読書脳
最近訛りきった体を少しでも動かすために意識的に一駅分歩くようにしている。
その通り道に商店街があるのだが、スーパーや飲食店が並ぶその中にポツリと
古本屋さんがある。
いつもは素通りしているこのお店だが、「読書ブーム」が訪れたという親友の言葉をふと思い出し、店内に入ってみた。
外から見ているだけだとどこか質素な雰囲気だったお店だが、中に入ってみると広々としている。
外国文学・推理小説・時代物
慣れない言葉にはじめは圧倒され場違いだったかな?などと不安に感じたが、見慣れた作家の文庫本を見つけると途端にほっとした。それから次第に冷静に店内を見渡せるようになった。
マスターと思わしき若い男性はテキパキと本棚を整理していた。
好きなものに囲まれたその姿はなんだか輝いて見えた。
運動不足に加え読書からもだいぶ遠ざかっていた私だが、
好きな作家である柚木麻子さんの割と新しく出版された本を見つけたので早速手に取り店を後にした。
雑誌はたまに読んでいるのだが本を読むのは本当に久しぶりで
読み始めのうちはなかなか登場人物や物語についていけず読むのに時間がかかるのだが物語が面白いのも相まってだんだんスルスルと読めていくようになるのだから面白い。
英語脳があるように、読書脳もあると思う。
なんなら仕事脳とかだらけ脳なんてものも存在すると思う。
人間はよくも悪くも順応する生き物で慣れてしまえば何でもそれがやり易くなる。
読書をしていて踊るような文章を見ているうちに、なんだか自分も文章を書きたいという気持ちになりこの文章を書いている。
この調子で“執筆脳”も作り上げたいところだ。