『知名度低め』の逸品映画3選
今回はあまり一般的に知られていなかったり、単純に古くて観られていない作品の中で、個人的に絶対オススメ出来る映画を紹介します。
1.運命じゃない人
『アフタースクール』『鍵泥棒のメソッド』の内田けんじ監督・脚本で、カンヌ映画祭で4つの賞を受賞した作品なのだが、これが出世作な為に出演者に著名な俳優がいないことなどもあり、何気に観ていない方も多い。前述の2作同様やはり脚本が秀逸で、ラストまでに散りばめられた伏線を全て回収する緻密な構成は、見事と言う他ない。内田監督の原点と言うとさらに前作の『WEEKEND BLUES 』になるが、何れも“予算が無くても名作は作れる”ことをハッキリと証明している作品と言える。
2.情婦
アガサ・クリスティの原作を巨匠ビリー・ワイルダーが映像化した、法廷サスペンスの名作。1957年公開のモノクロ作品であることや、『情婦』という明らかに失敗な邦題により、こちらも観ていない方が結構多い。マレーネ・ディートリッヒを始めとした俳優陣の演技が素晴らしく、何より脚本が完璧。サスペンス映画の金字塔であり、頂点と言って過言ではないと思う。「映画史に残るラストシーン」という謳い文句は伊達じゃなく、観たことの無い人は、是非観ておいて頂きたい。
3.トニー滝谷
『ドライブ・マイ・カー』は私が未見なので除いて、村上春樹さんの小説を映画化した作品としては、唯一の成功例なのではないかと思う。村上さんの世界観を人の演技で映像化するのは非常にハードルが高く、やはり他の作品は上手く再現出来ていない。成功の理由は2つ。宮沢りえとイッセー尾形の二人芝居のような形式を取り、映画と言うよりは“観る小説”とも言える実験的な作りにしたこと。「映画と言えるのか」という部分で賛否は分かれるだろうが、村上春樹の世界観を好む人なら間違いなく楽しめる作品だと思う。
如何でしたか。『トニー滝谷』は観る人によって…という感じもしますが、『運命じゃない人』『情婦』は観ていないなら是非!とオススメ出来る逸品です。全部観てる人、どなたかいらっしゃいますかね?
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