが羨む才能を持っていて、実際に彼だけしかできない言葉のマジックを持っていて、食事をしているときに「成功者だよねあの人」ととある実業家の話題になった時に、

「それはあっちの基準じゃん」と「自分は作品ができている。それを実現でき、ファンに届けられているだけで幸福なんだ」と1mmの曇りもなく言った。

捉え方次第で、お金のことは置いておいて、僕はとても素敵だと思って、反省したんです。

「誰かの成功の価値観に僕は飲み込まれていたんだな」と。

だから、ジム・ジャームッシュ監督のパターソンもそうだけど、ただ生きていて、大切な人がいてくれる暮らしってすごく大切なのではないかって。

今の自分の価値観は、「特別なこと」をしていくよりも、その考え方に軸が置かれているような気がします。

第一、自分が面白くないと思ったら、受け取る人の心には刺さらないんだなー。「ガワ」ではいたくないんです。

ああ、ここにもサニーデイ・サービスの影響、バッチリ出てるじゃんね。

話はずれましたけど、こお映画はそんな日々の中の自分だけの特別を教えてくれるきっかけになる映画なので、オススメだったりします。

疲れた時にみると、なおさら染みる。もし、「退屈だな」「平坦だな」と思うのであれば、それを続けられる幸せを噛みしめるきっかけになると思うのです。

そして、映画を観終わった後は井の頭線で駒場東大前。演劇の劇場、こまばアゴラ劇場へ。ここでは今日から初日で、松居大悟さん率いる劇団、ゴジゲンの第16回公演の初日。

タイトルは、「ポポリンピック」。

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今年開催される東京五輪の追加種目候補だったボーリング。ボーリングの世界に関係する売れないボーリング場の人たちと、そこに現れた天才ボウラー達が、種目として選ばれなかった。

出る事ができないのであれば、彼らだけの物語を作り上げていこう。

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という面白くも風刺のあるコンセプト。元々、ラジオなどで聴いたり、たまに公演を観に生き、「この展開ありえんぞ!」と楽しみながら通っている団体さんです。

これ、想像以上に面白かった。

詳しくはまだ初日なので、控えさせていただくのですが、「熱意があるものがじゃあやったるわ!」と一致団結していく姿に胸を打たれました。

「正式な権威を目指すだけがスポーツをする人たちの目的ではなく、自分たちで作るであればそれはそれで他の人たちが止める権利もないよね」

という権威との対峙をコメディタッチで面白おかしく考えさせてくれる大傑作なのでした。

1/21まで東京公演は行われているそうなので、演劇に触れていない人でも観て欲しい気がします。

地方も回るそうです。

嫉妬するくらいオシャレだった。いちいちのセリフや振る舞いが!

久しぶりの大阪から来た親友(盟友ともいうんだぜ)と観劇した後は居酒屋へ。飲めない酒を飲みました!!!!!!

あまりにも演劇がよくて、語るには「今の自分、酒の力借りちゃいなよYOU」とどこからか声が聞こえたので飲んじゃいました!!!!!!!

それで音楽友達なので、相変わらず「ねぇ、今年の夏フェス誰が来るのかな」とかもう知り合ってからそれぞれマネジメントとかする立場になったので、部下の子をどうしたらお仕事のクオリティを保ちつつ自走させてあげるかなんて話をしながら(大人じゃん俺たち)、彼が唐突にルーリードのドキュメンタリー映画の話題をし始めたのです。

何だろう、畔かわからないけれど、ジム・ジャームッシュの話になって、彼が制作する音楽関係映画の話題から入っていったんだと思うんだけど、

彼から「観てないの?観てないの?」と言われたのがルーリードのドキュメンタリー映画「ロックンロール・ハート」。

辛くなったら見るんだって。

2人が大好きなルーリード(増田はヴェルベットアンダーグラウンド信者です)の話からこの映画は見るべきや!と言われたので、何となく、ほろ酔いで渋谷のTSUTAYAに。

それで、この映画、通販だと見つかりにくいし、某アメリカの大手通販サイトだと1万円を超えていたので、諦めていたところ、何とレンタルで発見してしまいました。

もちろんレンタルしつつ、その他の膨大な映画とCDライブラリーの中から「あれ観た?」「これ聴いた?」とTSUTAYA散策をしてしまい、終電に。

電車の中でもひたすら音楽と演劇の話。途中、今日手に入れた演劇のチラシ30枚ほどを誤ってバラまくという事件があり、周りの方のご協力で拾ってもらったんだけど、それもまたいい話として僕たちの永久に続くであろう友情の1ページとして残ることになったのです。

好きなものがある友達はいいよね。というそんな話でした。

なんだか、久しぶりに学生みたいな時間を過ごしたと思うんだけど、きっと僕たちは永久にこういう関係なんだろうと思う。

次に会うのは3月のThe Nationalの来日公演なのではないかと思うのです。

そんな1月3日のバラードでした。

後、せっかくなのでラフに今年の自分を

1.キックボクシングの試合をする

せっかく始めて3年たったので。やる。

2.他人はそんなに気にしない。

流されない。自分は自分。

3.体調最優先!

とにかくこれ!

です


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増田ダイスケ
新しいzine作るか、旅行行きます。

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